INTEGRATED AMPLIFIER + CD PLAYER + NETWORK PLAYER
MARANTZ「M-CR612」
¥70,000+税
●定格出力:50W×2(6Ω、1kHz、THD0.7%)●接続端子:アナログ音声入力1系統(RCA)デジタル音声入力3系統(光×2、USBタイプA)、アナログ音声出力1系統(RCA)、サブウーファー用プリアウト1系統(RCA)、LAN1系統 他●対応サンプリング周波数/量子化ビット数:〜192kHz/24ビット(PCM)、〜5.6MHz(DSD)●寸法/質量:W280×H111×D303mm/3.4kg

 

CD再生、ストリーミング、Bluetoothなどなど……現代で求められる多くの機能を搭載

 音質を最優先したミニコンポとして2008年の初代モデル以降着実に支持を広げ、2015年発売の先代モデルは現在までミニコンポ市場の首位を独走状態というM-CRシリーズ。その5代目となるM-CR612が登場した。現代のミニコンポに求められるCD再生/ネットワークストリーミング/USB DAC/ブルートゥース/エアプレイ/ネットラジオなどの機能を網羅しつつ、4chアンプ搭載でバイアンプ駆動にも対応した先代のM-CR611からの最大の進化ポイントは、パラレルBLTモードの搭載。これまではバイワイヤリング対応スピーカー接続時のみ可能だった4chアンプ駆動がシングルワイヤー仕様のスピーカー接続時でも可能となり、通常の約2倍の駆動力が得られるというものだ。

 

本格派の音質・機能を備えた驚異的コストパフォーマンス機

 ここではマランツが「プレミアムシステム」と謳うB&Wのブックシェルフスピーカー、707S2(バイワイヤリング対応)との組合せでハイレゾファイルを聴いてみた。まず標準モード(シングルワイヤー接続)とバイアンプモード(バイワイヤー接続)を比較すると、音場の透明感や中低域のパワー感、弱音と強音のメリハリ感、弦楽器の実在感などにびっくりするほどの差が表れる。続いてパラレルBLTを聴いてみると、シングルワイヤー接続ながらバイアンプモードと何ら変わることのない強力な効果が感じられる。ペンギン・カフェのインストゥルメンタル曲「ソラリス(コーネリアス・ミックス)」(44.1kHz/24ビット/FLAC)では、厚みのある低域の上でピアノのフレーズが心地よく転がり、リズムのアクセントであるトライアングルも明るく鳴りすぎず聴きやすい。弦楽セクションが波の効果音と混濁せず、くっきりとした輪郭を保っている点も好印象だ。シングルワイヤー仕様のスピーカーでも同様の効果が得られるに違いない。

 この音質、この機能性で7万円というのはちょっと驚異的。「サブシステムに最適」なんて書くとバチが当たるほどの熱量が込められた、超本格派ミニコンポだ。光デジタル音声出力端子を備えるテレビとつなげれば、リビングの総合メディアセンターとしてさらに幅広い活躍が期待できるはずだ。

 

↑4chアンプを内蔵し、それに対応するスピーカー端子を2組装備。バイアンプ駆動/パラレルBTLモードを選択し、手持ちのスピーカーに合わせた音質向上を狙える

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