NHKは自力で8K番組がつくれるが、NHK的なものだけでなく、バラエティに富んだ感性を集め、8Kってこんな表現ができるんだと感嘆されるような作品をプロデュースするのも、NHKの新しいミッションだ。

 その典型が、国際共同制作の8Kドキュメンタリー番組『天に光 地に彩 中国四川省ガルゼチベット族自治州』での、山頂からの朝日の映像。もの凄く色が濃い、壮大な朝焼けだ。この映像には、共同制作である北京テレビのテクニカルディレクター、Guo Haojun氏が感じた色彩が反映されている。

 「標高4000m級のミニャコンカ山(Mt. Minya Konka)の頂きに、真夜中に重い機材を背負って登り、午前4時から待機して待っていた日の出の圧倒的なこと。対面の山の際から初めは小さい光の点だったのが、強烈な光の束になり、雲やこちらの山を黄金に染める様子は圧巻でした。その強烈なイメージをグレーディングの時に生かし、観たままの光と色を映像に込めました」

(写真撮影・麻倉怜士)

NHKシアターでのメイン・イベント「8K国際共同制作トーク」

8K制作事務局長の村山淳氏と北京テレビのテクニカルディレクター、Guo Haojun氏

4000mのミニャコンカ山(Mt. Minya Konka)山の日の出。初めは小さい光の点だったのが、強烈な光の束になり、雲やこちらの山を黄金に染める

山頂の池も黄金色に染まる