HUNTER KILLER
- 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION and DOLBY ATMOS
HUNTER KILLER – A Ridiculously Fun Action Thriller
Release Dates (Theater):October 26, 2018 (USA)
Domestic Total Gross:$15,767,460
(Foreign: N/A)
FILM
今週末(4月12日)日本劇場公開作。アメリカ映画の十八番たる最新潜水艦映画の登場だ。57年製作『眼下の敵』を筆頭に数々の潜水艦映画が作られてきたが、潜水艦映画に駄作ナシ、どれもこれもがシネフィルの心を熱く掴む作品ばかり。とりわけ90年代以降はVFXを多用した迫真の絵作り、凝りに凝ったシネソニックの妙が光るのも潜水艦映画の魅力のひとつ。その代表作が『レッド・オクトーバーを追え!』(90)であり、その後も『クリムゾン・タイド』(95)、『U-571』(2000)、『K-19』(2002)等が顔を揃える。そしてここに紹介の新顔も気魄のこもった軍事サスペンス活劇の大見世物となっている
ジョージ・ウォーレス、ドン・キース共作の同名ベストセラーが原作。ロシア海軍の原子力潜水艦が北氷洋バレンツ海で沈没。救助に急行したアメリカ海軍原潜も現場で姿を消した。異変を察知した米海軍は、新任艦長グラスが率いる攻撃型原子力潜水艦アーカンソー、通称ハンターキラー(敵潜水艦を追撃して撃沈する攻撃型原潜)を現場海域に派遣。同時にロシア艦隊基地へ特殊部隊を送る。やがてロシア国内でクーデターが勃発、ロシア大統領が監禁されたことが判明する・・・。
主演は男臭さムンムン、『エンド・オブ・ホワイトハウス』『ザ・アウトロー』のジェラルド・バトラー。共演に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でオスカー主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマン(武闘派で直情的な統合参謀本部議長役をキモチよさげに演じて魅せる)。さらに脇を固めるのが『ジョン・ウィック』シリーズのコモン、オスカー作品賞受賞作『グリーンブック』のリンダ・カーデリーニ、本作が遺作となった『ミレニアム』3部作のミカエル・ニクヴィスト。監督は『裏切りの獣たち』のドノヴァン・マーシュ。写真は限定STEELBOOK版。
VIDEO
撮影は『裏切りの獣たち』の新鋭トム・マライス。アリ・アレクサXT/mini(3.4Kオープンゲートモード)アナモフィック撮影。DIファイルは2K。HDRはHDR10とオプションとなるドルビービジョンHDRを採用したハイブリット仕様。映像平均転送レートは62.1Mbps(HDR10)+7.7Mbps(ドルビービジョン)を記録する。
2K DIからアップサンプリングされたとは思えぬ、安定感のある高精細で鮮鋭な画質を披露する。地上/室内/洋上/海中のいずれも優れたディテイルを提供。BLU-RAY版との差異も明快だ。まず冒頭の積雪環境の彫刻に目を奪われよう。たっぷりの陽光を浴びたバトラーの大顔絵の見事さにも唸る。観どころは何といっても海戦シークエンス。ヴァージニア級攻撃型潜水艦(現役艦)に試乗、可能な限り模写/ディフォルメした艦内美術セットの成功精密さ、その完成度が瞳に迫りくる。オールドスクールな雰囲気を持つ司令室や艦内景観、精密な計装やインテリアは観応えたっぷり。HDRやWCG(ワイドカラーガムット:広色域)は艦内ショットにとって非常に有益であり、コンソールライトや照度の低いライティングで堅固な緊迫感を与えている。爆発ショット(特に海中)に驚くほどの活気を与えている。黒レベルは艶やかで峻烈、最暗部の階調まで逃さない。鈍色の空、海面の群青も見事。ドルビービジョンではより明部/暗部階調が伸長、艦内を染め抜くブルートーンや点在する光源やその反射光、さらには海洋の実景やVFXショットにみるボリューメトリックな大気エフェクトに顕著なハイライトを追加している。ロシア大統領救出の地上シークエンスは海洋シークエンスと対照的なオーガニックな質感、低体温のアーストーンに注目。
AUDIO
サウンドデザインは『メカニック:ワールドミッション』『レザーフェイス‐悪魔のいけにえ』のライアン・ノワク、そして『トゥームレイダー ファースト・ミッション』のルーク・ジェントリー。音楽は『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』のトレヴァー・モリス。音声平均転送レートは3.780 kbps(24ビット仕様)。ドルビーアトモス・リミックス監修は、本作でアトモス・レコーディングを担当したゴード・ヒリアー。
