NHKは20日午後に、『8K版 マイ・フェア・レディ』の試写会を開催した。同作は、BS 8Kでオンエアされる待望の映画作品第二弾だ。放送スケジュールは3月10日(日)午後7時〜と24日(日)午後3時〜。
BS 8Kでは、放送開始日の2018年12月1日に『2001年宇宙の旅』を放送し、映画ファンの間でも大きな話題となった。そのクォリティもすばらしいもので、麻倉怜士さんも感動のレポートを寄せてくれている。
※麻倉さんのインプレッションはこちら → https://online.stereosound.co.jp/_ct/17232473
今回の『8K版 マイ・フェア・レディ』も『2001年〜』と同様に、NHKがコンテンツホルダーであるCBSに8K化を提案し、ハリウッドのプロダクションで8Kスキャンやレストアなどの作業が行なわれている。
スキャニングには今から55年前(1964年)の劇場公開時の貴重な65mm オリジナルネガフィルムを使用、グレーディングやカラーコレクション等の処理を施した後、8K/24pの連番ファイルとしてNHKに納品された。
その後、NHK側で字幕のインサートや60pに変換するなどの作業を加えて放送マスターが制作されたという。なお放送素材としては8K/60p/SDR/5.1chというもので、試写会ではHEVC圧縮等は行なわずに、メモリーカードからダイレクトに再生している。
上映は『2001年〜』の試写会と同じ、NHK放送センター内の421オーディションルームで行なわれた。プロジェクターはJVCの業務用8Kプロジェクターで、スクリーンサイズは400インチ、5.1ch音声はムジーク・エレクトロニクガイザインのスピーカーシステムで再生している。
インターミッションを挟みつつ、170分の本編が上映されたが、その絵と音の素晴らしさに、何度も感嘆のため息が出てしまった。『2001年〜』が作り込まれた緻密なミニチュア世界を8Kで描写している印象だったのに対し、『マイ・フェア・レディ』は、衣装やセットのビンテージ家具といった“本物”を実に生々しく描き出している。
しかも電子映像なのに、画面にはフィルムらしい感触、映画らしいテイストが保たれていて、“スクリーンで映画を観た”と納得させてくれるのだ。8Kのもうひとつの魅力を実感した次第だ。
さて今回の試写会には、麻倉怜士さんと酒井俊之さんも参加していた。視聴後におふたりが『8K版 マイ・フェア・レディ』のインプレッションについて熱い議論を交わしてくれたので、その様子は改めて紹介したい。ご期待ください。