ハーマンインターナショナルでは、11月22日(金)から24日(日)まで、東京・銀座の銀座SOLAで「HARMAN Sound Summit in Tokyo」を開催する。それに先駆け本日、マークレビンソンやJBLの新製品お披露目&試聴会を開催した。

 まず、今回発表された新製品は、マークレビンソンのネットワーク対応SAC/CDプレーヤー「No5101」(¥600,000、税別、2020年初旬発売)だ。

上段がネットワーク対応SAC/CDプレーヤー「No5101」で、下段は既発売のプリメインアンプ「No5805」

 No5101は、同社No5000シリーズの第一弾となったプリメインアンプ「No5805」に続くモデルで、SACD/CD/CD-R/CD-RWなどのディスクメディアの再生に加えて、同一ネットワークに接続したNASに格納された音源や背面のUSB-A端子につないだメディアからの音楽ファイルを再生可能となっている。

 DAC回路は上位モデルの500シリーズと同様に「Mark Levinson Precision Link II DAC」を搭載、チップにはESS9026が使われている。対応ハイレゾ信号は192kHz/24ビットまでのFLAC/WAV/AIFF/OGGや96kHz/24ビットまでのAACなどという。

20cmウーファーを搭載した「L82 Classic」と専用スタンドの「JS-80」

 その他の新製品として、JBLの人気モデル「L100 Classic」の弟分と、マルチチャンネル再生にも便利な新シリーズも発表された。

 「L82 Classic」は、L100 Classicの弟分にあたるモデルで、2ウェイ2スピーカーという構成はそのまま継承する。トゥイーターは共通で、ウーファー口径を20cmとL110 Classicよりもひとまわり小さくすることで、自由な設置を目指したモデルとなる。L100 Classicで好評だった角度の付いたスタンドや、3色のフロントグリル(オレンジ、ブルー、ブラック)もそのまま受け継いでいる。

 L82 Classicは予価で25万円前後(ペア)、専用スタンドの「JS-80」は3万円(ペア)の見込み。発売は2020年前半を目指しているとのことだ。

マルチチャンネル展開でも活躍思想な「HDI」シリーズ

 さらに新たに登場するのが「HDI」シリーズだ。HDIは「High Definition Imaging」の略で、上位モデルの「4367」などでも使われている、ウェーブガイドホーンのための技術だ。

 同社ではこれまで「Studio600」シリーズでもHDI技術を採用していたが、HDIシリーズはその上級モデルとして、搭載ユニットもアップグレードされている。例えばコンプレッションドライバーは4367のD2をシングル仕様としたものを使い、ウーファーの振動板はアルミの表面をセラミック処理している。

 ラインナップはトールボーイ2モデルとブックシェルフ、センタースピーカー、サブウーファーが各1モデルで、それぞれの型番とユニット構成は以下の通り。価格や発売時期は未定という。

HDI-3800 2.5ウェイ3スピーカー(ウーファー口径は8インチ)
HDI-3600 2.5ウェイ3スピーカー(ウーファー口径は6インチ)
HDI-1600 2ウェイ2スピーカー(ウーファー口径は6インチ)
HDI-4500 2.5ウェイ5スピーカー(ウーファー口径は5インチ)
HDI-1200P アクティブサブウーファー(ウーファー口径は12インチ)

レベルのスピーカー。左側2つが新製品の「F226Be」で、右端は上位モデルの「F228Be」

 もうひとつレベルからもフロア型スピーカー「F226Be」が発表されている。こちらは既発売「F228Be」の弟機で、その名の通り、Be(ベリリウム)振動板を使ったトゥイーターユニットを搭載したジュニアモデルとなる。F228Beは音質面でもひじょうに好評だが、サイズ的に置けないという方もいるそうだ。F226Beは幅、高さもひとまわり小さくなっており、日本のリビングにはF226Beの方がぴったりくるかもしれない。

DD67000用の新しいコンプレッションドライバー「877Be」

 もうひとつ、JBL DD67000について興味深い進化が発表された。DD67000のHF用コンプレッションドライバーには「467Be」というドライバーが使われていたが、今回新設計の「877Be」に変更されたという。

 どちらも100mmのベリリウム振動板で、マグネットにネオジムを使っている点も同じだ。一番の違いはフェイズプラグで、467Beでは4重のプラグ構成だったが、877BeではJBLとして初めて5重のリングで、ショートタイプのフェイズプラグに変更されている。この結果、より原音に忠実で、ダイレクトな再現が可能になったそうだ。

 この変更はランニングチェンジとしてスタートしており、現在発売している新製品には既に877Beが搭載されている。ちなみに初代モデルの「DD66000」からDD67000に進化した際にもHFコンプレッションドライバーは変わっていなかったとかで、今回コンプレッションドライバーが新しくなったことで「DD67000が最終形態になったといっていいでしょう」(同社・藤田さん)とのことだ。

 なおDD67000の467Be搭載機について877Beへの換装は可能とのことだが、現段階ではそういったサービスは未定だという。DD66000に877Beを取り付けることはできない模様だ。

ハーマンインターナショナル株式会社 代表取締役社長、トム・メッツガー氏

 説明会では、ハーマンインターナショナル株式会社 代表取締役社長、トム・メッツガー氏が、今回のイベントの狙いを紹介してくれた。

 トム氏はまず、「来年はハーマンとして、東京インターナショナルオーディオショウに戻る予定です」と切り出した。同社が東京インターナショナルオーディオショウへの出展を取りやめて数年が過ぎたが、2020年にはまた以前のように、多くの海外ハイエンドブランドと並んでJBLのサウンドが楽しめることになる。

 今回の会場である銀座SOLAも国際フォーラムから徒歩数分の立地なので、東京インターナショナルオーディオショウに足を運んだ方は帰りにこちらにも立ち寄ってみるといいだろう。

 またトム氏は、「2021年にJBLは75周年を迎えます。これはひとつのターニングポイントになります」として、記念モデルの登場も予告した。詳細はまったくわからないが、スタジオモニターシリーズの新展開やJBL誕生75周年記念のフラッグシップモデルなどが考えられている模様だ。

マークレビンソンの再生機器がずらりと並んでいた

 その後、マークレビンソン5000シリーズとJBLのL82 ClassicやレベルF226Be、あるいは500シリーズとDD67000の組み合わせでSACDやレコード、ハイレゾファイルの音を聴かせてもらった。会場がコンサートスペースということもあり、予想以上にS/Nのいいクリアーなサウンドが再現されていた。

 会場では、明日以降は時間によって様々な機器の組み合わせがデモされる予定だ(詳細は関連リンクを参照)。サイトから予約も受けつけているので、興味のある方は確認のうえ、足を運んでいただきたい。