S’NEXT(エスネクスト)は、自社ブランドfinalからイヤホンの「B series」3機種を6月28日に発売する。モデルナンバーは「B1」(¥69,800、税込)、「B2」(¥29,800、税込)、「B3」(¥49,800、税込)となる。

「B1」はローズゴールド仕上げを採用する

 Bシリーズは、先に開催された「春のヘッドフォン祭2019」で発表されたもので、最新の研究結果が盛り込まれたエンジニア主導の新しい製品シリーズという位置づけだ。シリーズコンセプトや販売価格というヒエラルキーに縛られることなく、開発できた順に製品化していくとかで、型番は開発した順番に付けられている。

 そのBシリーズは、「音楽の音場感やダイナミックレンジとイヤホン・ヘッドホンの物理特性との関係」に着目して音づくりされており、その際には2つの軸が設定されたという。

 第1は、音の距離感に関わる考え方だ。クラシックやジャズなどでは、距離感や響き感など、「音場感」を重視した録音が行なわれている。一方ロックやポップス、アニソンなどでは距離感はさほど重視されず、楽器やヴォーカルが前に出てくる「解像感」がより重視されている。

 第2の軸は、「ダイナミックレンジ」で、これが大きいと音量の時間的変化を利用したダイナミックな音楽表現が可能となるが、一方ですべての楽器やヴォーカルが眼前に迫るように、ダイナミックレンジを小さくした録音が好まれるジャンルもある。

 これらの違いは、音楽の成り立ちや音楽に求められているものに起因しており、その点が、イヤホン・ヘッドホンにおいてはひじょうに重要だと同社は考えた、そこで、それぞれに適したターゲットカーブやドライバー設計にすれば、より深く、音楽を楽しめるようになるという結論に達したわけだ。

 そして「音場感」と「解像感」を横軸とし、「ダイナミックレンジ」を縦軸にした特性の相関関係を図式化し、どこにターゲットを持って行くかで音づくりを変えたわけだ。Bシリーズは従来のEシリーズよりも、音楽の聴きどころに沿ったモデル、深くハマると手放せない、そんな魅力のある製品に仕上げているそうだ。

MMCXコネクターでリケーブルに対応する。写真は「B1」

「B1」の狙った音
 音の近さや臨場感を特に重視したモデル。アニソンに代表される、音の近さをより際立させた録音がなされた音源では、まさにスタジオエンジニアがイメージしたとおりの音のバランスが再生できるよう設計している。

「B2」の狙った音
 音場感に富んだ録音に適したモデル。クラシックなどコンサートホールの反射音や残響を活かした録音や、ライブ録音など会場の雰囲気を再現しようと意図したミキシングの音源などに適している。

「B3」の狙った音
 解像感を特に重視したモデル。ライブ感のある音源でも楽器の繊細な音を手にとるように、かつやや華やかに聴きたい人や、アニソンやEDMのヴォーカルをタイトに楽しみたい方にお薦め。

 その他の特長は、2箇所で本体を保持し、1箇所でズレない程度に支持するという独自の装着方式だろう。力を掛けてもストレスに感じにくいイヤーピースと耳珠でイヤホンを保持し、抜け落ちるのを支える程度にイヤホンが耳甲介(耳のくぼみ)に触れるという方式で、圧迫感無く適合できるのがポイントだ。

 さらに同社のポリシーとして、長期的な使用のための修理可能な構造を採用。加えて、本体シャーシにはMIM(Metal Injection Molding=金属微粉末とバインダーを混ぜ、樹脂のように金型で成形した後、高温で焼結し、形状を整える方法)によるステンレス筐体を採用した。形状の自由度が高く、金属でありながら複雑な形状の内部設計が可能となったそうだ。

ガンメタリック仕上げの「B2」

「B1」の主なスペック

●ドライバー構成:1D+1BA(ネットワークレス)
●インピーダンス:13Ω
●出力音圧レベル:94dB
●重量:36g

「B2」の主なスペック

●ドライバー構成:1BA
●インピーダンス:41Ω
●出力音圧レベル:109dB
●重量:32g

「B3」の主なスペック

●ドライバー構成:2BA(ネットワークレス)
●インピーダンス:19Ω
●出力音圧レベル:102dB
●重量:36g

「B3」はフロストシルバー

http://snext-final.com/products/bseries/