スマホとテレビの連動というと、これまでは単純にスマホ画面をテレビで映す……というものだったが、サムスンエレクトロニクスの新発想テレビは、スマホを縦にするとテレビも縦に回転し、横にすると、あら不思議テレビも横に回転するのである。つまり、InstagramやTikTokなど、スマホでデフォルトの縦動画コンテンツをテレビで縦に見るための仕掛けだ。

 映画やテレビ番組は横長だから横長テレビに合致するが、スマホの縦動画を横長スクリーンに映すと、真ん中だけの小さな映像になる。それは面白くない。テレビでも縦動画は縦画面で見たいというニーズ(?)に応え開発されたのが、スマホ方向連動テレビ「The Sero」(韓国語で“縦”の意味)。43インチの4K液晶テレビだ。

 ひじょうに現代風なテレビアプリケーションの切り口だが、いかにもサムスンエレクトロニクスらしいという言い方もできる。

 サムスンは近年デザインテレビに力を入れている。むしろ「画質よりデザイン」という色合いが濃いメーカーだ。2つの系列があり、ひとつが「Serif TV」。世界的な家具デザイナー、Ronan & Erwan Bouroullec兄弟のデザイン。現代的なアートフレームのような形が特徴。

 もうひとつが、絵画データがダウンロードでき、自宅が美術館になる「The Frame」。電源オンでテレビ、オフで美術館というわけだ。この「The Sero」は画質、音質を売り物にしないという意味で、その系列のものだ。

 NFCを介してThe Seroとスマートフォンが接続され、スマホの位置に合わせ、テレビがスタンドを軸に縦向き・横向きに回転する。若者には向きそうなニューテレビ。

 すでに韓国では発売されている。CESでの展示は世界展開のサインだ。韓国では189万ウォンだから、日本円で19万円ぐらいだ。

スマホの縦動画を横長スクリーンに映すと、真ん中だけの小さな映像になる

そこでスマートフォンを縦に。テレビが回転を始める

縦テレビになった