一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(以後、A-PAB)は11月28日、昨年12月1日に開始した新4K8K衛星放送の1周年を記念した式典「新4K8K衛星放送1周年セレモニー」を都内で開催した。

 会には、各認定放送事業者、受信機メーカー、関係団体から多数の出席者が来場し、セレモニーを盛り上げていた。

 冒頭、檀上に上がった同会理事長の福田俊男氏は、「10月末時点で、視聴可能機器の販売台数は218万台を数え、順調に推移しています」とにこやかに挨拶。今秋に国内で行なわれた大きなスポーツ大会の盛り上がりを例に、来年の東京オリンピックへ向けて、「さらなる機器の普及拡大に努めたい」と力強くコメントしていた。

一般社団法人 放送サービス高度化推進協会 理事長 福田俊男氏

総務副大臣 寺田稔氏

日本放送協会 会長 上田良一氏

一般社団法人 日本民間放送連盟 会長 大久保好男氏

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) AVC部会代表 東芝映像ソリューション 取締役上席副社長 安木成次郎氏

 10月末時点での機器の普及状況は、別図(写真)のようになっており、累計(2019年度)では、4Kチューナー内蔵テレビが140万台、STBが21万台、ケーブルTV受信(4Kチューナー内蔵STB)が54万台、合計して218万台を数えるまでになったそうだ。

 特にテレビについては、1月~6月までは毎月ほぼ6~7万台の売り上げで低迷していたものの、夏以降はほぼ倍増の月当たり16万台前後の販売を記録しており、増税の影響もそれほど受けていないという。これから盛り上がる年末商戦への期待も口にしていた。

 なお、現在の統計には、4Kチューナー内蔵の録画機(レコーダー)の項目はないそうだが、販売メーカーが4社に増えたこともあって、11月分から単独の項目として算出されるという。概算としては、録画機全体の7~8%が4K対応機になるそうで、およそ14万台が市場に投入されたと見込んでいるそう。

 4K機器普及のカギとなるコンテンツ(番組)についても、トゥルー4K番組(4K制作)の比率は各局上がってきているそうで、BS-TBS、BSフジについては20%を超えているという。さらに、年末年始には、4K制作の特番も集中的にオンエアされるそうだ。

 NHKのおススメと言えば、大晦日恒例の紅白があり、今年は地上デジタル放送/BSデジタル放送、4K/8K放送という2ラインで番組を構成・オンエアする予定だという。一方、8Kコンテンツのおススメとしては、「スペシャルドラマ『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』」、「浮世の画家」(ノーベル文学賞受賞 カズオ・イシグロの出世作をドラマ化)がラインナップされている。映画作品の8K化ラインアップは現状未定だが、年明けには「2001年宇宙の旅」の8K版がリピートされるそう。

年末年始の各局の特番をまとめた小冊子はコチラ
https://www.apab.or.jp/4k-8k/satellite/download.html#dl-leaflet

 また、会の後半には、4K8K推進キャラクターを務めてきた女優の深田恭子も、真っ赤なドレス姿で登壇。日常的に、グルメ、旅行、スポーツなどを「臨場感ある高精細な4K映像」で楽しんでいるそうで、自身でサーフィンを嗜むこともあって、「(4Kでは)水の美しさが表現されているのが素敵」と、マニアックな視点からコメントしていた。

4K8K推進キャラクターを務める女優の深田恭子。後任はいないという

司会は日テレアナウンサーの佐藤真知子

▲深田のスポットを見入る二人。総計1万回以上オンエアされたそう。映像を映し出しているディスプレイは、東芝映像ソリューションの有機ELテレビ「65X930」

 また、4K8K推進キャラクターの任期は今日で終了ということで、福田理事長より、感謝状を贈られていた。