DSオーディオの光カートリッジは、伝統的なMM型やMC型フォノカートリッジとは一線を画した美音を聴かせる。その要因は「圧倒的な振動系の軽さ」と「振幅比例発電による軽微なEQ補正」である。専用のイコライザーアンプが必須になってしまうけれども、一度その音を聴いてしまうと後戻りはできないと語る方々が多いという。かくいう私も、光カートリッジを愛用しているひとりだ。

DSオーディオ DS-E1
¥200,000 (※カートリッジ部¥100,000、専用イコライザー部¥100,000)

カートリッジ部
 ●発電方式:光電型
 ●出力電圧:500mV以上(イコライザー出力)
 ●適正針圧:1.6g~1.8g(標準1.7g)
 ●自重:8.1g 

専用イコライザー部
 ●入力端子:1系統(RCAアンバランス)
 ●出力端子:1系統(RCAアンバランス)
 ●出力電圧:500mV(1kHz)
 ●寸法/重量:W200×H70×D160mm/1.4kg

スッと軽やかに耳に届ける滑らかさ
生々しい音の描写は実に魅力的

 DS-E1システムは、光カートリッジの音を多くのオーディオファイルや音楽愛好家に知ってもらうことを目的に企画された、入門的な製品。だが、音質的な妥協はしていない。フォノカートリッジ本体の基本構造は上級機と遜色なく、サスペンションワイヤーで動作支点を明確化して、針先に近い場所に遮光板を配置。カンチレバー素材はアルミニウム合金で、先端が楕円形状の無垢ダイアモンド針を採用している。小型化された専用イコライザーは、オペアンプの初採用で部品点数を減らしたことが大きな特徴である。

DS専用イコライザー部のリアビュー。入力、出力ともに1系統で、出力はOUTPUT1(通常出力)とOUTPUT2(サブソニックフィルター出力)を切替え可能。

イコライザー部の内部。増幅素子にオペアンプを採用することで部品点数を削減。電源トランスにはリーケージフラックスの少ないRコアトランスを採用する。

 本誌試聴室で聴いたDS-E1は、盤面に刻まれた音情報をスッと軽やかに耳に届ける滑らかさが印象的。残留雑音はきわめて低く、MC型での「サー」という音に比べると「シー」という音質だ。音楽ジャンルを問わず低音域の表現がこまやかで自然な印象を与えるのは、補正量の少なさも効いているのだろう。生々しい音の描写は実に魅力的なので、多くのオーディオファイルに聴いてほしい。


試聴に使用したヘッドシェル
DSオーディオ/HS001 Solid head shell¥42,000
超々ジュラルミン削り出しボディを採用、リード線とコネクター部が直接ハンダ付けされる。

試聴に使用したレコードプレーヤーシステム
テクニクス SL1000R ¥1,600,000