前述した通り、潜水艦映画の醍醐味は拘り抜いた音作りにある。それは本作も然り。極めて高精細な映像以上に、これは"音"の映画と言ってヨロシかろう。専門用語や技術用語が飛び交うシナリオながら、発声は(ロシア訛りの英語を含めて)明晰を極めている。(艦内の)音を出せない状況下での、緊張に震える忍び声も素晴らしい。軍事効果音は重層的で多種多様。徹底したリアリズムを貫き、ときにドラマティックなディフォルメ感で満たしつつ、精巧精緻な周波数操演が施されている。バトル・シークエンスではシネソニックの魅力満開。艦内の機器音、水圧による軋み音、ソナーが発信する短信音(Ping)、浸水音や艦内爆破音は張り詰めた緊迫感をより高みに押し上げている。潜水艦映画のお約束、閉所恐怖の限界に達した際のアンビエントリバーブも聴き逃がせない。息継ぎを許さないサラウンド操演はリファレンス・クオリティ。リアチャンネルは休息知らず。ベース・エフェクトは弾力ある重量感、LEFエンハンスとともに切れ味よく、抜群の瞬発力で魅了する。ドルビーアトモスのオブジェクト操演は冒頭から全開。スクリーン上のアクションと的確にリンクし、実体感と緊迫感に溢れる3D音場を生み出している。ハーフドーム状のシームレスなアンビエント、効果音や活劇音のディスクリート効果がバランスよく混在、音彩浸漬度も目覚ましい。躍動の活劇スコアを披露するのは、ハンス・ジマー率いる作曲家集団リモート・コントロールのメンバーであるトレヴァー・モリス。高鳴るオーケストラ・メロを奏でつつ、巧みにデジタルを融合させた十八番のサスペンスフル・スコアも聴き応えがある。
FINAL THOUGHTS
本作は製作費4000万ドルという、決して膨大な予算をかけた超大作ではない。美術セットやVFXの予算も限られてはいるが、賢く作り上げた軍事ムードたっぷりのHDR絵画と立体シネソニックを楽しまれたい。とりわけドルビーアトモス・サウンドトラックは必聴。さてあなたは映画館で先に観る?それとも家庭劇場での鑑賞が先?いずれにせよ、あなたの家庭劇場が北氷洋の海戦場と化すのは間違いなかろう。必見。必聴。
SPECIAL FEATURES
- DOLBY VISION HDR PRESENTATION OF THE FILM
- DOLBY ATMOS AUDIO TRACK
- Audio Commentary with Director Donovan Marsh
- "Surface Tension: Declassifying Hunter Killer" (Two-Part Featurette)
- Optional English SDH subtitles for the main feature
SCREEN CAPTURES(1280 × 720 pix)
DISC SPECS
Title | HUNTER KILLER |
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Released | Jan 29, 2019 (from Lionsgate Films) |
SRP | $42.99 |
Run Time | 2:01:42.294 (h:m:s.ms) |
Codec | HEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible) |
Aspect Ratio | 2.39:1 |
Audio Formats | English Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible), Spanish Dolby Digital 5.1 |
Subtitles | English SDH, Spanish |
FILM SPECS
タイトル | ハンターキラー 潜航せよ |
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年 | 2018 |
監督 | ドノヴァン・マーシュ |
製作 | ニール・H・モリッツ, トビー・ジャッフェ, ジェラルド・バトラー, アラン・シーゲル, タッカー・トゥーリー, マーク・ギル, ジョン・トンプソン, マット・オトゥール, レス・ウェルドン |
製作総指揮 | アヴィ・ラーナー, トレヴァー・ショート, ボアズ・デヴィッドソン, ヤリフ・ラーナー, ダグラス・アーバンスキー, ラティ・グロブマン, クリスタ・キャンベル, アーン・L・シュミット, ライアン・カヴァナー, ケン・ハルスバンド, ケヴィン・キング, クリスティーン・オタール |
脚本 | アーン・L・シュミット, ジェイミー・モス, 《原作》ジョージ・ウォーレス, ドン・キース |
撮影 | トム・マライス |
音楽 | トレヴァー・モリス |
出演 | ジェラルド・バトラー, ゲイリー・オールドマン, コモン, リンダ・カーデリーニ, ミカエル・ニクヴィスト, トビー・スティーヴンス |
4K画質評価
解像感 | ★★★★★★★★★★10 |
---|---|
S/N感 | ★★★★★★★★★☆9 |
HDR効果 | ★★★★★★★★★☆9 |
色調 | ★★★★★★★★★☆9 |
階調 | ★★★★★★★★★☆9 |
音質評価
解像感 | ★★★★★★★★★☆9 |
---|---|
S/N感 | ★★★★★★★★★☆9 |
サラウンド効果 | ★★★★★★★★★★10 |
低音の迫力 | ★★★★★★★★★☆9 |
SCORE
Film | ★★★★★★★★☆☆8 |
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Image | ★★★★★★★★★☆9 |
Sound | ★★★★★★★★★☆9 |
Overall | ★★★★★★★★★☆9 |