オルトフォンジャパン(G505)

▲MCフォノカートリッジ「MC Anna Diamond」

●製品ジャンル:MCフォノカートリッジ
●ブランド名:オルトフォン
●製品名:MC Anna Diamond
●価格:¥1,080,000(税別)
●発売時期:2019年8月発売

 昨年発表されたオルトフォン100周年記念のMCカートリッジ「The MC Century」は、世界でわずか100個の限定モデルとして話題を集めた。そのCenturyと同様、無垢単結晶ダイアモンド・カンチレバーを使用し、Centuryの開発で培った技術を全面的に投入して生まれた量産モデルのフラッグシップが「MC Anna Diamond」。従来のフラッグシップ「MC Anna」をベースとしつつも、内部はダイアモンド・カンチレバーの特性に合わせて一新されているという。当然、オルトフォン・ブースの目玉はAnna Diamondによるデモンストレーション。Anna Diamondの中身が見える内部カット模型(オルトフォン本社で3Dプリンターによって出力されたもの)も展示されていた。

 デモ用システムには発表されたばかりのMC昇圧トランス「ST-70」もプラスされている。ハイエンドMCの性能を存分に発揮させるべく、スウェーデンのトランスメーカー・Lundahl社に特注したトランスユニットを搭載する新製品だ。

▲MC昇圧トランス「ST-70」

▲各種カートリッジの拡大3D模型。左上が「MC Anna Diamond」だ

トライオード(G507)

▲管球式プリメインアンプ「MUSASHI」

●製品ジャンル:プリメインアンプ
●ブランド名:トライオード
●製品名:MUSASHI
●価格:¥580,000(税別)
●発売時期:2019年8月1日発売

 創業25年を迎えたトライオードは、記念モデルとして同社初となるKT150真空管搭載プリメインアンプ「MUSASHI」を発表。6月のOTOTENに出展した当時はプロトタイプだったが、今回は晴れて製品版でのデモンストレーションが実現した。また「TRZ-300W」は、長年親しまれた直熱三極管300B搭載のプリメインアンプ「VP-300BD」の後継機。回路形式は「VP-300BD」と同じくA級パラシングルだが、内部構成は全面的に見直されているという。

 デモ用システムのソース再生機には、真空管バッファ回路搭載のCDプレーヤー「TRV-CD6SE」を採用。DSDアップコンバート機能内蔵、MQA-CDフルデコード対応、真空管とソリッドステートの両出力装備、外部同期信号入力端子はWORD CLOCKと10MHz基準信号の2系統アリ、という意欲作だ。このほか、フォノイコライザー「TRV-EQ8X」のプロトタイプや、それよりも早めにリリースできる予定というフォノイコライザーアンプ「TRX-EQ7」も参考出品されていた。

▲管球式プリメインアンプ「TRZ-300W」

▲真空管バッファ回路搭載のCDプレーヤー「TRV-CD6SE」

フォスター電機株式会社・フォステクスカンパニー(G508)

▲スピーカーユニット「FE103NV」

●製品ジャンル:スピーカーユニット
●ブランド名:フォステクス
●製品名:FE103NV
●価格:¥6,800(税別)
●発売時期:2019年7 月下旬発売

 フォステクスの代名詞ともいえるフルレンジ・スピーカー・ユニット、FEシリーズのリニューアルモデルが登場。末尾に“NV”が付き、これまでの末尾“En”モデルの後継機種群となる。「FE83NV」および「FE103NV」が第一弾として今夏発売されたが、「FE126NV」「FE166NV」「FE206NV」は、2019東京インターナショナルオーディオショウの期間中である11月23日の発売。以上5モデル(口径は8、10、12、16、20cm)のラインナップが、ユニット単体+バスレフ型スピーカーボックスへのセッティング、という形で展示されている。

 ほかにも、最上位のPremium Craftシリーズを用いたデモンストレーション、フォスター電機70周年記念の限定モデルである10cmフルレンジ「FE103A」、さらにはバックロードホーン用ユニットの新製品「FE108NS」「FE208NS」やホーントゥイーター「T96A」の参考出品(いずれも近日発売予定)など、盛りだくさんの展示となっていた。

▲FEシリーズのリニューアルモデル群

ハイエンド(G509)

▲ハイエンドの試聴システム。中央のラックの上から2段めにあるのが、プリアンプの「Makua」だ

●製品ジャンル:プリアンプ
●ブランド名:モラモラ
●製品名:Makua
●価格:¥1,250,000(税別)
●発売時期:発売中

 ハイエンド社は、同社取扱いブランドを中心とするシステムでオープンリールテープを聴かせるなど、ユニークな再生デモンストレーションを実施。デモ用システムには、EMMラボのSACD/CDトランスポート「TX2」、モラモラのプリアンプ「Makua」とモノーラルパワーアンプ「KALUGA」などが組み込まれ、スピーカーにはコロナ・プラズマ・トゥイーターを搭載したランシェ・オーディオの「No.5.2」をセット。好評を博した「No.5.1」の後継モデルで、25Hz~150kHzという幅広い再生周波数帯域を誇る新3ウェイ・スピーカー・システムだ。

 また、長らく待ち望まれていたモラモラの新DACとして「Tambaqui DAC」も登場。EMMラボの新製品としては、リファレンス・プリアンプの「PRE」、DACの「DA2」、CD/SACDプレーヤーの「XDS1 V3」といった注目モデルの展示も見ることができた。

▲EMMラボの新製品「PRE」(左上)と「XDS1 V3」(右下)

ディーアンドエムホールディングス(マランツ)(G510)

▲プリメインアンプ/ネットワークオーディオレシーバー「NR1200」

●製品ジャンル:プリメインアンプ/ネットワークオーディオレシーバー
●ブランド名:マランツ
●製品名:NR1200
●価格:¥78,000(税別)
●発売時期:2019年10月中旬発売

 かなりの盛況を見せていたのが、ディーアンドエムホールディングスのブースで実施されたマランツ「NR1200」のデモンストレーションだ。カタログ上ではネットワークオーディオレシーバーという位置づけで、「ひろがる、リビングの音」が謳い文句、価格は¥78,000と、いわばファミリーユース/エントリークラスのイメージを与える「NR1200」。

 だが、「実態は純然たるHi-Fiのプリメインアンプ。そこにHDMI入力(入力5系統/出力1系統)をプラスしたものです」とアピール。ネットワーク機能搭載が当たり前となっている4Kテレビとのコンビネーションを想定したモデル(もちろん本機も4K映像対応)で、デモンストレーションの内容も、テレビでYouTubeやApple TVなどの動画を再生し、その音を「NR1200」経由で聴いてもらうという趣向(スピーカーはBowers & Wilkinsの702S2)だった。ネットワーク&ストリーミング時代に即したコンセプトの製品といえるだろう。

(取材・文:谷川善久)

▲4Kテレビ+NR1200でデモンストレーション