エソテリックの一体型SACD/CDプレーヤーに「XD」エディションが誕生した。「K-01XD」(¥1,750,000、税別)と「K-03XD」(¥1,100,000、税別)の2モデルで、どちらも3月1日に発売される。

 同社の一体型SACD/CDプレーヤー「K-01」「K-03」は、その音楽再生能力が高く評価され、世界中でデジタルプレーヤーのリファレンス機としての地位を不動のものにしてきた。

 今回の「XD」エディションは、両機をベースに「VRDS-ATLAS」トランスポートメカニズムと、自社設計の「Master Sound Discrete DAC」という、フラッグシップの「Grandioso K1X」の開発で培った技術を搭載することで、音楽再生能力に更なる磨きをかけている。

トップの写真が「K-01XD」で、こちらが「K-03XD」。本体サイズなどはどちらも共通

 VRDS(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)テクノロジーは、ディスクを同径のターンテーブルに確実にクランプして回転させ、ディスク自身の回転振動やメカニズムの不要振動を徹底して排除する同社の主要技術となる。

 ターンテーブルでディスクの反りを矯正することで、光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させ、サーボ電流を極小化。これらにより、ディスク読み取りエラーの大幅な減少と優れた音質を実現している。

 このVRDSメカニズムは30年以上にわたって進化を続けてきたが、中でも最大のハイライトが、VRDS-ATLASの誕生だという。K-01XD、K-03XDでは、VRDS-ATLASリファレンスメカニズムの資質を余すところなく継承した各モデル専用のメカニズムが搭載されている。

 K-01XDに搭載された「ATLAS 01」は、上位モデルと同一の20mm厚ブリッジを採用。K-03XDは18mm厚ブリッジの「ATLAS 03」となる。両メカニズムとも高い剛性と重量を誇り、音質に影響を及ぼすあらゆる振動を減衰している。

VRDSドライブメカ

 もうひとつの「Master Sound Discrete DAC」は、ディスクリート部品で回路を組み上げることで、音楽の躍動感とエネルギーの完全なる再現を目指した、完全独自設計のD/Aコンバーターシステムとなる。

 K-01XD。K-03XDに搭載されたバージョンでは、上位モデルK1Xのエッセンスを凝縮しつつ、シンプルな回路構成を採用。DACは、1チャンネル当たり32のエレメントから構成され、その各エレメントはクロックドライバー、ロジック回路、コンデンサー、抵抗などで成り立っている。K-01XDでは、プレミアム・グレードの高音質パーツを贅沢に採用している点もポイントとなる。

 このDAC回路はDSD22.5MHzを始めとする最新フォーマットに対応。DSD、PCMをそれぞれ最適に再生するためのFPGAのデジタル処理アルゴリズムは、このために開発された専用仕様になっている。また各デジタル入力でMQAコーデックにも対応している。

 このふたつの他にも以下のような技術を搭載するなど、音質のための配慮が施されている。

●強力な電源回路
●ローフィードバックDCレギュレーター/スーパーキャパシターを搭載
●セミフローティングトップパネル
●独自の電流伝送強化型出力バッファー回路、ESOTERIC-HCLD(High Current Line Driver=高音質な電流伝送方式)
●Grandioso Custom VCXO(電圧制御型水晶発振器)搭載

リアパネルの端子仕様も2モデルで共通となっている

「K-01XD」「K-03XD」の主なスペック

●再生可能ディスク:SACD、CD(CD-R/CD-RW対応)
●出力インピーダンス:XLR114Ω、RCA34Ω
●周波数特性:5Hz〜70kHz(-3dB)
●S/N:113dB(A-Weight)
●接続端子:アナログ音声出力2系統(XLR/ESL-A、RCA)、デジタル音声出力2系統(XLR、RCA)、デジタル音声入力3系統(RCA、光、USB Type-B)、クロック入力1系統(BNC)、他
●デジタル音声入力対応フォーマット:同軸・光=リニアPCM 最大192kHz/24ビット、DSD 最大2.8MHz(DoP)、USB Type-B=リニアPCM最大384kHz/32ビット、DSD 最大22.5MHz
●消費電力:K-01XD=26W、K-03XD=25W
●寸法/質量:W445×H162×D438mm(突起部含む)/K-01XD=31kg、K-03XD=28kg