横幅28cmのスタイリッシュなフォルムが特徴のデノン・デザインシリーズに、プリメインアンプ「PMA-150H」が加わった。定価¥120,000(税別)で、9月下旬の発売を予定している。

 PMA-150Hは、ミニマルデザインに今のハイファイオーディオで求められる要素を凝縮した、ネットワークレシーバーとなる。

 第一の特長は、増幅回路にクァルコムのデジタルアンプソリューションDDFAの最新バージョンを搭載している点だ。この世代では、PWMモジュレーターとフィードバッププロセッサーがワンチップに集約されたことで、周辺回路がシンプルになり、より音質を優先した回路設計や部品の選択が可能になったという。

 しかも今回はこのDDFAを2基搭載して、それぞれBTL構成とすることで、スピーカー駆動力やノイズ特性も大きく進化している(前モデルのDRA-100に対して-85%のノイズ改善を達成)。ちなみにDDFAをBTL構成で使うことは、クァルコム側は想定していなかったそうだが、デノン技術陣が試したところ、予想を超える効果があったのだという。

「PMA-150H」のリアパネル。デジタル入力は4系統、アナログ入力は2系統を備える

 信号のインターフェイスについては、DSD 11.2MHzとリニアPCM 384kHz/32ビットに対応したUSB-DACを内蔵。DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ方式と、DoPをサポートしている。もちろんPMA-150Hの超低位相雑音クロック発信器でマスタークロックを制御するアシンクロナスモードにも対応済みだ。

 デジタル入力(光×2、同軸×1)はいずれも192kHz/24ビットのリニアPCMが入力可能で、ハイレゾ信号も簡単に楽しめる。さらに3つのデジタル入力のひとつを「テレビ入力」に設定可能で、その場合はテレビの電源が入ると、それに連動してPMA-150Hの電源が入り、入力を切り替えてくれる。

 NASやUSBメモリーに保存したハイレゾ音源の再生も可能で、DSD5.6MHzと最大192kHz/24ビットのリニアPCMに対応している。LAN経由でのストリーミングサービス(Amazon Music、AWA、Spotifyなど)も楽しめる。

 なおDRA-100では、これらの信号処理は一枚の基板に集約されていたが、今回はネットワーク系、アナログ系、デジタル系、電源基板を分離。各セクションを独立させるというハイファイ思想で設計し直しているそうだ。

 操作関連としては、ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」も搭載した。専用アプリから、ストリーミングサービスやインターネットラジオ、NASやPCに保存した音源の再生などもできるようになっている。加えてAmazon Alexaによる音声操作にも対応。Amazon Echoなどのデバイスと組み合わせることで、再生、停止やAmazon Musicの再生ができるという。

発表会ではB&Wの「702 S2」スピーカーと組み合わせたデモも行なわれた

「PMA-150H」の主なスペック

●定格出力:35W+35W(8Ω、1kHz、THD 0.1%)
●全高調波歪率:0.002%(定格出力、-3dB時)、負荷8Ω、1kHz
●Bluetooth対応コーデック:SBC
●接続端子:アナログ音声入力×2(RCA)、デジタル音声入力×3(光×2、同軸×1)、USB Type-B×1、LAN×1、サブウーファープリアウト×1、他
●消費電力:65W(待機電力5W、ネットワーク制御オン)
●寸法/質量:W280×H104×D337mm(アンテナを寝かせた場合)/5.6kg