レノボ・ジャパンは6月25日、都内で会見を開き、パソコンブランドThinkPadの新製品となる「ThinkPad X1 Carbon」「ThinkPad X1 Yoga」、およびモバイル液晶モニター「ThinkVision M14」を発表。同日より販売を開始した、価格は、X1 Carbonが¥233,000(税別)~、X1 Yogaは¥246,000(税別)~、ThinkVision M14は¥36,000(税別)となる。

ThinkPad X1 Carbon

ThinkPad X1 Yoga

 今回発表のX1 Carbonはシリーズの第7世代め、X1 Yogaは第4世代めにあたる製品であり、開発テーマは昨今紙面を賑わしている「働き方改革」を推進するための機能の強化だという。

 会の冒頭に登壇した、同社代表取締役社長のデビット・ベネット氏によれば、「日本市場における働き方改革を進めるためには、在宅勤務などのいわゆるテレワークを拡大することが重要であり、その普及を促すための仕様を盛り込んだのが、2019年モデルのX1シリーズ」になるという。

レノボ・ジャパンのデビット・ベネット代表取締役社長

 詳述すると、ノート(ラップトップ)パソコンのこれまでの主な用途としては、ドキュメントや各種資料の作成、出先でのメールチェックなどであったが、働き方がテレワークなどのいつでもどこでも仕事ができるという形態に変わっていくことで、遠隔者同士のコミュニケーション――オンライン会議――の重要性がより高まってきており、そこに狙いを定めた改良を行なった、ということだ。

 具体的には、オンライン会議の質の向上を目指し、内蔵マイク&スピーカーといったオーディオ機能(クォリティ)の強化が挙げられる。

 マイクでは、従来の2個から本モデルでは4個に数が増やされており、搭載場所も液晶面上部のカメラの両サイドから、天面の縁(液晶を開いた時に上に来る面)へと移動され、これによって、天面側(パソコン使用者から見て正面)にいる人物の声を拾いやすくし、テレワーク時のオンライン会議でのコミュニケーション(会話)がより円滑に行なえるようになるという。収音性は360度、マイク感度は2倍に高められている。会では、マイククォリティの従来モデルとの比較デモも行なわれたが、天面側奥にいる人物の発言も明瞭にピックアップされており、その効果は充分に感じられた。

 一方、スピーカーについては、ユニットそのものを大型化するととともに、搭載位置やスペースも、スピーカーを優先した設計を行ない、“音質”を向上させているという。2ウェイ4スピーカーの構成だ。

ThinkPad X1 Carbonの内部(裏面から見たところ)

ThinkPad X1 Yogaの内部(裏面から見たところ)

搭載スピーカー。上がトゥイーター、下がウーファー

 ちなみに、スピーカー周りの設計ついてはドルビーとの協業を行ない、スピーカー穴の径や間隔などを吟味し、クリアーなサウンドを目指したという。ドルビーアトモスにも対応している。アトモスコンテンツも試聴してみたが、ちょうどパソコンの作業位置(画面から40cmぐらい)における音場感や定位感は見事なものだった。

ドルビーアトモスのロゴが印字されている

 そのほか、X1 Carbonについてはカーボン層の構造を改良することで、約10%の軽量化を達成。加えて、天面のデザイン(?)にカーボン柄をそのまま見られる仕様(塗装)が追加されたことにも注目だろう。

ThinkPad X1 Carbonの天面のカーボン柄が見られる仕様

 X1 Yogaについては、ユーザーからの要望に応えて、削り出しのアルミボディを採用。カーボンとはまた違う金属の質感を楽しめる(味わえる)仕様とした。

 なお、モバイルモニターのM14は、IPS液晶を搭載した14型のモニター。解像度は1920×1080のフルHD仕様で、ちょうど新X1と組み合わせて使うと、画面の高さが揃うよう設計されている。バッテリーは内蔵していないが、USBタイプC端子による給電&画面入力が可能なので、X1とはUSBタイプCケーブル1本の接続で使用可能。ACアダプターを使う場合は、パワースルーも可能で、ACアダプター→M14→X1とUSBタイプCケーブルを数珠繋ぎして使える。簡易スタンド付きで、0~90度の角度調整も行なえる。

ThinkPad X1 CarbonとThinkVision M14(右)