ゼンハイザージャパンから、MOMENTUM(モメンタム)シリーズのワイヤレスヘッドホンとして第三世代となる「MOMENTUM Wireless」が発表された。市場想定価格¥48,000前後(税別)で、9月30日に発売される。予約・展示は本日からスタートしている。

 MOMENTUM Wirelessは、“ゼンハイザーのクラフトマンが自信を込めて作った”とのことで、何より音質に配慮された製品だ。それに加えて機能面も充実しており、ノイズキャンセリング機能を備え、伝送にはBluetoothを使用、そのコーデックはAAC、SBCに加えて、aptXや低遅延のaptX LLに対応する。

 本日開催された新製品発表会では、ゼンハイザージャパン(株)セールス&マーケティングディレクター コンシューマーの榊山大蔵氏が登場、MOMENTUM Wirelessの魅力を紹介してくれた。

 氏によると、ゼンハイザーのコンシューマー向け製品をワンフレーズで表現すると、「一度聴いたら、もう戻れない(Hear the Difference)」になるのだという。何より音質が一番で、素晴らしいサウンドは生活を豊かにするという考えで製品を生み出しているということだろう。

 「ゼンハイザーは、音質については妥協しません」と榊山氏は宣言した。だがそれだけでなく、操作性に関連した機能ももちろん重視している。譲れない音質を担保したうえで、最先端の技術をまとう製品づくりを行なっているのだ。

ゼンハイザージャパン(株)セールス&マーケティングディレクター コンシューマーの榊山大蔵氏

 その最新モデルとなるMOMENTUM Wirelessは、新開発の42mmドライバーを搭載する。これは、従来モデル以上に忠実な再現性を狙いつつ、低音の再現性を少し強めに調整したそうだ。というのも、MOMENTUM Wirelessは20代後半〜40代をターゲットにしており、この年代では低音を欲しがる人も多いのだという。そこで音質を保ったまま、低音感を出せるようなバランスに仕上げているとのことだった。

 ノイズキャンセリング機能は、3種類のモード(標準、ウィンドカット、プレッシャー)が準備された。榊山氏によると、そもそもノイズキャンセリング機能は効果が強ければいいということではなく、使ってみて感動する品質が必要だそうだ。

 これまで、ノイズキャンセリング機能を入れたが故に、逆に違和感を覚えるケースもあり、今回はそんなことがないように配慮している。そもそも同社はプロ用マイクも多く手がけるなど、マイクについての豊富な技術も持っている。その技術を活かして、高音質とノイズキャンセリングを両立しているのだろう。

 ちなみに標準モードはイヤーカップの内部と外側のふたつのマイクで音を拾い、ウィンドカットモードは外側のみ、プレッシャーモードは内側のみを使っている。これによりカットするノイズの種類を切り替えているのだ。

右側のイヤーパッドには各機能の操作ボタンを搭載する。写真は機能紹介用のシールをと貼り付けた状態です

 その他、羊の本革を使ったヘッドバンド&イヤーパッドやステンレス製スライダーなど、本体の素材にも気を遣い、快適な装着性を実現している。特にイヤーパッドはできるだけ厚く、柔らかくすることで、付け心地だけでなく、パッシブノイズアイソレーション機能も持たせることに成功している。

 実使用時にも、本体を開くと自動的に電源が入るオートオンや、ヘッドホンを外すと音楽がポーズされるSmart Psuseモード(再装着するとポーズを解除して再生が始まる)など便利な機能が搭載済みだ。

 榊山氏は、「ゼンハイザーは、世界中のプロ、アーティストに採用されており、高い信頼をいただいています。その期待に応えるのが使命です。しかし音楽を聴くのはプロだけではない。MOMENTUMシリーズはそのための製品です。一度でいいから、ゼンハイザーの音を聴いてもらいたい」と話した。

 なお今回、その思いをより多くのユーザーに伝えるために、ゴスペラーズの北山陽一氏がブランドアドバイザーに就任したことを発表した。北山氏は以前からライブ現場や自宅スタジオで同社のマイクを使っていたそうで、今回の依頼を嬉しく感じているとのことだった。

MOMENTUM Wirelessは、持ち運びの際には左のように折り畳みもできる。右のように本体を開くと自動的に電源が入る仕組みだ

「MOMENTUM Wireless」の主なスペック

●型式:ワイヤレス・密閉型
●使用ユニット:42mmダイナミック型
●再生周波数帯域:6Hz〜22kHz
●無線規格:Bluetooth 5.0
●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX LL
●バッテリー持続時間:約17時間(ノイズキャンセリングオン)、充電時間約3時間
●質量:約305g