キヤノンは、映像制作機器CINEMA EOS SYSTEMの新製品となるデジタルシネマカメラ「EOS C300 Mark III」を6月下旬に発売する。

 C300 Mark IIIは、新開発の「DGOセンサー」採用により広いダイナミックレンジを実現するとともに、4K/120pのハイフレームレート記録に対応した製品だ。映像制作や放送用コンテンツ制作など、さまざまな撮影現場で好評を得ている「EOS C300 Mark II」の後継機種で、基本性能を刷新するとともに、上位機種「EOS C500 Mark II」と同じく、ユーザーが撮影現場に応じて自由にカスタマイズできるモジュールデザインを採用し、幅広い映像コンテンツの制作に対応している。

 その主な特長は以下の通り。

●プロの映像制作に応える多彩な映像表現
 1つの画素出力に対して異なるゲインで出力することで低ノイズのHDR動画を生成する新開発の4Kスーパー35mmのCMOSセンサー「DGOセンサー」を搭載。明暗差の大きい環境でも、像ズレがなく、豊かな階調を持つ4K/60p映像を撮影できる。また高速処理が可能な映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 7」を搭載し、スロー再生時でも滑らかな映像表現ができる4K/120pのハイフレームレート記録にも対応。

●さまざまな撮影スタイルに対応できる優れた拡張性
 EOS C500 Mark II同様に、ユーザーが撮影現場に応じて自由にカスタマイズできるモジュールデザインを採用。小型軽量を生かしたドローン撮影から、拡張ユニット(別売り)を装着した複数台のカメラによる撮影まで、さまざまな撮影に対応できる。またマウントキット(別売り)により、ユーザー自身でEFマウントから、EFシネマロックマウントやPLマウントに交換可能。

●4K/HDR映像の制作をサポートする2つのビデオフォーマット
 映像の情報量を維持しながらデータサイズを軽くできる「Cinema RAW Light」を採用し、RAWデータを本体内部に記録できる。動画データを圧縮し効率的に記録する「XF-AVC」にも対応し、編集作業の効率化をサポートする。CFexpress Type BカードとUHS-II規格のSDカードも使用可能(Cinema RAW Lightは、CFexpress Type Bカードにのみ記録可能)。

 また今回、EFシネマレンズの新製品として、CINE-SERVOレンズ「CN10×25 IAS S/E1」(EF
マウント)と「CN10×25 IAS S/P1」(PLマウント)も同時発表、7月上旬に発売される。価格はどちらもオープン。

 両モデルは8Kカメラに対応する光学性能と高倍率の10倍ズームを実現し、1.5倍のエクステンダーをレンズ本体に内蔵した「CINE-SERVOレンズ」シリーズのEFシネマレンズだ。8Kカメラに対応する高い光学性能を生かして、4Kカメラでも高品位な4K映像の撮影が可能。肩担ぎが可能な軽量設計に加え、放送用レンズ同様の操作性を実現する着脱可能なドライブユニットを標準装備し、放送コンテンツから、映像作品制作まで幅広いニーズに対応する。