2004年設立のエアパルスは、英アコースティック・エナジーの創立者であるフィル・ジョーンズ氏がエンジニアチームのトップを務めている。そしてこのA80は、これまで氏が手がけてきたプロ用ニアフィールドモニターのノウハウが反映されたハイレゾ対応アクティブスピーカーだ。現物を見て、触ってみると、ペア約8万円という価格が恐ろしくお値打ちに感じられる。

 18mm厚MDF材のエンクロージャーはいかにも頑丈で、ラウンドの加工も美しい。背面上部には楕円形のバスレフポートが設けられている。トゥイーターにはアルミニウム材のリボン型が採用され、ホーンロードによりハイスピードかつ透明感豊かな高域再生を実現するという。115mm径のウーファーはアルマイト処理のアルミニウム合成コーンに同じくアルミニウムのセンターキャップが取り付けられている。TI社のクラスDアンプ2基はトゥイーターとウーファーにブリッジ接続され、デジタル入力は最大192kHzまで。ブルートゥースは高品位なaptXに対応している。

A80のリア。今回はMacBook AirとUSBで接続してハイレゾ音源を試聴した。サブウーファープリアウトを備えるため2.1chのシステムも可能だ

付属のウレタン製アングルベースでやや上向きに設置できる

 今回はMacBook Airの左右両脇にA80を置き(付属のアングルベースも活用)、自分の頭と2本のスピーカーを結ぶと一辺約50㎝の正三角形ができるような距離感でハイレゾやストリーミングを聴いてみた。音を聴いてまず感じるのは、モニタースピーカー的なストイックさと工芸品的な情緒深さが絶妙なバランスを保っているということ。どんな音源も生真面目になりすぎず、その曲の聴きどころを大らかさをもって聴かせてくれる。

 ジェイムス・テイラーの「ファイア・アンド・レイン」(192kHz/24ビット)を再生すると、彫りが深く緻密なヴォーカル&ギターとアグレッシヴなドラムフィルを豊かなコントラストで描き出す。リボントゥイーターの効能か、ミニマムな設置でも音場は箱庭的にならず、シンバルヒットはリスニングスポットの外側まで気持ちよく広がっていく。ビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」(44.1kHz/24ビット)のようにシビアな定位感と素早い低域レスポンスが求められる最新録音の再生も余裕だ。弾力のあるキックドラムの上を浮遊するヴォーカルの凄みに震え上がった。

 もちろんリビングでカジュアルに聴くのも悪くないけれども、音楽と一対一で親密に向き合いたい人にこそ推したいスピーカーだ。

 

AIRPULSE
SPEAKER SYSTEM
A80
オープン価格(実勢価格7万7,000円前後(税別)、ペア)

●型式:アンプ内蔵2ウェイ 2スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:リボン型トゥイーター、115mmコーン型ウーファー
●アンプ出力:10W×2(トゥイーター)、40W×2(ウーファー)
●クロスオーバー周波数:3kHz
●接続端子:デジタル音声入力2系統(光、USBタイプB)、アナログ音声入力1系統(RCA)、プリアウト1系統(RCA)
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:〜192kHz/24ビット(PCM)
●備考:Bluetooth接続(コーデッックはSBC、AAC、aptXに対応)
●寸法/質量:W140×D240×H255mm(突起物含む)/4.8kg(1本)
●問合せ先:(株)ユキム ☎︎ 03(5743)6202