完実電気から、英国Rega(レガ)のアナログプレーヤー、MCカートリッジが2月6日に発売される。そのラインナップと価格は以下の通り。

アナログ・プレーヤー Planar10 ¥650,000 (税別、カートリッジなし)
アナログ・プレーヤー Planar10 with Apheta 3 ¥800,000(税別)
MCカートリッジ Apheta 3 ¥220,000

 レガは、1973年にイギリスで設立以来、40年以上に渡ってアナログプレーヤー、アーム、カートリッジといったアナログ関連製品を継続して開発してきた。“Made in England”にこだわり、キャビネット、アームは勿論、リッツ線にいたるまで自社工場にて開発生産している。

ダストカバーを外した状態

 Planar 10は、現在のレガの持つテクノロジーのすべてが搭載された製品として開発された。シリーズの開発から生まれた最新の技術と素材の活用法を高める一方で、ブランドビルダーのRoy Gandyと彼の右腕であるPhill Freemanによるプロジェクトで築き上げたクラフトマンシップを製品開発に反映している。

 その主な特徴は以下の通り。

ポリウレタンフォームキャビネット
 キャビネットには、Tuncast 8ポリウレタンフォームを初採用。Tuncast 8は航空宇宙産業用に開発された材質で、優れた「軽さ」と「硬さ」で注目されているハイテク素材という。質量の分配を見直し、キャビネットのデザインに改良を加えて、30%以上の軽量化を実現している。

RB3300トーンアームを搭載
 ハイエンドモデル「Naida」で開発したエッセンスを反映させたハイエンドアームを搭載。ターミナルの接続性も改善されており、接点でのロスが最小になるような設計となっている。

一体成型を実現したハブベアリング
 サブプラッターを回すハブベアリングの一体成型を実現。サブプラッターがモーター側に傾くことなく、垂直性を保ちながら、滑らかな回転を実現する。

電源部は別筐体となる

デュアルブレイシング・テクノロジー
 異種合金でつくられた2枚のプレートを天面と底面に加えたデュアルブレイシング・テクノロジーにより、剛性が求められるアームベースとプラッターの軸上の2点を結ぶエリアで剛性アップと優れたバランス配分を実現。さらに、プレートの形状を見直したことで、軽く精度のいいベアリングの採用が可能となり、不要なエネルギーの発生を抑えることに成功した。

セラミックプラッター
 セラミックプラッターを新規開発。原材料であるセラミックパウダーから見直し、ダイヤモンドカットを向上させたことにより、優れた平面性と歪みのないホイール加工を実現。

カスタムモーター/ベルト
 モーターへの電圧供給と振動対策を強化し、回転制御を高めた。ベルトも新規開発し、ゴムを原料とした別注品の科学系素材を使い、さらに切れにくく、滑らかで、たるみにくい形状に変更した。

大型電源ユニット
 新しいDSPの採用により、クォーツクロックの精度が一層向上し、正確な電源供給を実現。これにより、回転ムラや鳴りを抑えることができ、不要な振動がプラッターやキャビネットに伝わらないようになっている。33回転、45回転で個別に回路設計されおり、1台ごとに調整して出荷される。

Planar10の主なスペック

●駆動方式:ベルトドライブ
●回転数:33 1/3、45
●寸法/質量:本体 W420×H125×D315mm(ダストカバー閉時)/4.7kg、電源ユニットW218×H80×D320mm/3.0kg

 MCカートリッジのApheta 3は、3年に渡る針先のファイライン加工についての研究開発から生まれたモデルだ。針先を90度に加工することにより、レコード盤の溝をより正確にトレースする。またマグネットには出力特性に優れたネオジウムを採用、力強い音質を実現している。

 本体はアルミで一体成型されており、クリアーカバーで、コイル、ワイヤーを保護。内部のコイルを独自の方法で巻くことにより、ダウンサイズも実現し、トラッキング性能も向上したという。

Apheta 3の主なスペック

●針圧:1.90〜2.00g
●出力抵抗:10ohm
●出力電圧:350μV
●高さ:16mm