ASUS JAPANは8月20日、都内で会見を開き、新型ノートパソコン、スマートホン、および同社設立30周年を記念した限定モデルを発表した。8月23日より順次発売される。詳細は下記の通り。

<ノートパソコン>
ASUS ZenBook Pro Duo UX581 8月23日発売 ¥361,500(税別)~
ASUS ZenBook 14 UX434FL 8月23日より順次発売 ¥144,500(税別)~
ASUS ZenBook 15 UX534FT 8月23日発売 ¥222,500(税別)

<スマートホン>
ZenFone 6 8月23日発売 ¥69,500(税別)~

<30周年記念モデル>(限定生産)
ASUS ZenBook Edition 30 9月中旬発売 ¥149,030(税別)~
ZenFone 6 Edition 30 8月23日発売 ¥103,030(税別)

創立からの軌跡と、本日発表した新製品のコンセプトを熱く語る、ASUSTeK computer Inc.のジョニー・シー会長

 ノートパソコンのZenBookシリーズは、メインディスプレイとは別にサブディスプレイ=ScreenPadを搭載した次世代ノート。どちらの画面もタッチ操作が可能で、たとえば動画編集を行なう場合、メインには編集/プレビュー映像を、サブには操作パネルなどを同時に表示しておけるので、作業効率を向上させることができるとメーカーでは謳っている。ビジネス用途においても、メインには文章作成画面を、サブには各種資料や検索用のweb画面を同時に表示することが可能だ。

 ASUS ZenBook Pro Duo UX581は、メインディスプレイに15.6インチ、4K解像度の有機ELパネルを搭載したノート。サブディスプレイも、4Kハーフ(3840×1100)の解像度を持つ液晶パネルを採用しており、二つの画面がシームレスにつながることで、天地(上下)方向に画面が広がり、作業領域を拡大することができるという仕掛けだ。

ASUS ZenBook Pro Duo

 主にゲーミングや各種クリエイターへ向けた仕様を備えており、メインディスプレイはHDR(Display HDR500 )、広色域(DCP-I3 100%、sRGB133%)に対応し、メリハリのある表示が行なえる。グラフィックボードはNVIDIAの「GeForce RTX2060」だ。オーディオ機能は、Harman/Kardonとの協業を行なっているという。

 CPUは、Core i9-9980HK(¥466,500+税)、Core i7-9750K(¥361,500+税)をラインナップし、メモリーは32GB(共通)、記録装置はSSDで、i9が1TB、i7は512GBの容量を持つ。

 ASUS ZenBook 14 UX434FL、ASUS ZenBook 15 UX534FTは、14が14インチ、15が15.6インチのメインディスプレイを持つノートパソコン。タッチパッド部分がサブディスプレイ(ScreenPad)となっており、前モデルに対して若干サイズアップした5.65インチの画面を持つ。

 ともにモバイル性も高められており、いわゆるモダンPCと呼ばれるスペックは十全に備え、ZenBook 14について13.3型モデルとほぼ同等の本体サイズで、1インチ大きい14インチの画面を搭載している。

 ZenBook 15は1モデルのラインナップで、メインディスプレイは15.6インチ、フルHD仕様の液晶、CPUはCore i7-8565U、メモリー16GB、SSD512GB、グラフィックボードはNVIDIA GeForce GTX1650、バッテリーの持続時間は約9.4時間。

ASUS ZenBook 15。右側に10キーが付く

 ZenBook 14は3モデルをラインナップし、メインディスプレイは共通で14インチ、フルHD仕様の液晶。CPUはCore i7-8565U/Core i5-8265U、メモリーは16GB/8GB、SSDは1TB/512GBというスペック。グラフィックボードは共通でNVIDIA GeForce MX250となる。バッテリーの持続時間は約7.8時間~。

