既にあちこちで報道されていますが、漫画家のモンキー・パンチ先生が4月11日にご逝去されました。82歳の誕生日を来月に控えてのことでした。謹んでお悔やみ申し上げます。
モンキー・パンチ先生といえば、国民的アニメ『ルパン三世』の生みの親として有名ですが、StereoSound ONLINEならびに月刊HiVi読者には、熱心なオーディオビジュアル愛好家としても知られているでしょう。
そもそもは1998年、レーザーディスクがホームシアターのメインソースだった時代に、月刊HiViの人気企画『潮晴男のAVルーム・クリーニング大作戦』にお掃除依頼をいただいたのがきっかけでした。
以来20年以上の長きに渡り、常に最新の機器に注目し、ご自宅のホームシアターを進化させ続けてきました。その好奇心の強さ、いい絵やいい音だけでなく、あらゆることに対して前向きに取り組もうという姿勢には、いつも頭が下がる思いでした(その変遷は月刊HiViで20回近く特集させていただきました)。
昨年春にご自宅にお伺いした際も、4K UHDブルーレイを、ソニーの4KプロジェクターVPL-VW5000で、ドルビーアトモスをトリノフALTITUDE32の7.1.8システムで体験させてもらい、大いに盛り上がったことが思い出されます。
モンキー・パンチ先生はここ数年体調を崩されていたそうで、昨年にはあの豪華なシステムを処分して引っ越しをされていました。しかし今年の1月には再びご自宅に戻って、新しいホームシアターを楽しみたいとおっしゃっていました。聞いたところでは、4Kとアトモス対応の新システムの設置も済んでいたとか。
モンキー・パンチ先生がその新シアターで映画を楽しまれたのかは残念ながらうかがっていませんが、最後まで映画や音楽を愛し、かけがえのない存在として大切にされていたのは間違いないでしょう。
多くの読者に夢を与えてくれたモンキー・パンチ先生、本当にお世話になりました。先生に名前を覚えていただけたことは、僕の人生で3本の指に入る嬉しい思い出です。
どうぞゆっくりとお休みください。(StereoSound ONLINE・泉 哲也)