マランツのハイファイコンポーネントに、新製品となるSACD/CDプレーヤー「SA-12 OSE」とプリメインアンプ「PM-12 OSE」が加わった。どちらも¥350,000(税別)で、2月下旬に発売される。

 “OSE”とは“Original Special Edition”のことで、既に定評のあるモデルをベースに、マランツらしいチューニングを施したモデルを指すという。今回は2018年に登場した「SA-12」「PM-12」をベースに、上位モデルであるSA-10、PM-10の技術を継承することで、さらなる高みを目指している。

SA-12 OSE

 オリジナルモデルからの変更点としては、まず銅メッキシャーシを採用している(リアパネルを観ると一目瞭然)。SA-12、PM-12はシャーシに鉄板を使っていたが、それを銅メッキにしたことでS/Nが改善され、より静かなサウンドを獲得したそうだ。

 もうひとつはトップカバーの変更となる。これまでは鉄板が使われていたが、OSEシリーズでは5mm厚のアルミパネルとなった。アルミは非磁性体でもあり、圧迫感のない広い音場を実現するのに一役かっているようだ。

 さらにインシュレーターがアルミの削り出しに変更された。従来の12シリーズはアルミダイキャストで、これもかなり高品質なパーツだが、削り出しにすることでS/Nが上がり、透明感の高い音を獲得したという。

PM-12 OSE

 回路面については、ベースモデルの持ち味を尊重した改善を加えている。

 そもそもSA-12で音の世界が完成されており、今回もそれを変える必要はないと考えたそうだ。そこでSA-12の世界を踏襲しつつ、よりよくしていくチューニングを行なった。具体的には、フィルムコンデンサー、電解コンデンサーなどはそのままで、金属皮膜抵抗によるチューニング/グレードアップを加えることで、雑味がとれて、こまやか、ていねいなタッチを獲得しているそうだ。

 またSA-12 OSEでは、リファレンスモデルのSA-10に搭載されているデジタルフィルターや、完全オリジナルのディスクリートD/Aコンバーター「Marantz Musical Mastering」を搭載した。USB DACとしては最大11.2MHzのDSDと、384kHz/32ビットのリニアPCMに対応済みで、DSDはネイティブ再生とDoPの両方を受け付けるそうだ。

 一方のPM-12 OSEは、PM-12と同様にスイッチングアンプの採用により、従来のアナログアンプで大きなスペースを占めていたパワーアンプ回路およびヒートシンクが小型化され、このクラスのプリメインアンプではかつてないほどのスペースをプリアンプのために使用できている。

 さて今回、SA-12 OSE、PM-12 OSEと、オリジナルモデルSA-12、PM-12をl組み合わせたサウンドを体験させてもらった。

 ベースモデルでも音場が充分広く、ピアノや女性ヴォーカルの定位など不満は感じない。しかしまずプレーヤーをSA-12 OSEにし、次にアンプをPM-12 OSEに変えていくと、空間がさらに広がり、定位のフォーカス感が向上してくるのが分かる。低音の再現性も違うし、ピアノの奥行きまできちんと把握できるようになった。

 SA-12 OSE、PM-12 OSEとも、35万円という価格の中にフラッグシップのSA-10、PM-10が持つ音の魅力を盛り込みたいという思いで作られている。その制作者のこだわりは両機のサウンドに反映されているのは間違いない。

マランツの試聴室で、新製品のパフォーマンスを体験した

「SA-12 OSE」の主なスペック

●再生周波数範囲:2Hz〜100kHz(SACD)
●S/N:112dB(可聴帯域、SACD)
●ダイナミックレンジ:109dB(可聴帯域、SACD)
●接続端子:アナログアンバランス出力1系統、デジタル出力2系統(同軸、光)、ヘッドホン出力1系統、デジタル入力2系統(同軸、光)、USB Type-A 1系統、USB Type-B 1系統、他
●消費電力:47W(待機電力:0.3W以下)
●寸法/質量:W440×H127×D419mm/17.1kg

「PM-12 OSE」の主なスペック

●定格出力:200W×2(4Ω、1kHz、T.H.D.0.1%)、100W×2(8Ω、1kHz、T.H.D.0.05%)
●全高調波歪率:0.005%(100W、8Ω、1kHz)
●周波数特性:5Hz〜50kHz(±3dB、CD、1W、8Ω)
●接続端子:アンバランス入力5系統、PHONO入力1系統、POWER AMP IN 1系統、RECアウト2系統、ヘッドホン出力1系統
●消費電力:130W(待機電力0.2W)
●寸法/質量:W440×H127×D453mm/15.7kg