DELAミュージックサーバーの自宅試用リポート、その後編をお届けしたい。
HiVi3月号でのN1ZH/2とN10に続き、今回はN1A/2とN100。
前回の2モデルに比べて大きくプライスダウンはしているものの、今回の2モデルは自分的に明らかにHDDの容量が足りないところが問題である。
とはいえまずは音でしょ、ということで今回も自宅システムで聴き比べてみた。

 自宅への導入を前提にした試用リポートの後編だが、今回のN1A/2とN100は、それぞれ前回のN1ZH/2とN10の弟モデルにあたる。

 N1A/2には3つのバリエーションモデルがあり、ここで試聴したのはHDD容量=2Tバイト/カラリング=シルバーのN1AH20/2。他の2モデルは、N1AH40/2が容量=4Tバイト/カラリング=シルバー、N1AH20/2BKが容量=2Tバイト/カラリング=ブラックという内訳だ。

HA-N1AH20/2 ¥168,000+税
 ●接続端子:USBタイプA 5系統(USB3.0×4、USB2.0)、LAN 2系統
 ●内蔵HDD容量:2Tバイト
 ●寸法/質量:W436×H70×D352mm/5.9kg

 N100は、電源ユニットを別筐体としたN10の一体型バージョンで、容量は1Tバイト(N10は3Tバイト)。価格はなんと、N10の約5分の1である。あくまで自己責任になるが、アダプタータイプの電源を供給仕様や端子が同一のリニア電源に替えて強化を図れるところがポイントだ。

N100 ¥138,000+税
 ●接続端子:USBタイプA 3系統(USB2.0)、LAN 2系統
 ●内蔵HDD容量:1Tバイト
 ●寸法/質量:W215×H61×D269mm/3kg

 まずはN1AH20/2をラックに設置して、前回と同じくポール・サイモンの「ラヴ」(96kHz/24ビット)をUSBメモリーから内部ハードディスクに取り込んで、再生してみた。個人的には一番最初に聴いたDELAのミュージックサーバー(の後継モデル)ということもあって一番よく馴染むというか、わが家のシステムとも相性がいいように思える。もちろん上位モデルにあたるN1ZH/2に比べると、見通しのよさや音像の輪郭の深さなど、かなわない点もいろいろあるが、それでも現在使用しているオーディオ用NASに比べてはるかにS/Nがいいし、中域の密度が増したことでリスニング体験そのものの充実度がアップしていることがわかる。

 続いてN100に接続を替えて聴いてみると、こちらは直系の弟モデルだけに、やはり前回聴いたN10の印象に通じるところが多い。聴き手の背筋を伸ばすような、あの圧倒的なクリアーネスの片鱗は確かに感じられるし、CDリッピング音源の鮮度も格段に上がっている。このコスパの高さはかなり魅力的だ。

N100+E100に
リニア電源追加で導入を決意!

 HiVi3月号と今回試聴した印象と現状システムとのバランス、あともちろん予算的なところを踏まえつつ1ヵ月間あれこれ悩んだ結果、自宅に導入するモデルはN100という方向でほぼ固まった。HDD容量の不足分は同社の外付けHDD、E100(3Tバイト、7万円+税)を加えて補おうと思っている。容量という意味ではN1A/2の4Tバイトモデル、N1AH40/2という選択肢もあったのだが、N100+E100の組合せを選んだのは音の好みに加えてハーフサイズという外観的な理由が大きい。実は先日、ラックに新しいディスクプレーヤーを加えたことでフルサイズのコンポーネントを置く場所がなくなったというリアルな事情があり、設置に柔軟性のあるN100+E100をラック横の机に置くことにしたのだ。

 もうひとつ、先に触れたリニア電源の活用で音質のさらなる向上が望めそうなことも、N100を選んだ大きな理由だったりする。たとえばHiVi誌でもたびたび採り上げられているオーディオデザインのDCAシリーズなんかどうだろうと密かに考えているのだが、まずはNAS内の音源管理方法など根本的なところを見直しつつ、システムが落ち着いてきたうえで慎重に試したいと思う。予算的に断念せざるを得なかったN10に電源まわりのトリートメントでどれだけ迫ることができるか。いい効果が感じられたら、またどこかで報告します。

DELAミュージックサーバーのUSB端子の使い方

 DELAのミュージックサーバーの特徴として、複数のUSBタイプA端子にバックアップ用のHDDや、CD取り込み用のディスクドライブを接続できるなど、ユーザーの用途に応じた使い方ができるという点が挙げられる。しかしこれは、前回と今回紹介した4製品でも、使い方が少し異なるので注意したい。

 まずは小型モデルのN10とN100だが、USB端子は3系統を用意。基本的にどの端子でも同じように接続できるとのことだが、「USB DAC」と記された端子がUSB DAC接続時は信号経路的にオススメになっているという。

 いっぽうのN1AとN1ZをラインナップするN1シリーズだが、こちらは端子によって用途が限定される。背面最左の「USB DAC」と記されているものは同機能での限定端子で、同じく「BACKUP」はバックアップ専用、「EXPANSION」はHDDなどでの拡張用途限定となる。DELAでは、このことは筐体サイズを活かして専用端子を用意できるメリットだと考えているという。なお、背面の「USB 3.0」とN1Aで用意されるフロント側端子はUSBメモリーからの音源取り込みやディスクドライブ接続に使える。これはユーザーそれぞれの使い方に委ねられるということになる。(編集部)