アキュフェーズから、創立50周年記念モデルの第一弾となる純A級プリメインアンプ「E-800」が発表された。定価¥980,000(税別)で、11月下旬の発売予定という。

 E-800はC-3850、A-250などの技術を惜しみなく注入し、セパレートアンプと遜色ない性能と音質を目指して開発されたフラッグシップ・プリメインアンプとなる。

 第一の特長は、ボリュウム・コントロールに可変抵抗を使わない、Balanced AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)方式を採用している点だ。AAVAでは、入力された音楽信号を16種類の重み付けをした電流信号に変換し、この中からボリュウムノブの一因応じた組み合わせを選んで、音量を調整する。

 これにより高S/N、低歪み率を維持したまま、音質を変化させずに音量調節が可能となる。E-800では、C-3850の技術を受け継いで、AAVAを2回路平衡駆動して完全バランス回路を実現している。

 さらにパワーアンプ段では、電源供給能力を上げ、出力インピーダンスを下げることで、動的な定電圧駆動を実現している。そこで使われるパワーMOS FETは高周波特性に優れた大出力素子で、これを6パラレル・プッシュプルA級動作させることにより、100W(4Ω)×2、50W(8Ω)×2というリニアな特性を実現したという。なお、1Ω負荷時には300W×2の出力が可能だ。

 さらに大型高効率トロイダルトランスや大容量フィルター・コンデンサーも搭載し、余裕のある電源部を構成している。プリアンプ部にも専用電源が準備され、パワーアンプ部との干渉を防いでいる。

 接続端子は5系統のRCAアンバランス・アナログ入力と3系統のXLRバランス・アナログ入力、1系統のレコーダー入出力(RCA)、プリアウト(RCA、XLR)、メインイン(RCA、XLR)を備えている。なおアンバランス端子とバランス端子は内部基板から分けられるなど、製品内部での信号干渉がないように細かく配慮されている。

 E-800にはオプションボードの拡張スロットもふたつ準備されている。ここには別売のデジタル入力ボード「DAC-50」(¥80,000、税別)やアナログ・ディスク入力ボード「AD-50」(¥60,000、税別)、ライン入力ボード「LINE-10」(¥8,000、税別)が取り付け可能。DAC-50を使えばUSB入力から最大384kHz/32ビットのリニアPCMや11.2MHzのDSDも受け付けてくれる。

「E-800」の主なスペック

●定格出力:50W(8Ω)×2、100W(4Ω)×2、200W(2Ω)×2、300W(1Ω)×2
●全高調波歪率:0.05%(2Ω、20Hz〜20kHz)、0.03%(4〜16Ω、20Hz〜20kHz)
●ダンピングファクター:1000(8Ω負荷、50Hz)
●接続端子:オーディオ入力8系統(RCA×5、XLR×3)、テープ入出力1系統(RCA)、プリアウト2系統(RCA、XLR)、メインイン2系統(RCA、XLR)
●消費電力:280W(8Ω負荷定格出力時)
●寸法/質量:W465×H239×D502mm/36kg