G605 ディーアンドエムホールディングス

 G605ブースにはデノンやマランツのほか、Bowers & Wilkins、DALI、Pro-jectといったインポートブランドも揃う。

 Pro-jectのターンテーブル、カスタムインストールでの高評価のDALIなどが新作を披露する中、今回の注目をひとつ挙げるとすれば、型番すら公表されていないデノンの次代フラッグシップモデル(ここでは仮に『ModelX』と呼ぶ)だ。昨年のインターナショナルオーディオショウ以来登場しているが、この日も会場に来る間も惜しんでブラッシュアップされ、発売に向けた開発が本社川崎で進められているという。

 「ModelX」は、現行フラッグシップ「DCD-SX1」の単なる後継モデルではない。サウンドマネージャーが音を作るこれまでの例を破り、「DCD-SX」など評価の高い歴代モデルを手がけてきたエンジニアの山内さん自らが、他からの干渉を受けずに、検証から部品選びまで手がけている作品である。

 もともとは発売を予定していなかったテスト機が社内プレゼンで経営幹部の目(耳)にとまり、開発がGOとなった経緯がある。その代わり、山内さん自身納得の出来でなければ世に出してはならないとの条件付きだったという。

 デノンがブランドとして大切にしているのは、過去を切り捨てるのではなく、脱皮して中身をアップデートしていくこと。Vivid & Spacious、眼前にあるかのようなオーディオ的快感を、音楽が持つ情熱で訴求することで新たなファンにつなげたいとの願いがあるという。これから先未来に向けたデノンの音を体感してもらいたい。(遠藤義人)

今回再注目のDENON ModelX(仮)。型番部分がマスキングされており、開発中型番未定であることを窺わせる

Pro-Jectのハイエンドターンテーブル、XTENSION12RSが展示。9月発売予定、予価70万円(税別)

マランツのミニコンポ最新作「M-CR612」。ソフトなグリルのDALIの新作ブックシェルフ「OBERON1」とお似合い

エントリークラスで大小カラリングも豊富にラインナップする「OBERON」はホームシアターにも好適

G608 ハーマンインターナショナル

 近年Revel Audioが牽引するハーマングループだが、従来から人気のブランド、JBLやマークレビンソンも豊富な製品を誇る。

 中でも今回最注目は、マークレビンソンのプリメインアンプ「No5805」だ。現行マークレビンソンのラインナップには、Best=2桁、Better=3桁、Good=4桁というヒエラルキーがあり、この「No5805」が4桁5000番シリーズの第一弾である。

 Tradition & Evolutionを合い言葉に、「No52」セパレートアンプで培ったフルディスクリート構成の回路設計等を継承し、No500シリーズ同様の負荷容量/負荷抵抗を調整できるMM/MC対応高音質フォノイコ、さらにはNo500シリーズ同様のDAC機能も搭載。S/PDIF(光/同軸)、PCM、DSDのほか、MQAファイル再生とストリーミングも可能で、伝統に奢ることなく最新技術への対応も抜かりないのが魅力だ。

 価格も85万円(税別)と100万円を切ったことで注目度がひじょうに高く、すでに注文も入っているという。

 このNo 5000シリーズは今後もラインナップを拡充する予定で、海外ではSACD再生可能なネットワークプレーヤー(デジタルオーディオプレーヤーと呼ぶという)「No 5101」が発表済みであり、日本にも近日登場予定とのこと。スマートながら高級感のあるその意匠とサウンドを楽しみに待ちたい。(遠藤義人)

注目の「No 5805」は天板を開けて展示。大型トランス、ディスクリート回路が高品位な意匠に収まる

JBLらしい意匠の「L100 Classic」はやはり人気。復刻モデルではなく、ユニットは新開発のものを採用

ホームシアターで人気のJBL STUDIOシリーズもラインナップで展示

ラックには、マークレビンソンNo 50シリーズ、No 500シリーズ、No5000シリーズがずらりと並ぶ