近年、複合商業施設における映画館の存在は欠かせなくなっている。映画は人々の心を豊かにしてくれるエンターテインメントの一つで、複数の劇場が一箇所に集まったシネマコンプレックスは好みの作品が自由に選べる利点から、映画ファンのみならず、あらゆる層から高い支持を得ている。
 そんななか、イオンエンターテイメントが展開する劇場の一つ「イオンシネマ市川妙典・6スクリーン」の音響システムが先頃リニューアルされ、その高品位なサウンドに注目が集まっている。「イオンシネマ市川妙典」は9つの劇場を完備するが、音響システムが一新された「6スクリーン」は定員522席(座席518/車イス4)を誇る最大規模の空間となる。9つある同劇場の定員はトータルで2,231席なので、「6スクリーン」の規模がお分かりいただけるだろう。
 今回一新された「6スクリーン」の音響システムはフロントスピーカー、サブウーファー、サラウンドスピーカーを含む全チャンネルとそれらを駆動するパワーアンプ。取材班は幸運にも新しい音響システムが導入される現場に立ち会うことができたので、その概要をお伝えしておきたい。
 フロントスピーカーは張り込み型サウンドスクリーンの奥に設置されるため、スタッフが専用工具を駆使して、まずスクリーンが捲り上げられた。幅16メートル、高さ6.7メートルのサウンドスクリーンを捲り上げた光景は壮観そのものだ。

サウンドスクリーン裏に設置されたフロントL/C/Rスピーカーは、中央部に各々インストールされる。いっぽう、サブウーファー計4本は中央下部にまとめて設置。これらのカスタムメイドスピーカーの設計・開発はすべてイースタンサウンドファクトリーが担当している

劇場の環境に合わせた
完全カスタムメイドスピーカーを導入。
設置後の感性領域を含む音の調整は
専門スタッフが執り行なう

 「6スクリーン」のリニューアルを担当したのは、映画館の施工会社として業界最大手のジーベックスだ。ジーベックスはイオンエンターテイメントが考える新しい「6スクリーン」の音響システムのコンセプトを鑑みた結果、既成品ではなくカスタムメイドのスピーカー導入を提案した。カスタムメイドスピーカーはイースタンサウンドファクトリーが設計・開発したモデルで、イオンエンターテイメントが展開している「イオンシネマ弘前・3、4スクリーン」(青森県弘前市)、「イオンシネマ茨木・1、9スクリーン」(大阪府茨木市)、さらに「イオンシネマ福島・1スクリーン」(福島県福島市)にもすでに導入実績がある。どの劇場でもインストール後の評判は好評だという。
 「イオンシネマ市川妙典・6スクリーン」に新たに導入されたのは3ウェイ構成のフロント(L/C/R)スピーカー3本をはじめ、サブウーファー4本、そしてサラウンドスピーカー計16本。サウンドスクリーンを捲り上げ、従来スピーカーを取り外し、すべての新しいスピーカーを定位置にインストールするまでに要した時間は5時間あまり。同時に劇場用パワーアンプも最新型に入れ替えられた。
 スピーカーやアンプ類の設置後、ジーベックスのテクニカルサポート部所属の松村茂さんが、新規導入されたカスタムメイドスピーカーのポテンシャルを100パーセント引き出すため、音の調整が実施された。劇場は当然ながら空間容積がさまざまなため、シネマ専用プロセッサーの各種設定を筆頭にパワーアンプの特性などを考慮しながら、細部の調整が不可欠となる。家庭用AVセンターでもマイクを設置し各チャンネルの音量などを設定するのは一般的に知られているが、劇場でもキカイによる測定結果を踏まえた上で、空間に見合った細やかな音の調整が必要なのだ。さらにその先の音の調整はプロフェッショナルでなければ成し得ない、感性領域にまで踏み込む。松村さんはこれまで日本中のさまざまな劇場において、音の最終調整を執り行なってきたエキスパートだ。
 現代の劇場は最新のデジタルシネマを理想的な映像と音環境で観客に届けることを主目的とするが、実際の劇場の環境はさまざま。そのため、音を最終的に追い込む手法も臨機応変な対応が必要とされる。イオンエンターテイメントが考える理想の映像と音環境を両立する劇場の構築に、ジーベックスとイースタンサウンドファクトリーのコラボレーションは要となる。音環境のしっかりと整った劇場が存在することで、他との差別化を図りながら、同時に顧客の心を掴む。ここ数年、イオンエンターテイメントが試みてきた〈サウンドに特化した〉劇場の展開は、映画ファンの間で徐々に話題となり、実際、彼らがリピーターとしてイオンシネマの映画館を訪れるケースが少しずつ増えているという。

