時は江戸。幕末の大阪を駆け抜ける二人の下忍。映画「キングダム」や「レッド・ブレイド」で鮮烈なアクションを見せつけた坂口拓率いるアクションチームが贈る、怒涛の忍者アクション作「下忍 赤い影」が、10月4日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほかにて公開となる。瞬きするのも惜しくなるほど全編にわたって繰り広げられるアクション映像の中にあって、大いなる安らぎを与えてくれるのが、ヒロイン静姫を演じた山口まゆだ。近年、話題作への出演が続く彼女に、出演の感想を聞いた。

――出演おめでとうございます。今回は時代劇でした。
 ありがとうございます。初めての経験でしたので、とっても新鮮でした。ただ、未知のものでもあり、その時代の人を表現するのはかなり難しかったです。そのため、今回はこれまでとは違って“形”から入っていこうと思って臨みました。例えば、私の演じた静はお姫様なので、所作とか佇まい、あるいは目線とか少し強めの口調といったお芝居を心がけるようにしました。

――通常の役づくりは?
 まずは台本を読み込んで、役柄を自分に引き寄せていくタイプなので、いつもなら自分と役柄の共通点は多いのですが、今回はまったく自分とは異なる人を演じるという難しさもあった反面、新たなチャレンジにもなり、とても楽しめました。

――するとご自身と共通点の多いほうが演じやすい?
 そうですね。でも、最近は自分と離れている役をやらせていただく機会も多かったりして、逆に(自分とは違うところを)引き出してもらえて、勉強になりますし、新たな発見もあります。今回、時代劇にチャレンジできて、自分の芸域が広がったように感じています。

――では、今回の役づくりは相当苦労した?
 もう、セリフからして全然頭に入って来ないくらいでした(笑) 言葉遣いそのものが普段と違っていますし、しぐさや表情についても、現代劇における生っぽさのように見せるのは難しかったです。ただ、寛 一郎さん演じる竜といる時は掛け合いができるので、ちょっぴり自分が出てくることもありましたけど(笑)、きちんと(お芝居を)姫に変換できたんじゃないかなって思います。

――素も出てきた?
 普通に、お姫さまって演じてしまうと、人間味を感じてもらえないのではないかと思って、外の世界を知らない幼さを出すように意識してみました。もちろん、姫らしい芯の強さはあるけど、ところどころで竜に引き出される幼さを表現できたら、姫の人間味が出せるんじゃないか、そうしたら面白いんじゃないかということを意識していました。そうした部分ではちょっぴり自分が出ていたかもしれません。特に竜とのシーンは、完成されていない二人が出会うことで、アンバランスなんだけど、ピースがピタッとはまっていく心地よさがありました。

――そういう関係を見ていると、将来的に恋中に発展するようにも感じました。
 そうですよね。でも、そういった面は描かれていないので、観た方それぞれで感じてもらえたらと思います。その後、尚と隆正を加えて4人で行動を取ることになりますが、そのアンバランスというか、ピースのはまり具合がまた面白いです。

――今回、お姫さま役を演じてみての感想は?
 所作が難しかったというのはありましたけど、とても面白かったですね。姫らしさという点では、まず姿勢を正すことで、着物を着た時にピッとしますし、ふとした時に隙がないようにも見えるかなと思って、動きや姿勢を整えることは、すごく意識しました。

――山口さんが思う姫のイメージは?
 お堅い人というか、位が高いということで、(一般人には)手の届かない存在であり、そういう意味ではあまり人間味のない人物なのかなって思っていました。けど、今回演じてみて、そういう立場であってもいろんなことを考えているし、人間的でもあるんだって感じました。

――後半、悪代官に向かっていく姿はカッコよかったです。
 そこは姫の見せどころですから頑張りました! 責任ある立場にいるものの責務をきちんと果たす、というとかっこいいですけど、ここは自分がなんとかしなければという使命感に駆られての行動だと思います。

――少し話は戻りますが、竜に助け出されたあと、竜からも逃げ出しました。
 やはり外の世界を知らないお姫さまなので、助けてくれたとはいえ、竜のことも信じられず逃げてしまったんだろうと思います。しかし、初めての外界、しかも周囲は鬱蒼とした森で人気もない。霧も出てきて視界も悪い。そういう状況に足がすくんでしまったのだと。強く(あろうと思っ)ても、どこかボロが出てしまって……。

 だからこそ、助けに来てくれた竜に対して(逃げ出したのに)、すごく心が安らいだと思いますし、竜なら信頼できるという想いが静の中に生まれて、お互いにないものねだりというか、引き寄せ合っているということが、表現できたシーンになったと感じています。実際の撮影も、カメラマンさんがいるとはいえ、あの場所に一人なのは、すごく怖かったです。

――本作では、竜と尚の見せる殺陣も見どころです。現場でご覧になった感想は?
 本当にすごかったです!! 現場だと細かくカットを割って撮っていることもあって、なかなか全体像を想像するのは難しかったんですけど、試写で全編を通してみて、感動しました。

――アクションはいかがでしょう?
 体を動かすのは好きなので、やってみたいという興味が湧きました。格闘技系をしてみたいです。

――ところで、先ほどもお話にありました4人組について感想をお願いします。
 一人欠けてもだめで、4人だからこその絶妙なバランスが取れているんでしょうね。日常は姫が仕切って、戦う時は竜と尚が先頭に立ち、隆正は静の尻に敷かれて、と(笑)。そういう関係がずっと続いていくのかなと思いました。逆に、隆正にはずっとヘッポコのままでいてほしいですね(笑)。もし、竜&尚に感化されて、強くなってしまったら、静も心を許して本当の夫婦になるかもしれませんけど、そこはまあ、ご想像にお任せします(笑)。

――山口さんのおススメシーンは?
 やはりアクションのシーンです。特にワンカット長回しのところは注目してほしいです。

――今回の新たなチャレンジを経て、今後演じてみたい役・設定があれば教えてください。
 もっともっと自分とかけ離れた役を演じてみたくなりました。自分には絶対にできないと思うような役とか、自分からは手を出さないような役に、どんどんチャレンジしたいです。

――公開の翌月には19歳を迎えます。抱負をお願いします。
 たぶん、18歳と19歳とでは変化はないと思います。だけどラスト10代となるので、20歳になる前に、自分をセーブせずに、できることは全部やりたいです。

映画「下忍 赤い影」
10月4日(金)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開

<キャスト>
寛 一郎
山口まゆ 結木滉星
<スタッフ>
監督:山口義高 アクション監修:坂口拓 制作:ステアウェイ
企画・配給:AMGエンタテインメント
製作:「下忍」製作委員会
(C)2019「下忍」製作委員会