本年度のIFA、テレビ・メーカーの多くは8Kモデルを多数展示しており、それはソニーも同様だった。

 液晶式98インチ8Kモデル「KD-98ZG98」は圧倒的な存在感をもって、来場者の注目を集めていた。KD-98ZG98は79.999ユーロ、85インチサイズの「KD-85ZG9」は15.999ユーロで、欧州市場では既に販売されている。8Kへのシフトは思った以上に加速している印象だ。

 しかし、AVファンの我々には残念なこともある。8Kテレビに注力するあまり、例えばソニーのブースからはプロジェクターの展示が消えてしまったことだ。これはいかにも寂しい。

 しかし先に紹介した「IMAX Enhanced」ブースにひとつの招待カードが置いてあるのに気が付いた。それによると、ソニーは自身の巨大ブースの中ではなく、別に会議室を借り切り、プロジェクターを使ってIMAX Enhancedのデモを行なっているのだとか。これは見に行かなくてはならない。

 12畳ぐらいのスペースであろうか。そこにソニーの「VPL-VW745」(欧州型番VW760ES)以下、3モデルが鎮座している。おお、こんなところにいたのか。会いたかったぞ。

 会議室を完全シアタースペースに作り変え(壁面が白であるため、多少の反射があることには目を瞑ろう)、5.1.4システムと共に『スパイダーマン:ホームカミング』のデモが行なわれている。そして、デモ視聴と共にアナウンスされたのはVW760ES、上位モデルの「VPL-VW5000」にファームウェアアップデートが行なわれるというものだった。

 前年度モデル「VPL-VW870ES」(欧州型番)に搭載されていた「Digital Focus Optimizer」、「Dual Contrast Control Engine」それぞれが搭載されることになる。前者は色の純度をよりクリアーに、後者はダイナミックレンジの拡大に有効となる。レーザー光源となる本モデルでは、その効果がより鮮明となるはず。

 その他、アップデートの項目としては「Separate settings for SDR & HDR」「Improved HDR Auto selection」「Black Tone improvement」(!)などもあるが、先の2機能の追加が今回のアップデートの目玉になるだろう。

 ちなみにプロジェクターのIMAX Enhanced認証だが、4K/HDRプロジェクターのエントリー機「VPL-VW270ES」(日本型番VW255)より上のモデルに適用されることになりそうだ。