アユートは、同社取り扱いのオーディオブランドAstell&Kernの新製品として、デジタルオーディオプレーヤー「KANN CUBE」を発表、6月に発売する。価格はオープンで、同社直販サイト価格は¥199,980 (税込)。

「KANN CUBE」

本体は右側面がクサビ型(?)になっており、本体が大型化しても握りやすい形状としている

 KANN CUBEは、その名の通り現行「KANN」の後継機であり、同じくperformance lineのセカンドモデルとなる。

 一番の特徴はESS Technology社の8chDACチップ「ES9038PRO」を、ポータブルオーディオ機器として初めて、2基搭載したこと。同社デバイス事業部 事業部長のTED BAEK氏は「ES9038PROについては、現行『SE100』に搭載して、その音質のよさは実際に確認していました。そして、今回のCUBEでは、より以上の高音質を狙って2基搭載することにしたのです」と語ってくれた。performance lineは、より実験的なチャレンジを行なえる製品群だそうで、SE100での経験を元に、新たなチャレンジを行なった結果が、今回のCUBEに十二分に生かされている、ということになるのだろう。

TED BAEK氏

 その結果として、より一層の低ノイズ化も図れ、それを受け出力をさらに強化することができ、ゲイン切り替えは3通り(低・中・高)を用意、バランス出力では12Vrms、アンバランスでは6Vrmsという驚異的なスペックの実現に結実したのだという。

 また、CUBEではポータブルプレーヤーでありながらMINI XLR(5ピン)端子を装備。これも、本機の音質のよさを、ユーザーが所有しているであろうホームシステムに組み込んで楽しんでほしい、というメッセージを込めた形になる。別売りとなるが、MINI XLR(5ピン)を、XLR(ステレオ)に変換するケーブルも、CUBEの発売に合わせてラインナップする予定だという(価格未定)。

オプションのMINI XLR→XLR変換ケーブル(価格未定)

 なお、バッテリーに関してはES9038PROを2個使いということもあり、消費電力はかなり増大しており、内蔵バッテリーの容量は7400mAhを誇るが、再生時間が約8時間となっている。ただし、USB タイプC端子による急速充電に対応しているので、日常使いで不便なことは少ないだろう。

 ちなみに、本体はかなり大型化しており、前モデルに比べて2周りはサイズアップした印象。胸ポケットには入らないが、質量は約493gと500mlのペットボトル程度なので、重すぎて……ということにはならないはずだ。専用ケース(サンプル・発売未定)も用意されており、背面は放熱を意識してか、スリットデザイン(スリットの線?がAKに見えるデザインとなっている)を採用しており、フィット具合も良好だった。

KANN CUBE(右)とKANN(左)

専用ケースのサンプル。背面には放熱用(?)のスリットがある

 そのほか、搭載プラグは3.5㎜ステレオミニ、2.5㎜4極バランス、MINI XLRの3つ。内蔵メモリーは128GB、マイクロSDカードスロット装備、384kHz/32bit、DSD256(11.2MHz)のネイティブ再生に対応する。

KANN CUBE主な仕様
ボディカラー:Wolf Gray
素材:アルミニウム
記録媒体:内蔵容量128GB(NANDフラッシュ)
拡張スロット:microSDカードスロット×1スロット(SDHC/XC 最大512GB)
D/Aコンバーター:ESS9038PRO 8-channel×2 (Dual DAC)
出力端子:3.5mmヘッドホン出力、2.5mmバランス出力(4極)、Mini 5pin XLR
Wi-Fi規格:IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHz)
Bluetoothバージョン:4.2
プロファイル:A2DP、AVRCP
対応コーデック: SBC、aptX HD
バッテリー:内蔵リチウムポリマーバッテリー( 7,400mA / 3.8V )
ディスプレイ:5.0型TFTカラーLCD(静電容量式タッチスクリーン)
解像度:HD(720×1280 ドット)
寸法:約87.75×約140mm ×約31.5mm
質量:約493g