ASUS ZenBook14。手前側のサブディスプレイに、web画面やSNSを表示することもできる

 ZenFone 6は、6.4型ワイドIPS液晶を搭載したスマートホン。マルチキャリアに対応するVoLTE仕様であることに加え、一番の特徴は、電動式のフリップカメラの搭載となる。これは、通常は背面部に位置するカメラが、自撮り時には電動で回転し、本体上部に出てくるという仕掛け。これによって表面の液晶部分にレンズ(ノッチ)の切り欠きが不要となり、同社が「オールスクリーン ナノエッジディスプレイ」と呼ぶ、広大な画面(表面部分をほぼ全面ディスプレイとして使える)とすることができた(画面占有率は92%)。広色域仕様でもある(DCP-I3を100%カバー)。

ZenFone 6。背面のカメラが180度回転してインカメラとしても使える。また、カメラ位置は任意の場所に固定でき、いろいろとアングルを変えた撮影も可能。回転しながら撮影すれば広大なパノラマ写真も撮れる

 そのカメラ部分には、2種類のレンズ&センサーが内蔵されており、メインは通常画角で4800万画素、サブは超広角(125度)仕様で1300万画素という仕様だ。カメラ機構が回転することで、本体背面にあるメインカメラとインカメラのスペックが同じとなり、結果インカメラでの自撮り性能がアップするだけでなく、超広角撮影も可能になったことは大きな進化だろう。動画は、4K/60pの撮影が可能(電子式手ブレ補正機能=EISも搭載)。

分解展示。左上の基板を2枚重ねることで内部スペースをかせぎ、大容量バッテリーの内蔵を可能にした

 なお、内蔵バッテリーは内部配置の改良によって、5000mAhもの容量を内蔵することができ、最大35日間の待ち受けが可能なほか、本機から他の機器への給電(別途、専用ケーブルが必要)も行なえる

ZenFone 6の試作機。インカメラをいかになくすか(目立たなくするか)をテーマに、いろいろなデザインが検討されていた

カメラをスライド式にした試作機

 その他の仕様としては、プロセッサーはQualcomm Snapdragon 855、メインメモリーは6GB/8GB、ストレージは128GB/256GBをラインナップし、ゲームもサクサク楽しめるとしている。ハイレゾコンテンツの再生も可能で、ハイレゾ対応のイヤホン「ZenEar Pro」も同梱する(本体には3.5mmステレオミニプラグ搭載)。

ASUS創立30周年を記念した限定モデル

 また、今回の新製品発表会では、同社創立30周年を記念したモデルもアナウンスされた。一つはノートパソコンの「ASUS ZenBook Edition 30」、もう一つは本日発表スマートホンの特別仕様「ZenFone 6 Edition 30」。

 ASUS ZenBook Edition 30は、13.3インチのフルHD仕様の液晶と、5.65インチのサブディスプレイ(ScreenPad)を搭載したノートパソコン。ScreenPadは、本日発表モデルと同じくScreenPad2.0仕様となっている。

ASUS ZenBook Edition 30

 記念モデルとして、外装は職人による手作業で設えたパールホワイトカラーの革張りを纏っている。また、記念モデル限定の専用ロゴ(社名の頭文字Aに、向上、思いやり、喜びという意味を込めたデザイン)もプリントされている。セットには、専用カラーのワイヤレスマウス、革風マウスパッド、革のノートPCケースも同梱される。

 一方のZenFone 6 Edition 30は、本日発表のZenFone 6に専用カラーとなるマッドブラック塗装を施し、本体背面にスピン加工(ヘアライン)を行なっているのが外観上の差異。

ZenFone 6 Edition 30。背面にスピン加工が施されている

 スペック面ではメインメモリーが12GBに強化され、ストレージも512GBに増強されている。30周年モデルということで、30ヵ月の保証がついているほか、専用パッケージ、VIPカードの封入など、マニア心をくすぐる仕掛けも投入されている。

会場にひっそり展示されていたゲーミングノートの試作機。発売は未定。キーボード部分が脱着でき、好みの製品を組み合わせられる仕様。グラボはGeForce RTX2080を内蔵

海外では発表済みのマザーボードを参考展示。中央、銃のような形状の部分の黒いところには有機ELが仕込まれており、光るという。国内では9月末に発売予定か?