先ほど第一報をお届けした通り、株式会社PDNが本日、4月から「マーティン・ローガン」「パラダイム」というふたつのブランドの輸入販売をスタートすると発表した。ここではマーティン・ローガンの新製品について紹介しよう。

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マーティン・ローガンのトップエンドモデル「Neolith」

Masterpiece(マスターピース)シリーズ
Neolith ¥20,000,000(ペア、税別、受注生産)
Renaissance ESL 15A ¥5,000,000(ペア、税別)
Classic ESL 9 ¥1,300,000(ペア、税別)

ElectroMotion(エレクトロモーション)シリーズ
ElectroMotion ESL X ¥800,000(ペア、税別)

Motion(モーション)シリーズ
Motion 60XT ¥600,000(ペア、税別)
Motion 35XT ¥300,000(ペア、税別)

2枚の金属パネルの隙間に超軽量の振動板を挟み込んでいる

 マーティン・ローガンは静電型スピーカーのブランドとして有名だ。過去には日本で販売されていたこともあり、ESL(エレクトロ・スタティック・ラウドスピーカー)技術が生み出す唯一無二の音で音楽愛好家を魅了している。

 ESLテクノロジーとは、表面に小さな穴を開けた金属パネル(ステーター)の間に超軽量のポリエステルフィルム(ダイヤフラム)を挟み込み、金属パネルをプラスとマイナスに交互に帯電することでポリエステルフィルムを駆動する仕組だ。

 その特長は、軽量な振動板による反応速度の速さ、ダイヤフラム全面を均一に駆動することによる歪みの少なさ、ダイヤフラムの面積が広いことで大音量から微少な音まで自由に再現出来ること、再生できる帯域が広いことなどが挙げられる。

 また一般的なドライバーでは電気信号が入力されてから音が出るまでにわずかな遅れは避けられないが、静電型の場合は遅れのない発音が実現出来るのもメリットだという。

 なお、今回の新製品群ではいずれも12ミクロン厚のダイヤフラムが使われている。その素材自体は従来モデルから変っていないが、接着剤などを改良することで湿気が苦手という弱点も克服できているそうだ。これは日本のような気候で使う場合には嬉しい改善といえるだろう。

Neolithの下部背面には38cmウーファーが内蔵されている。前面にも30cmユニットがあり、スタガー駆動されている模様だ

 その他の特長としては、最上位のマスターピースシリーズとエレクトロモーションシリーズは、いずれもCLS(Curvilinear Line Source)静電パネルと低域用ウーファーを搭載したハイブリッドシステムを採用している。

 これは高域部分を静電パネルで再生し、低域をウーファーユニットが受け持つ方式で、そのクロスオーバーは250〜400Hz前後に設定されている(各モデルによって異なる)。低域ユニットはトップモデルのNeolithが30cm+38cmのダブルウーファー、Renaissance ESL 15Aが30.5cmダブルウーファー、Classic ESL 9が20cmダブルウーファー、ElectroMotion ESL Xが20.3cmのダブルウーファーという構成だ。

モーションシリーズのラインナップ。今回発売されるのは左橋のMotion 60XTと、大型ブックシェルフのMotion 35XTとなる

 シリーズ中もっとも廉価なモーションシリーズは、高域に静電パネルの技術を応用したFolded Motion XTトゥイーターを、低域にウーファーユニットを組み合わせたブックシェルフ型となる。

 Folded Motion XTトゥイーターは電極と超軽量高分子フィルムで構成されたダイヤフラムを蛇腹状に折り曲げたもので、2モデルとも11.4×7cmの振動板面積を持っているそうだ。

 なお各シリーズには豊富なカラーバリエーションも準備されており、インテリア等に合わせて選べるようになっている。Neolithは7色、Renaissance ESL 15AとClassic ESL 9は各3色、ElectroMotion ESL XとMotion 60XT、Motion 35XTが2色を準備している。

モーションシリーズの特長となるFolded Motion XTトゥイーター。60XTと35XTには3.2×6.1cmの大型タイプが使われている

 マーティン・ローガンでは、同ブランドの音のフォロソフィーとして“Truth in Sound”を掲げている。特に今回のトップモデルであるNeolithは、その想いを具現化すべく3年をかけて開発されたとのことなので、機会があったらぜひそのサウンドに触れてみていただきたい。