10月6日で放送開始45周年を迎えた「宇宙戦艦ヤマト」。それを記念して、CS放送の「ファミリー劇場」(J:COM TV 558ch)では、史上初となるアニメシリーズ全13作品の一挙放送を行なっている。年末までの3ヵ月間で、劇場公開作からTVシリーズまでほぼすべて放送される一大プロジェクトだ。

 このプロジェクトを記念して、初の4Kデジタルリマスターが行なわれた『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の特別試写会が開催された。場所は東京のユナイテッドシネマ アクアシティお台場 スクリーン12。シリーズでもっとも大ヒットした作品が大スクリーンで上映されるというだけでも貴重な機会だ。

 熱心なファンが場内を埋め尽くすなか、J:COMからの特別イベントの挨拶に続いては、タレントのセイン・カミュさんとフリーアナウンサーの笠井信輔さんが登壇。スペシャルトークショーが行なわれた。

 二人は、45周年を迎えたヤマトをお祝いする言葉とともに、かなりハイテンションな様子でトークを開始。

「僕は『さらば~』の頃に生まれたので、スクリーンで見るのは初めてです。今日は大好きなヤマトをこんな大きなスクリーンで見られることが楽しみです」(セイン・カミュさん)

「ちょっと前までお台場の放送局でアナウンサーをしていました。フリーとなってからは司会のお仕事をさせていただくことが多かったのですが、今回は初めての司会ではない仕事です。しかも僕の大好きなヤマト! 僕がヤマトを大好きなことを知っていたのか! と、とても興奮しています」(笠井信輔さん)

 当時の思い出としては、笠井さんは最初の『宇宙戦艦ヤマト』のTV放映時は『アルプスの少女ハイジ』を見ていたそうで、最初の出会いは再放送時とか。しかし、再放送ですっかり虜となり、以後は劇場版、『さらば~』としっかり劇場で見ていたという。このトークショーにも、当時購入したパンフレットを持ってきていた。

「中学生のとき、渋谷の映画館に友達と観に行きました。エンディングで泣いているのを友達にからかわれて恥ずかしかったです。しかも当時の劇場は入れ替え制ではなかったので、2回目も観たのですが、劇場にいるほとんどの人が帰らずに2回目を観ていました。これは当時でも珍しかったですね」(笠井信輔さん)

 セイン・カミュさんとヤマトの出会いは、日本に来たばかりでまだ日本語も充分でなかった頃だという。テレビの再放送などでヤマトを見ながら日本語に親しんでいたのだ。

「日本のアニメのクオリティの高さは当時から驚いていました。ディズニーのアニメにも負けないんじゃないかといレベルの作品がいつも放映されているのも素晴らしいですね。なかでも『宇宙戦艦ヤマト』は、宇宙の彼方へ旅立つというドラマが新鮮でした。各話の最後で出てくる「地球滅亡まであと○○日」というテロップにハラハラしていました」(セイン・カミュさん)

会場の全員とともに、ヤマトの名場面や
好きなキャラクターについて語りあう「Liveアンケート」

 お二人とも、かなり熱いトークを展開するなか、会場にいる観客がスマホを使って生アンケートに答える「Liveアンケート」がスタート。このイベントにどこからやってきたか? という質問では、東京近郊の人が多い中、「京都」からお越しの方もいた。また、「宇宙」や「イスカンダル」からはるばるお越しの方もいたようだ。また、『さらば~』を初めて観た年齢では、12、13歳や中学生という人が多いようだが、小学生という人もいた。

 『ヤマト』での推しキャラは? という質問では、古代進や森雪、デスラーといった主要キャラクターの名前が続々と上がった。笠井信輔さんの推しは森雪とのこと。ぴったりとしたスーツがセクシーで中学生当時ドキドキしたとか。

 『ヤマト』で外すことの出来ない音楽でも、さまざまな曲が出てきて、ファンの熱心さがよく伝わってきた。

「『さらば~』では、「白色彗星のテーマ」が好きです。強大な敵を象徴するトラウマ的な曲です。宮川泰さんの曲は名曲ばかりです」(笠井信輔さん)

「僕もBGMをカセットテープに録音して聴いていました。当時は今のようにビデオがそれほど普及していなかったので。音楽を聴くだけで気持ちが揺さぶられますね」(セイン・カミュさん)

 また、大好きなセリフは? という質問でも、さまざまな名台詞がつぎつぎと上がった。笠井信輔さんは真田志郎やデスラーのセリフが印象的だったとか。説得力のある言葉が多く、今の自分の仕事にも影響しているとか。セイン・カミュさんは「波動砲発射」シーンのセリフ。日本語がわからなくても覚えてしまったというが、それもファンなら納得だろう。

 このように数々のLiveアンケートで場内もすっかり盛り上がったところで、最後の締めに入った。

「たくさんのファンのいる『宇宙戦艦ヤマト』がまとめて上映されるというのは貴重な機会です。しかも、このイベントでは4Kで『さらば~』が楽しめます。これは新しい楽しみになると思います」(笠井信輔さん)

「今は動画配信などで好きな作品をいつでも楽しめますが、逆に昔の名作を映画館の大スクリーンで見られる機会は減ってしまっています。僕にとっても『さらば~』を大スクリーンで見られるのは本当に楽しみです」(セイン・カミュさん)

 会場のムードを大きく盛り上げてくれたトークイベントはこうして終了。後は、鮮やかな映像で蘇った『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の上映となった。リアルタイムで観ていた人にとっては、当時を思い出すような新鮮な映像は見事なもの。「ファミリー劇場」でも4Kリマスター版の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』は、12月28日に放送予定(放送は2K画質)。この機会に「ファミリー劇場」に加入して、ヤマトの45周年を一緒に祝いたい。

《「宇宙戦艦ヤマト」ほぼ全作一挙放送》
映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 4Kデジタルリマスター版』
CSファミリー劇場、J:COM TV558chにて12/28(土)20:40~放送決定!

(C)東北新社/著作総監修 西﨑彰司