フィリップスのプレス・カンファレンスでもっとも驚いたのが、「フィリップス・オーディオの復活!」が高らかに語られたことだ。
ヘッドホン、ノイズ・キャンセリングイヤホン、デザイナーズ・スピーカーなどの流行のアイテムを持つのは、今どきのオーディオメーカーなら当り前で、プレス・カンファレンスでのこれらの製品の紹介も、オーディオメーカーとしては当然のことなのだが、フィリップスだから話が違う。
5年前のフィリップスはフィデリオシリーズなどパーソナルなオーディオアイテムが充実していたが、2014年にフィリップス本体のリストラにより、オーディオ機器における「フィリップスブランド」の使用権をギターメーカーのGibsonに売却したため、その後のIFAのプレス・カンファレンスでは、まったくフィリップス・オーディオは語られなくなったのであった。
ところが、Gibsonが無謀な事業拡張(フィリップスブランドの購入、オンキヨー、ティアックの子会社化など)に走り、2018年に経営破綻。そこで、かねてから、フィリップスブランドのテレビに加え、オーディオ機器の品揃えを考えていたTPビジョン(北アメリカ以外の地域でフィリップスブランドテレビを展開)が、Gibsonからオーディオ機器に「フィリップスブランド」の10年の使用権を買い戻したのである。なので、誇りを持ってプレス・カンファレンスで「PhilipsAudio is back!」が語られた。
今後のフィリップスブランドのオーディオ製品の活躍におおいに期待したい。