キヤノンは、デジタル一眼レフカメラEOSシリーズのエントリーモデルとして、「EOS Kiss X10i」を4月下旬に発売する。価格はオープンで、本体の想定市場価格は¥105,000前後。ダブルズームキットは¥145,000前後となる。

 EOS Kiss X10i(以下、X10i)は、2017年に発売された「X9i」の後継モデルで、より小型を図った現行「X10」と、ミドルクラス「90D」の特徴を引き継いだ製品。エントリー層の中でも、光学ファインダーを使いたいというユーザーへ向けたモデルとなる。

 撮像素子はX9iと同じ約2410万画素(APS-CサイズのCMOSセンサー)となるが、映像エンジンは最新のDIGIC8となり、ISO感度は常用で25600まで使えるほか、4K動画(残念ながら4K/24p)の撮影も可能となった。

 露出や測距のスペックについては90D同等となり、顔検出や、顔検出後のAFの追従(EOS iTR AF)にも対応する。なお、動画撮影時など、ライブビュー時でも、AF枠が被写体に素早く追従するので、ピントを外さない精度の高い撮影が行なえるようにもなっている。

 一方、操作面では、Kissシリーズ初となる「AF ONボタン」、「サブ電子ダイヤル」の搭載で、より上位モデルに近い使い勝手が得られるよう改良された。

 また、RFマウント用交換レンズの新製品「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」も発表され、こちらの発売も4月下旬。価格はオープンで、想定市場価格は¥60,000前後。フルサイズミラーレス「EOS RP」とのセットモデルもラインナップされ、こちらは¥180,000前後となる。

 RF24-105mm F4-7.1 IS STM(以下、RF24-105mm)は、EOS R、およびRPのコンパクトさに合わせて本体サイズを小型化しつつ、汎用性の高い領域をカバーしたズームレンズ。EF-Sマウント用の同焦点距離のレンズ(EF24-105mm F4-7.1 IS STM)と比べても全長で20%ほどダウンサイジングされており、日常的にカメラ&レンズを携帯しても、かさばらずに持ち運べるだろう。

 マクロ撮影も可能で、ワイド端(24mm)は最短撮影距離20cm/倍率0.21倍、テレ端(105mm)は最短撮影距離34cm/倍率0.40倍、というスペックだ。

 なお、本レンズのみの機能として、「Center Focus Macro」が新搭載された。これは、カメラおよびレンズをマニュアルフォーカスとすることで、最短撮影距離よりも近寄った状態でのマクロ撮影が行なえるもの(カメラ側をマニュアルフォーカスに設定する)。

 これを実行すると(使えるのはワイド端のみ)、最短撮影距離が13cmまで短くなり(レンズ前部から被写体までは約2.5cm!)、撮影倍率は0.50倍というマクロが実現できる。フォーカスが合うのはセンター部分のみということで、Center Focus Macroと命名されたそう(使用後は、AFモードに戻す必要がある)。レンズフードは別売りだ。

 そして、EOS Rシステムの最新機となる「EOS R5」の開発発表も行なわれた。発売時期や価格、製品仕様などは明らかになっていないが、発表時にアナウンスされたのは、8K動画の撮影と、高速撮影(メカシャッター12fps)、デュアルスロットの搭載といったキーフィーチャー。特に8Kがどのような仕様になるのか、続報を待ちたい。