講談社は12月6日、自社で会見を開き、来年3月19日に、池袋にLIVEエンターテインメントビルを開設し、本格的にライブ事業に参入すると発表した。

 建物は今夏に閉館したシネマサンシャイン池袋をリニューアルし、地下2Fから9F(1~3F除く)までのフロアを使って、本プロジェクトに参集した各企業とコラボを行ない、各企業の特色(&コンテンツ)を活かしたフロア構成とすることで、LIVEエンターテインメントコンテンツ発信の拠点としたい、とのことだ。

「Mixalive TOKYO」外観イメージ

 ビルの名称は、さまざまなコンテンツをミックスするという意味を持たせた造語の「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)となる。

 会見に登壇した講談社 代表取締役社長の野間氏は、「講談社は110年に及ぶ社史の中で、さまざまなコンテンツを時代に合わせて発信してきました。そして、今回取り組むのは、弊社の持つマンガ、小説、実用書、グラビアといったコンテンツをLIVE(体験)に変換し、発信する拠点として機能させるMixalive TOKYOです。パートナー企業と連携して、新たな才能の発掘と発信の舞台としていきたい」と、本プロジェクトへの意気込みを語った。

講談社 代表取締役社長 野間省伸氏

 会見には、パートナー企業(6社)の代表者やビルのオーナー、開業地となる池袋=豊島区の副区長らも出席。新ビル開業への期待と抱負を語った。

 豊島区の副区長 呉氏は、再開発が進み、各種商業施設がオープンする池袋の近況を鑑み、「池袋はアニメの聖地としての評価も高く、町全体に文化、ライブ、美術などのコンテンツが広がりを見せています。そこへ新たに開業するMixalive TOKYOには期待していますし、そのシナジーによって、池袋の魅力をさらに高めたい」と意欲を口にしていた。

 キングレコードは、B2F~B1Fに音楽ライブメインのライブハウス「Club Mixa」を開設する。同社代表取締役社長 村上氏は、同社が持つ「アイドル、アニメ、声優といったコンテンツをフルに活かしたライブを展開したい」と語った。(収容350人 スタンディング)

「Club Mixa」イメージ

 テレビ東京は4~5Fに、番組の公開収録や各種イベントを開催できる「Studio Mixa」を開設する。同社 代表取締役社長 小孫氏は、「面白いものをライブでやる、というぐらいしか(局的な意味で)決まっていませんが、TVとしての枠にはまってしまっている印象があるので、それを壊すようなコンテンツを作って、局へと還流させたい」と、本プロジェクト参加への意欲を見せ、加えて、「最近は若いビジネスマンは勉強熱心なので、朝一で経済の勉強会を開くのも面白いかもしれない」と、新たな取り組みの可能性も口にしていた。(収容400人 スタンディング)

 6~8Fに(舞台用の)劇場「Theater Mixa」を構えるネルケプランニングは、2.5次元の舞台をメインに作品を上演していくそうで、代表取締役会長の松田氏は、「チャレンジングなことをしていきたい」と意欲を見せ、「舞台ではあまりない、一ヵ月公演をしたり、あるいは新人の登竜門となる場としたい」と語った。(収容300人 着席)

 ブシロードは、4~5Fにオフィシャルショップ「Store Mixa」を開き、アイコンともなっている「BanG Dream!」(バンドリ!)や、「D4DJ」のグッズをメインに販売するそう。

 アニメイトグループのムービックは、講談社とのコラボを通して各種グッズを展開したり、近隣のアニメイト店舗との連携を強化していく予定だという。

 YouTuber向けマネジメントプロダクションUUUMは、最近リアルイベントに注力しているそうで、所属クリエイターのイベントへの参加などで連携し、新たな才能の発掘だけでなく、ヲタクやアニメ文化が次のステップへ育っていく一翼を担いたい、と希望を語っていた。

 その他、B1~B2には講談社直営のホール「Hall Mixa」も開設され、同社関連の発表会やVR演劇など、各種イベントを行なうスペースとして活用する予定という。(収容140人 着席) また、9Fにはカフェ「Live Cafe Mixa」を作り、マンガやアニメなどの世界観に沿った内装を施し、作品の体感しながら寛げる空間を展開するという。なお、1~3Fにはアドアーズが入るそうだ。

「Hall Mixa」イメージ

「Live Cafe Mixa」イメージ

写真左からビルオーナー佐々木興業 代表取締役社長 佐々木伸一氏、豊島区 副区長 呉祐一郎氏、講談社 代表取締役社長 野間省伸氏、テレビ東京 代表取締役社長 小孫茂氏