PDNは、本日午後六本木のAXISSギャラリーで説明会を開催、アメリカ「マーティン・ローガン」とカナダ「パラダイム」のスピーカーの輸入販売を開始すると発表した。
それぞれ取り扱う製品はマーティン・ローガンが「Masterpiece（マスターピース）」「ElectroMotion（エレクトロモーション）」「Motion（モーション）」の3シリーズ6モデル、パラダイムは「Persona（ペルソナ）」シリーズ7モデルとなる。
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マーティン・ローガン → https://online.stereosound.co.jp/_ct/17261372
パラダイム → https://online.stereosound.co.jp/_ct/17261377
写真外側がマーティン・ローガンの「Neolith」で内側がパラダイム「Persona 7F」
説明会冒頭で、株式会社PDNの代表取締役会長 佐藤 卓氏が登壇して同社について解説をしてくれた。そもそもPDNの社名は「Premium Distribution Networks」に由来し、メンバーは長年オーディオ業界に携わってきたプロフェッショナルばかりだという。今回もその豊富な知識や感性、ノウハウ、ネットワークを活かして販売する製品を選定していくそうだ。
取り扱う製品は「高付加価値」「高機能」「高性能」をテーマにしており、まずは今回の2ブランドから始めるが、将来的にはストリーミグサービスなども取り込んだ製品ラインナップを構築していきたいとのことだった。
さて、今回取り扱いを始めるマーティン・ローガンとパラダイムはどちらも北米に拠点を置くブランドだ。さらに規模の大きいメーカーで、音響工学に基づいた開発を行なっている点も共通しているそうだ。そして、生産ラインでの品質向上を目指しつつ、手作りの要素を残した物づくりを行なっていることも、趣味のオーディオ製品として重要と考えているという。
スピーカーとしてのポテンシャル、パフォーマンスの高い製品として、普及を目指したいと佐藤氏も力強く語っていた。
株式会社PDN 代表取締役会長の佐藤 卓氏
続いてこの両ブランドを傘下に持つPMLサウンドインターナショナルから、クリス・リーダー氏が登場し、ふたつのブランドの歴史を解説してくれた。
PMLサウンドインターナショナルは、マーティン・ローガン、パラダイム、アンセムという3つのブランドを傘下に持っている。もともとパラダイムは1982年にカナダで、マーティン・ローガンは1983年にアメリカで創業したオーディオメーカーだった。それぞれオーディオファンの支持を得て成長してきたが、2005年にSVIホールディングスに傘下に入っている。
とはいえそれぞれが独立したブランドとして設計・開発を続けており、個性を活かした製品ラインナップを送りだしているのは間違いない。その後は主に北米での販売に注力していたが、近年は欧州の展示会に出展するなど、海外展開を視野に入れた活動を進めてきている。
そして今回PDNとの契約が締結し、日本市場で本格的に製品販売を展開していくことになったわけだ。クリス氏は、「日本は品質・機能への要求がひじょうに高い市場ですが、それに応えられる製品を投入していきます」と、その意気込みを語っていた。
PMLサウンドインターナショナルのクリス・リーダー氏
なお今回の新製品発表会場には、パラダイムの「Persona 7F」（￥4,800,000、ペア、税別）と、マーティン・ローガンの「Neolith」（￥20,000,000、ペア、税別）がセットされ、アナログレコードやCDの音を聴かせてくれた。
再生システムはアナログプレーヤーがクリアーオーディオの「Ovation」にカートリッジがアナログリラックス「EX1」。CDプレーヤーはマランツ「SA-10」で、プリアンプがEAR「912」、パワーアンプはファンダメンタル「MA-10」をBTL接続で使っている。
Personaシリーズはトゥイーターとミッドレンジにベリリウム振動板を搭載したラインナップで、Persona 7Fは25mmトゥイーター、178mmミッドレンジ、215mmウーファー×2（ウーファーはアルミ振動板）の3ウェイ4スピーカー、トールボーイ型となる。
そのサウンドは、女性ヴォーカルからジャズ、クラシックまで腰の据わった、安定した再現性が持ち味だ。音像も綺麗に定位して、歌手がそこで歌っているかのようなリアリティが再現された。声の実体感も優れており、このシステムでマルチチャンネルを組んだら、映画作品に相当に没入できるのではないかと思った。
各ブランドのトップシリーズから2モデルをデモ。アナログレコードからCDまで、素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれた
一方のNeolithは、マーティン・ローガンの代名詞ともいえる静電型スピーカーのトップモデルとなる。全長190cm、重さ175kgというボディに、122×56cmの大型静電パネルを搭載している。これに30cm＋38cmウーファーの低音を加えて繊細な高域から力強い低域までカバーしているわけだ。
女性ヴォーカルの再現性はいうまでもなく、ジャズ、クラシックといったどんなジャンルでも朗らかに鳴らし切ってみせた。静電型スピーカーらしい、美しい高域再現と、力のある低域が絶妙にバランスしたサウンドで、この再現を好む音楽ファンも多いことだろう。
なお、パラダイム、マーティン・ローガンの新製品については、国内10店舗ほどのオーディオ専門店での展示が予定されている。これらのモデルが気になる方はお近くの専門店に問い合わせてみてはいかがだろう（注文には4月1日から対応予定とか）。
各製品の詳細は、追って紹介する。