英国コードからBlu MkⅡ+DAVEとペアになる
小型ステレオパワーアンプ CHORD Etude

 各方面から高い評価を得ている英国コード社の高級DACシステム、DAVE(デイヴ)と同じ “Choral(コーラル)シリーズ”の一員として開発されたステレオ仕様のパワーアンプがEtude(エチュード)だ。

POWER AMPLIFIER CHORD Etude

 コンパクトなデザインが特徴的で、本体質量は3.5kg。とは言え、AB級増幅の本格的なアナログアンプであり、出力150W/ch(4Ω)を誇り、分岐ケーブルによるブリッジ接続時の出力は300W/ch(4Ω)に達する。

 技術的には同社アンプ初のフィードフォワード型のエラー補正回路がトピックだ。これは入力信号を監視して回路上に起こりうるエラーを前もって予測し、逐一訂正していくことで、理想的な特性を獲得するというもの。実際、その恩恵は優れたスルーレートとして表れているという。

緻密でしなやかながらエネルギーに満ちた熱いサウンド

 ステレオ仕様で使ったそのサウンドは質感が緻密で、しなやか。響きの粒子まで感じさせるような繊細な感触は、同社の高級CDトランスポートBlu MkⅡとDAVEの組合せに通じるもの。音の骨格をしっかりと描きだしながら、芳醇な響きがストレスなく拡がり、録音現場の気配、空気感までも感じさせるほどだ。

 ノラ・ジョーンズのヴォーカルはその息づかいが温かく、手が届きそうな生々しさ。空間の静けさ、音の立ち上がり、立ち下がりの素早さと、随所でパワーアンプとしての素性のよさを感じさせる。

 こう書くと線の細い、弱々しい音をイメージするかもしれないが、それは違う。バスドラ、ベースと、スネアと、大振幅の信号が躍動するジャズトリオの再生でも、エネルギー感に満ちて、熱い音像が躊躇なく吹き上がり、空間に勢いよく放出される様子は爽快だ。

写真はシルバー仕上げのリアパネル。Etudeを2台使ってのブリッジ接続モノーラル使用では、オプションのスプリット(分岐)ケーブルが必要になる

 映画『リメンバー・ミー』の再生でもセリフ、音楽ともに緻密な質感が保たれ、豊かな響きが広い空間を浮遊し、溶け込み、消えていく。音量を思い切ってあげても、刺激的なところはなく、ギター弦の響きは温かく、しなやか。荒っぽさは皆無だ。

 単体アンプとして、その実力は折り紙付き。コーラルシリーズ製品専用のラックに納めるのも美しい。

POWER AMPLIFIER CHORD Etude ¥748,000+税
●出力:150W×2(4Ω)、300W(4Ω・ブリッジ時)
●接続端子:アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)
●寸法/質量:W340×H65×D145mm/3.5kg
●カラリング:ブラック(写真)、シルバー
●問合せ先:(株)タイムロード 03(6435)5710