LGエレクトロニクス・ジャパンは、6月4日、東京・国立新美術館を舞台に、「LG SIGNATURE in TOKYO」を開催した。

 これは、LGエレクトロニクスの製品の中で、最先端の技術を搭載し、同時に美しいフォルムを持った製品に与えられる「LG SIGNATURE」に該当する製品の魅力を多くの人に知ってもらいたいという企画となる。

LG SIGNATUREの製品たち。左からワインセラー、冷蔵庫、洗濯機、加湿空気清浄機、8K有機ELテレビ

 そんなLG SIGNATUREに相応しい製品として展示されたのは以下の6モデルだ。

●世界初、8K 88インチ有機ELテレビ「LG SIGNATURE Z9」
●4K有機ELテレビ「LG SIGNATURE W9」
●冷蔵庫「LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door冷蔵庫」
●洗濯機「LG SIGNATURE DUAL Wash」
●加湿空気清浄機
●ワインセラー

LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社代表取締役李栄彩氏。すべて日本語でスピーチをしてくれた

 最初に登壇したLGエレクトロニクス・ジャパン株式会社代表取締役 李栄彩(イ・ヨンチェ)さんは、LG SIGNATUREのコンセプトについて、以下のように述べた。

 「LGエレクトロニクスは、総合家電メーカーとして、世界中で様々なライフスタイルの製品を提案してきました。

 その中でも最高のブランディングとして、今回は世界いち美しい家電のLG SIGNATUREを発表します。最先端の技術を使いながら、ミニマルなデザインを追究しています。家電をただの道具ではなく、絵画のように生活空間に飾っていただきたいと願っています。

 また本日、世界初となる88インチの8K有機ELテレビ『LG SIGNATURE Z9』を、今年の秋に発売することを発表します。日本の皆様にいち早く提供できることを嬉しく思います」

 その言葉通り、会場の奥に展示されたLG SIGNATURE製品の中でも、8K有機ELテレビ「Z9」はひときわ注目を集めていた。

8K 88インチ有機ELテレビ「LG SIGNATURE Z9」。最新仕様のパネルを搭載している模様

 Z9は8K解像度を備えた有機ELテレビとして、既に製品化を想定したデザインに仕上げられているそうだ。搭載されたパネルも最新版で、先日のNHK技術研究所公開で展示されていたものよりも進化したバージョンのようだ。

 製品の仕様としては“8K有機ELパネルを搭載したテレビ”であり、日本国内向けの8K放送チューナーは搭載されていない模様。まずは8Kパネルの美しい映像を楽しんでもらいたいというコンセプトなのだろう。今後、8K単体チューナーなどの動向を見ながら、詳細を詰めていくものと思われる。

 会場では、女性モデルのアップや雑誌の寄り、都市を上空から俯瞰した映像などがデモされていたが、さすがにディテイル情報が見事だ。都市の夜景では細かい窓までしっかり再現され、その立体感は実物と見まごうほど。この映像が自宅で楽しめる日がくるのかと、感動してしまった。

 ちなみに8K有機ELテレビは数百万円の値付けになるようで、衣替えから遠くない秋の発売をめざしているとのことだった。

左から、司会の馬場典子さん、フレンチシェフの木下威征さん、映画監督の安藤桃子さん、LG SIGNATURE統括デザイナーのトーステン・ヴァリュアーさん、LGエレクトロニクス・ジャパン(株)代表取締役の李 栄彩さん

 なお「LG SIGNATURE in TOKYO」では、特別ゲストとして映画監督の安藤桃子さんと、フランス料理店「オー・ギャマン・ド・トキオ」のオーナーシェフ、木下威征さんが登場し、展示された製品の感想を話してくれた。

 木下さんは、仕事柄まずは冷蔵庫に目がいったそうだ。この製品は人間が近づいたことをセンサーが検出し、足下に「DOOR OPEN」といった確認のライトを照らしてくれる。そのライトを足で踏むと、それに反応してドアが自動的に開くという機能を備えている。

 「6つの製品は、全部かっこいいけれど、特に冷蔵庫は凄くいいですね。料理人は両手が塞がった状態で冷蔵庫を開けなくてはならないことも多いんです。でもこれなら簡単です。使う人のことをよく考えてありますね」と絶賛。

 さらに「2回ノックするとライトが付いて中が見えるんです。これなら無駄にドアを開けることがないので、食材を痛めないですみます。内部もステンレス仕上げで清潔だし、抗菌作用もあるそうです。これなら業務用も欲しい」と料理人らしい感想を話してくれた。

安藤監督も、8K有機ELテレビの映像に興奮気味

 一方安藤さんは、「今の家電は、インテリア性も求められますが、今日の製品は全部アートにマッチしています。このテレビも有機ELの8Kなんですね、たいへんなことですね。映画にとっては、黒をいかに再現できるかが一番難しいのです。特に日本の墨の黒は難しい。

 作り手は照明を工夫しながら映像を作っているのですが、これまでのテレビではその黒が表現できませんでした。でも、この8K有機ELテレビは光の表現をきちんと見せてくれます。フィルムライクな、アナログに近い映像が楽しめます」と、映画監督らしい意見を聞かせてくれた。

 そして、「8Kテレビの映像は、まさに窓から外を見ているような本物感がありました。人は本物に触れることで感性も育っていくと思うんですが、この8Kテレビの映像は、そんなことも期待できると思います。このテレビは欲しいですね。高知の家は置き場所はあるんですが……。頑張って買えたらいいな〜」と素直な感想を聞かせてくれた。

 LGエレクトロニクスでは、東京だけでなく世界各地でLG SIGNATUREの提案を行なっているという。今回の国立新美術館でも、美しい家電が静謐な空間に見事に融和しており、これからの家電製品がどうあるべきかというひとつの形を指し示していた。

 高品質と美しいデザインを兼ね備えたLG SIGNATUREの各製品に期待したい。

木下シェフが気になった冷蔵庫「LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door冷蔵庫」

4K有機ELテレビ「LG SIGNATURE W9」は、日本でも「W9P」の型番で発売中。写真は65インチモデル

今回の発表会は、The Art of Essence(家電をアートに)をテーマに、国立新美術館で開催された