キングジムは5月14日、都内で会見を開き、スマート機能を内蔵したボールペン「インフォ・INFO10」を発表した。発売は6月14日で、価格は¥12,000(税別)となる。

スマートボールペン「インフォ INFO10」(スマホとスマホの置台は別売り)

 インフォ・INFO10(以下、インフォ)は、専用アプリをインストールしたスマートホンと組み合わせて使うボールペン。スマホとはBluetoothで接続し、スマホ側で受信した各種通知(SNSやメールの受信など)をボールペンの側面に搭載したディスプレイに表示。用事の最中でも、スマホを取り出さずに通知を確認できるという優れものだ。

 通知対応アプリは27種類あり、それぞれに通知のオン、オフが設定でき、さらにペン側のLEDは10色が使えるので、特定のSNSに色を割り当てることで、通知内容の確認(ペン側のディスプレイに表示される文字数は30文字)と同時に、どのSNSメッセージかを視認できるようにもなる。

 また、その他の機能としては、ボールペン、あるいはスマホをどこに置いたか分からなくなった時に、振動して居場所教えてくれる機能、スマホのカメラ(静止画、動画)のシャッター機能(撮影)、音楽再生アプリの操作機能(再生、一時停止、曲送り、戻し)などを装備している。

 専用アプリは「Info+App」で、iOS、Android両対応(無料)。配信は、iOS版は本日5月14日より、Android版は発売日の6月14日を予定している(プレスは事前テストができない……)。

 なお、充電は専用のクレードルに挿して(立てて)行なう。充電時間は約45分。バッテリーの駆動時間は明示されていないが、待機時間は最大12日間とか(クレードルには、充電機能以外はなし。機能付加の予定もなし)。

 本製品の開発経緯について、常務取締役 開発本部長の亀田氏は、同社が掲げる「ニッチ戦略」にのっとり、「一部のユーザーでもいいので、強く欲しいと思える製品を開発したい。その結果が、今日発表するウェアラブルペン、インフォです」と力強くコメントしていた。

キングジム常務取締役 開発本部長の亀田氏

 その流れを説明すると、
さまざまな機器がデジタル化 
→ 文房具を扱うキングジムのジャンルの中でデジタル化可能な製品を考えた
→ ボールペンとスマホを連携させたら不便が解消できそうだ
→ インフォを開発
という流れになったという。

 なお、ボールペン部分にもこだわりは反映されており、開発本部の佐藤賢亮氏によると、キングジム自身には、ボールペン製造のノウハウがないため、国内の専業メーカーに協力を仰ぎ、専門家である相手先から、これは無理だろうと言われたことについても粘り強く、ともに解決策を模索し、実現にこぎつけたのだという。

 また、ボールペンといえば、単色よりも黒・赤が使える2色ボールペンが便利だろうということで、2色仕様を採用。材質については、所有欲を高めるために質感にこだわり、真鍮を使用している。表面にはクロームコーティングが施されている。

 製品化での一番の苦労は2色機構&スマート機能の収納だったそうで、いわゆるボールペンと思えるサイズにまとめるのがたいへんだったという。内部を見ると、4色ボールペンのような構造となっており、うち2色分はボールペンに、もう2色分をスマート機能の収納に割り当てているようだ。

 ボールペンの替え芯は、JISナンバーで書くと“JIS S6039:2006”で、一般的な多色ボールペンの金属製替え芯(全長67㎜)が使えるようだ。筆者は、ステッドラーのアヴァンギャルドを使っているが、互換性はあった。左利きの人のために表示を反転させる機能も搭載されている。

まだまだあるぞ! 便利商品

 会見では、同日発表の新製品5モデルも展示されていた。

 ラベルライターテプラの最新作は、印刷時の余白を削減した「SR-R680」(5月31日発売 ¥23,800+税)。ラベル印刷の際に、ラベルを少し巻き戻す機構を取り入れることで、実現したそう。ただし、各部に変更が入っているそうで、旧モデルではファームウェアアップなどでの対応は不可。

「SR-R680」

 卵型をしたスマートリモコン「エッグ」(5月31日発売 ¥9,800+税)は、内部にバッテリーと赤外線発信装置を内蔵しており、Bluetoothでリンクしたスマホ(専用アプリ必要)からの操作で、リモコンのない機器(赤外線に対応している必要がある)を含めて、リモコン対応機器を一元操作できる製品。対応製品はアプリに登録されており、ジャンルはテレビ、エアコン、アンプ、プロジェクターなど多岐にわたり、29000種類以上の製品から、使用機器を選択できるそう。ソニーやベンキューのプロジェクターも登録されていた。

「エッグ」

 アラーム機能を搭載した手書きメモ「カクミル」(5月31日発売 ¥14,000+税)は、いかにもキングジム的な製品。クラウドファンディングを成功させ今回の製品化にこぎつけたという。4.3インチの電子ペーパーディスプレイに手書きで要件を書き込め、タイマーセットした時間に、音と画面でお知らせしてくれるという。

「カクミル」

 仕事机の上にちらばる各種文房具などを、ディスプレイさせながら機能的に収納してくれるのが「PEGGY(ペギー)」(6月7日発売 ¥3,500+税)。等間隔で穴の間ボード(縦横両使い可能)に、専用のフック、棚などを組み合わせることで、収納したいものに合わせたディスプレイ&収納が楽しめる。自立スタンド付き。サイズは横置き時で、W400×H300×D124㎜。耐荷重は約3kg。

「PEGGY(ペギー)」(小物は別売り)

 製品名が機能をそのまま表しているのが「光る掲示板・HK10」(6月14日発売 ¥12,800+税)。アクリルかセルのような透明パネル部分に書いた文字が、下面に設置されたライトによってライトアップされ、暗所でも文字が読める、という掲示板。他社にない機能としては、乾電池駆動が可能なところ(ACアダプターとの2ウェイ対応)。単3×5本で約20時間点灯でき、付属の防水バッグに入れれば雨天でも使うことができる。

「光る掲示板・HK10」