テクニクス(HALL D1)

●製品ジャンル:SACD/CDプレーヤー
●ブランド名:テクニクス
●製品名:SL-G700
●価格:¥280,000(税別)
●発売時期:発売中

 注目の新製品はネットワーク再生機能をもつグランドクラスSACD(2ch)/CDプレーヤー「SL-G700」。

 ディスク再生時「ピュアディスクプレイバック」モードにすることでネットワーク周りの電源をOFFにしたり、MQA-CDフルデコード再生に対応(ON/OFF切替可能)する。ネットワーク再生もWAV/AIFFは384kHz/32ビットまで、FLAC/ALACは384kHz/24ビットまで、DSDは11.2MHzまでに対応。

 アナログプレーヤーの最上位リファレンスクラスの「SL-1000R」や、エントリーのプレミアムクラスでカートリッジとフォノイコライザーを内蔵するエントリーモデル「SL-1500C」も使いながら、評論家の和田博巳さんや潮晴男さん、カッティングエンジニア上田佳子さん、シンガー井筒香奈江さんなど多彩なパネリストと共に様々な音源が楽しめる(写真は初日の小原由夫さん)。

 もうひとつ注目はイヤフォン「EAH-TZ700」。磁性流体の採用や独特のハウジング形状など拘りが凝縮された12万円の音を聴いて欲しい。

エアータイト(D401)

●製品ジャンル:フォノイコライザー
●ブランド名:エアータイト
●製品名:ATE-3011
●価格:¥1,480,000(税別)
●発売時期:完全受注生産

 管球王国でも度々紹介され、プロトタイプを重ね3年掛かりで発売にこぎ着けた受注生産のフォノイコライザー「ATE-3011」(写真)は、イコライジングカーブ可変機能が特徴。LED大型インジケーターを参照しながらターンオーバー(低域補正)とロールオフ(高域補正)それぞれでRIAA/NAB/AES/FFRR/FLATから選択するが、ふたつの掛け合わせによりCOLUMBIAやTELDECといったカーブも再現できる。

 パーツを吟味し回路や構造にもこだわったこの逸品のサウンドを使ったデモンストレーションは、トランスローターのターンテーブル「ZET3」を入口とするアナログ再生となるが、実は今回のこのシステムの中に日本初公開が混ざっている。

 3極管で大出力のシングルアンプ「ATM-211」の後継、「ATM-2211」だ(2020年夏発売予定)。エアータイト初のバランス入力を備え、回路を最適化することで出力も22Wから32Wにまで向上。参考出品ながら、すでにエアータイトらしいシャープさに加え、力感と量感が印象的だ。

アクシス(Hall D5)

●製品ジャンル:スピーカーシステム
●ブランド名:ファイン・オーディオ
●製品名:F1-12
●価格:¥4,100,000(ピアノグロス・ウォールナット、税別)、¥3,800,000(ピアノグロスブラック/ホワイト、税別)
●発売時期:発売中

 2017年創業のファイン・オーディオのハイエンド、F1シリーズの旗艦「F1-12」が登場。

 回折と定在波に配慮したコンピューター解析によるエンクロージャーに、元タンノイのエンジニア達が同軸構造を発展させた「IsoFlare」点音源ドライバーをマウント。12インチLFドライバーをフレア状に広げ、ヴォーカル帯域から超高域までを司る3インチHFコンプレッションドライバーの音の拡散を妨げない設計だ。

 エッジには「FyneFlute」と呼ぶ溝を設け共振を排除。さらに従来のバスレスポートに代わるものとして「BassTrax」と呼ぶダウンファイアリング方式のディフューザーには、船底の水の抵抗を抑える際に用いるトラクトリックスカーブが採用され、360度淀みなく低音を放出する。

 これら3つの基幹技術を用いつつもピラミッド型の暖かいサウンドはオーディオ歴の長いファンに高い人気を博しており、フラッグシップの登場によって本ブランドもいよいよ確固たるものになる予感。

 これらを本ブースもう一つの目玉、6年振りのモデルチェンジとなるダン・ダゴスティーノ「Momentum HD Preamplifier」とともに試聴できる。なお、リリース前のカスタムインストール向けスピーカーも展示されているが、実に堅牢な造りだ。

ヨシノトレーディング(D502)

●製品ジャンル:プリアンプ
●ブランド名:EAR
●製品名:EAR912
●価格:¥1,980,000(税別)
●発売時期:発売中

 EAR Yoshino社の日本法人としてヨーロッパのアナログ製品を中心に音楽性豊かなモデルを揃える同社ブース。

 注目はティム・デ・パラヴィチーニ氏の手による英国EARのピュアクラスA真空管プリアンプ「EAR912」。高いゲインとハイスピード、高周波のハイパワーを活かした真空管の特性と広帯域・高効率の手巻きトランスを組み合わせる「真空管-トランスカップリング」回路が貫かれているが、モノーラルパワーアンプ「509Ⅱ」との組み合わせで、今回も氏自らが世界中から集めたレアなアナログ音源を交えたデモンストレーションを行なう。

 加えて今回は、連日14〜15時のデモンストレーションにおいて、パラヴィチーニ氏が長年暖めていた企画である4chテープ音源の再生を披露。ソニーの4chオープンリールデッキを入手し、氏自らが数年掛けてメンテナンス&モディファイ。新たに入手した貴重な音源をフロント2chは「EAR912」+「509Ⅱ」、リア2chはプリメインアンプ「V12」でドライブする。

 まさにこの会期のためにアナログマスタリングの現場で求められる技術の粋を集めた機器で披露する貴重な音源再生は一期一会、他にないものだ。

ユキム(D503)

●製品ジャンル:スピーカーシステム
●ブランド名:エラック
●製品名:Vela FS 409
●価格:¥980,000(税別、ブラック・ハイグロス、ホワイト・ハイグロス)¥1,050,000(税別、ウォルナット・ハイグロス)
●発売時期:発売中

 今回メインステージに据えられたエラックのスピーカー「FS409」は、ドイツのキールにあるELAC本社のロルフ・ヤンケ氏のチームによるJET Vトゥイーターと180mmベースドライバーの間に150mmミッドレンジを配したVelaシリーズの6年振りのニューモデル。

 これを、エラックのIUサイズの薄型で高性能なアルケミーシリーズのDAC&プリアンプ「DDP-2」とパワーアンプ「DPA-2」を2台(モノーラルモード)で再生する。ソースはアナログ中心だが、注目はスイスのターレス社の最高峰トーンアーム、「STATEMENT」。時計職人のミッハ・フーバ氏が288ものパーツを自ら組み立てて「ターレスの定理」を具現化したといい、その動作にも注目だ。

 なお、エラックの米国企画であるアンドリュー・ジョーンズ氏のチームが手がけたCARINAシリーズも展示。氏がエラック伝統のJETトゥイーターを採用した初のモデルで、ここに至っていよいよアンドリューとELACの融合が果たされた。

(取材・文:遠藤義人)