デノンから、DTS Virtual:XとBluetooth再生に対応した一体型サウンドバー「DHT-S216」が発表された。市場想定価格2.3万円前後で、12月上旬に発売される。

横幅89cmで、50インチを超えるの画面サイズまで充分にカバー可能

 DHT-S216は、横幅890mm、高さ66mm、奥行120mmの一体型ボディの中に、25mmトゥイーター、45×90mmトラック型ミッドレンジ、75mmサブウーファーをL/Rそれぞれに搭載している。トゥイーターとミッドレンジは本体左右両端に(トゥイーターが外側)、サブウーファーは底面に下向きに取り付けられている。バスレフポートは本体両脇に装備する。

 接続端子はHDMI入力1系統と出力1系統(ARC対応)、光デジタル入力、3.5mmアナログ入力、サブウーファープリアウト1系統を備える。Bluetooth(コーデックはSBC)での入力も可能で、スマホに格納した音源をDHT-S216を使って楽しむこともできる。

 対応信号はドルビーデジタル、DTS、AAC、リニアPCMが再生可能。再生モードとしては、ストレートな音を目指した「Pure」モードを搭載。このモードは、サラウンド処理やヴァーチャル処理を行なう回路をバイパスしてデジタルアンプに信号を送るというものだ。

 サラウンド再生モードはデノン独自の「Music」「Movie」「Night」を準備。それらにDTS Virtual:Xを掛け合わせて高さ方向の広がりを持った音場再現もできるそうだ。

接続端子は本体中央裏側に備える

 デノンでは現在、サブウーファー別筐体のサウンドバーとして「DHT-S516」、「DHT-S316」をラインナップしている。そこに一体型ボディのDHT-S216が加わることで、3兄弟のラインナップが揃うというわけだ。上位モデルDHT-S316をトールボーイスピーカーのように迫力の低音再生ができるモデル、S216はブックシェルフスピーカーのような製品と位置づけて、違いを訴求していく考えという。

 DHT-S216の一番のポイントは、リビングのオーディオシステムとして、デノンのハイファイの音を感じてもらえるような音作りを目指したことだ。筐体設計、ユニット、音質パーツはデノンサウンドを実現するために選定、開発されており、さらにサウンドマネージャーの山内氏がチューニングを手がけている。

 「サウンドバーで音楽を聴く」ことと「サウンドバーで映画を聴く」ことを両立した製品であり、ハイファイアンプやAVセンターで映画を楽しんだことのある人もDHT-S216で充分楽しめるクォリティを実現しているそうだ。「従来のサウンドバーで違和感のある人にはS216を聞いて欲しい」と担当者も話していた。

デノンの試聴室で、CDやブルーレイのデモを聞かせてもらった

 先日開催された発表会では、同社のフラッグシップSACD/CDプレーヤー「DCD-SX1 LIMITED」をDHT-S216に光デジタルで接続し、CDの音を聴かせてくれた。クラシック曲などでは、PureモードではDHT−S216の周りにしっかりとしたステレオ音場が構成され、バランスのいい音が聴けた。音数などわずかに整理される印象もあるが、音楽鑑賞として不満はない。

 さらにUHDブルーレイプレーヤーとHDMI接続し、ドルビーのトレーラーや映画ソフトの再生してもらった。Movieモードはほどよい広がり感で、テレビ画面の周囲に高さ方向を伴なった音場を構築してくれる。「劇的に変わるのではなく、もともとのクォリティを損なわない効果」を目指したそうだが、その狙いはしっかり実現できていると感じた。