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半導体式A級、全段ディスクリート構成のフォノEQ。 
MCではS/N感高く鮮明さを際立たせた鋭敏な再生

米国PSオーディオから、注目すべき高音質フォノイコライザーアンプが登場。新製品のステラー・フォノは、クラスA動作の洗練された全段ディスクリート回路が特徴のフルサイズ機である。アナログ電源部を内蔵しており、筐体の上下を堅牢なスチール製シャーシで覆った構造も特徴だ。手掛けたのは同社の若い主任技師のダーレン・メイヤー氏。FET素子を多用した意欲的なデザインである。サブソニックフィルター回路は持たず、イコライザー補正はパッシヴ構成だという。

 MM/MC対応の本機は、主な操作を付属のリモコンで行なう。大きな特徴は最大20Vという高いラインレベル出力が選択できること。MMポジションで聴いたオーディオテクニカのVM760SLCは溌溂としたダイナミックな音が印象的で、井筒香奈江の45回転盤(日本オーディオ協会)は子音が強調されることなく広帯域な現代的サウンドが楽しめた。低音域は締まっていながらも量感をじゅうぶん確保しており、デイヴ・グルーシンのダイレクトディスクで聴く押しの強いタイトなキックドラムの低音は特に印象的だった。

 フェーズメーションのPP2000は60Ω負荷の設定(MC)で聴いた。S/N感の高さは抜群で、デイヴ・グルーシンは鮮明さを際立たせた鋭敏な音。アンセルメ指揮「三角帽子」は、メリハリのある現代的な音調で聴かせる。背面にある左右独立の可変抵抗器で入力負荷を自由に設定することも可能だ。

Phono Equalizer Amp.

PSオーディオ
Stellar Phono
¥330,000(税別)

●入力端子:2系統(MM/MC、RCAアンバランス)●出力端子:2系統(RCAアンバランス、XLRバランス)●入力インピーダンス:47kΩ(MM)、60Ω、100Ω、200Ω、47kΩ、Custom 1Ω〜1kΩ(MC)●利得:44dB/50dB/56dB(MM)、60dB/66dB/72dB(MC)●出力インピーダンス:200Ω以下(バランス/アンバランス)●寸法/量:W430×H83×D330mm/9.8kg
●問合せ先:完実電気(株)TEL. 050-3388-6838

フロントパネル右側に設けられた表示部。ミュート、入力切替え、選択ゲイン、負荷インピーダンスが表示される。操作は付属のリモコンで行なう。

リアビュー。入力端子はMM用とMC用が独立しており、MCの負荷インピーダンスのカスタムモードでは1Ω〜1kΩ間で設定できる。出力はRCAアンバランスとXLRバランス各1系統を備える。


内部。入力段から出力段までオール・ディスクリート構成で、バイポーラFETを入力段に、MOS FETを出力段に採用する。右手前に配置される電源トランスはトロイダル型で、鉄製のシールドケースに収められる。

付属するリモコン。

試聴に使用したカートリッジ
オーディオテクニカ
VM760SLC ¥80,000(税別)
フェーズメーション
PP2000 ¥440,000(税別)

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