来たる4月7日(火曜日)、弊社がレコード会社協力のもと制作・販売している「アナログレコードコレクション」に新たに五輪真弓『恋人よ』のアナログレコードが加わる。今回はソニー・ミュージックから特別に許諾を得て、オリジナルのアナログマスターテープを外部スタジオ「STUDIO Dede」に持ち込み、ラッカー盤を起こしているのが最大の特徴となる。

 東京・池袋にある「STUDIO Dede」はヴィンテージ機材が充実した独立系スタジオとして知られ、近年は米国スカーリー製のカッティングレースを導入し、アナログ盤の製作にも積極的に取り組んでいる。弊社のアナログレコードでは2018年5月に発売した、オリジナル選曲によるLP『THE PEANUTS The First Decade 1959~1967』(販売終了)が「STUDIO Dede」で製作されていた。
 今回は1/4インチ幅のオリジナルのアナログマスターテープを、モディファイされた2台のテレフンケン製テープレコーダーによりテープ・トゥ・テープにより一旦デュプリケーション。デュプリケーションされたハーフインチのアナログマスターテープをプレイバックし、ドルビーAのノイズリダクションユニット「A301」を介して、スカーリーのカッティングレースによりラッカー盤を製作し
ている。

マスターテープのデュプリケーション(テープ・トゥ・テープのトランスファー)作業に使用されたテープレコーダー。こちらは送り出し用のテレフンケン「M21 1/4"」。

受け側用に使用されたテープレコーダー。テレフンケン「M21 1/2"」。内蔵されるアンプは送り出し用も含めて、「STUDIO Dede」のエンジニアである松下真也さんがレストアしたヴィンテージ・アンペックス。

「STUDIO Dede」にて稼働中のカッティングレースは米国スカーリー製で、ウェスタン・エレクトリックが改造を加えた「RA1389」、カッターヘッドは米国ウェストレックスの「3DⅡAH」。

 

ドルビーラボラトリーズのドルビーAノイズリダクションユニット「A301」。近年、主流となっている1Uサイズのオペアンプ仕様ではなく、この「A301」はフルディスクリートの回路基板が特徴の初期型で、「1Uサイズのそれより音質的に優位性がある」と松下エンジニアは語る。

 今回の企画を引き受けてくれたのは、ヴィンテージ機材に造詣が深く機材のメインテナンスまで自身で行なうエンジニアの松下真也さん。オリジナルのアナログマスターテープに記録された五輪真弓とバッキングの持ち味をストレートに引き出すため、先に触れたテープのデュプリケーション作業からラッカー盤の製作まですべてをお一人でこなしてくれた。
 完成したラッカー盤は、静岡にあるソニー・ミュージックのプレス工場に送られ、最終的に商品となるLPがプレスされている。『恋人よ』のオリジナルLPは1980年にリリースされているので、今回の復刻はちょうど40年ぶりのアナログレコード化となる。研ぎ澄まされたバッキングと揺るぎない五輪真弓のヴォーカルが、2本のスピーカーの間に奥行きを伴って立ち現われる様子がストレートに感じ取れる。

「STUDIO Dede」のカッティング/マスタリングルーム。カッティングエンジニアの松下真也さんは30歳代半ばであるが、弊社スタッフは若い世代のエンジニアが五輪真弓の名作『恋人よ』に新たな光を当てることに意義を見い出し、オーディオファン/音楽リスナーに新たな感動を届けられると考えた。

五輪真弓「恋人よ」(アナログレコード)SSAR-043 ¥5,500(税込)
4月7日(火曜日)発売

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