日本オーディオ協会は、来週末に有楽町・東京国際フォーラムで開催される「OTOTEN2019」に関するプレス向け説明会を開催した。

 その冒頭、オーディオ協会 会長の小川理子さんが登場し、今回のOTOTENのコンセプトについて紹介してくれた。

 OTOTENが国際フォーラムに場所を移して3回目を迎える。その効果もあってか、来場者数は約17,000名と、一昨年の1.3倍に増えたそうだ。これを踏まえて、今年は来場者20,000名を目標に掲げているそうだ。

 またオーディオ市場は、楽しみ方、経験の仕方が多様になっている珍しい業界だという。しかしこれまでオーディオ市場の中心をになっていたのはマニア層だった。だがこれからは、若い人にオーディオに親しんでもらい、活性化したと考えている。そのためにOTOTEN2019では、スタートアップコーナーや映画を楽しもうといった提案をしていくとのことだった。

 具体的には音響を学んでいる学生によるコンシェルジュを配置し、若い人にナビゲートしてもらうことで、とっつきやすくなるように工夫をする。同時にこれまでのオーディオファンの期待にも応えられるような試聴会や評論家の講演会も企画、いろいろなユーザーの希望に真摯に対応したいと話してくれた。

 実際に、最近は音楽イベントやライブへの支出が増えている人は多いそうで、音楽の本物に触れたいという思いは普遍的にあるとオーディオ協会では見ている。フィジカルな体験を求めているユーザーの思いを受け止めて、体験価値に結びつけていくと小川さんは語っていた。

 その解説を受け、OTOTEN2019のイベント概要が紹介された。まず今回は8つの大きなテーマが掲げられている。その8つとは以下の通り・

●オーディオスタートコーナー(B1F)
 これからオーディオを始める、またはリスタートしたいユーザー向けの企画で、音響芸術専門学校の生徒87名がインターンという形で参加、案内や説明をしてくれる。また価格帯の異なるアナログレコードプレーヤーの体験会やデスクトップオーディオ、AIスピーカーなどにも触れられるようなコーナーを準備。

●オーディオ専門誌主催セミナー(D5ホール)
 弊社を含めたオーディオ雑誌を刊行している雑誌社によるセミナーを、時間を分けて実施。ちなみにステレオサウンド社の持ち時間は6月29日(土)12:40〜14:10で、「アナログレコードができるまで」を、動画や図解を交えつつ紹介します。講師は株式会社ミキザースラボの北村勝敏氏。

●映画を聴こうプロジェクト(B1F、G408、G603)
 ホームシアターの展示は、OTOTENでも人気は高いイベントとのこと。今年は若い女性層にも興味を持ってもらえるように、サウンドバーからイマーシブサラウンドまで、多彩なシステムを準備して体験の場を広げる予定。

●カーオーディオ体験コーバー(B1F)
 地下1Fの会場スペースに、デモカーを6台展示。ハイレゾ音源再生を含めた、最新のカーオーディオの実力を体験できる。

●音のサロン(D5)
 和田博巳さん(29日17:40〜19:00)や小原由夫さん(30日10:10〜11:40)、麻倉怜士さん(30日14:40〜16:00)といった、弊社出版物でもお馴染みのオーディオ評論家を講師に迎えて、アンプの比較試聴やアナログ〜ハイレゾの聞き比べなど、興味深い試聴会を予定。

 和田さんのイベントでは、CS portやテクニクスのアナログプレーヤー、ヤマハのセパレートアンプ、フォーカルのスピーカーといったシステムの音が体験できるという。

●NHK 8Kスーパーハイビジョン

ソフト書籍販売コーナー

●レコーディングエンジニアを目指す学生向けプログラム(G701、G601)
 オーディオ協会が主催するセミナーで、若者にもオーディオに関心をもってもらおうという狙いのようだ。「第5回学生の制作する音楽録音作品コンテスト」で優秀音楽作品賞に選ばれた日本工学院専門学校2年生の横田創平さんによる公演が予定されている。

 なおこのセミナーに参加者した学生(先着80名、学生証の提示が必要)にオーディオ協会が監修したUSB音源がプレゼントされるので、気になる方は早めに会場に足を運んでいただきたい。

 開催に向けてオーディオ協会のサイトでも順次情報が公開されていくので、こちらも合わせてチェックをお忘れなく。

「OTOTEN」AUDIO & HOME THEATER FESTIVAL 2019

●開催日時:6月29日(土) 10:00〜19:00、30日(日) 10:00〜16:00
●会場:東京国際フォーラム
●入場無料