フロントL/C/Rに計3 本新たに導入されたカスタムメイドスピーカー。ウーファーは15インチ・ユニットを2本、スコーカーは10インチ・ユニット、トゥイーターは1.4インチ・コンプレッションドライバーをそれぞれ採用。すべてのユニットにネオジウム磁気回路を搭載している

サウンドスクリーン裏に計4本がインストールされたサブウーファー。ウーファーはフロントスピーカーよりさらに大きな18インチ・ユニットが2本搭載される

サラウンドスピーカーは左右の壁に各6本、後方の壁に4本の計16本が設置された。ウーファーに8インチ・ユニット、トゥイーターに1インチ・コンプレッションドライバーを搭載した同軸2ウェイ・モデル

映画の本質が伝わってくる
「6スクリーン」のサウンド。
あらゆる映画をこの極上の環境で
体験したくなる

  取材班は音響システムのエージングが完了したと思われる時期に「イオンシネマ市川妙典」を再び訪れ、「6スクリーン」で映画を観賞した。音数の少ないシーンにおける静寂感が抜きん出て高いため、セリフが鮮明に伝わってくる印象をまず抱いた。音数の増えたシーンでも音が濁らずに一音一音がはっきりと聞こえてくるので、映画の音響デザインが克明に感じ取れる。音量レベルが目一杯高くなるクライマックス・シーンでも音は飽和することなく、すべての音がナチュラルに感じられる点に強く惹かれた。これは全帯域のサウンド・バランスがきちんと整っている証だと感じてならない。一言でいうなら、「6スクリーン」は奇をてらわないフラットな音が貫かれているのだ。
 音の環境がきちんと整った劇場で映画を観賞すると、映画監督主導の下、音響デザイナーが練り上げた映画の音と真正面から対峠できる。俳優陣の演技はもちろんのこと、アーティストの生み出す音楽が高次元で伝わってくることで、劇場で映画を体感する喜びを感じられる。いずれにしても、イオンエンターテイメントが展開するハイ・クォリティ・サウンドを掲げる劇場から目が離せそうにない。

デジタルプロセッシングアンプのQSC「DPA4.3」はフロントL/C/Rスピーカー、サブウーファーおよびサラウンドスピーカーを駆動する

デジタルシネマプロセッサーのQSC「DCP300」はマスターボリュウムの調整、各チャンネルごとの音質やバランス調整を行ない、モニタースピーカーまで内蔵する

プロジェクターはクリスティの「CP2220」を常設。解像度は2,048×1,080ピクセル、22,000ルーメンの明るさを誇り、デジタルシネマの魅力を存分に引き出す

イオンシネマ市川妙典「6スクリーン」
INFORMATION

住所:千葉県市川市妙典4-1-1イオン市川妙典店2番街3F

経営主体:イオンエンターテイメント株式会社
音響システム施工:株式会社ジーベックス、株式会社イースタンサウンドファクトリー
音響システム:フロントL/C/Rスピーカー カスタムメイド
サブ ウーファー    カスタムメイド  
サラウンドスピーカー  カスタムメイド
デジタルプロセッシングアンプ QSC DPA4.3
デジタルシネマプロセッサー QSC DCP300
プロジェクター クリスティCP2220

「イオンシネマ鑑賞チケット」を
抽選で15組計30名の方にプレゼント

「イオンシネマ市川妙典」の「6スクリーン」でも鑑賞できる「イオンシネマ鑑賞チケット」を抽選で15組計30名の方にプレゼントいたします。

 ご希望の方は下記の応募フォームからお申込みください。当選者の方には後日、メールにてご連絡いたします。

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・応募締切:3月29日(日曜日)
・当選は厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表とさせていただきます。