KEFジャパンは2月13日午後、楽曲のワイヤレス再生に対応したアクティブ型スピーカー「LSX」の発表会を開催した。

 LSXは、同社「LS50 Wireless」と同等のスペックを備えたモデルで、115mmのUni-Qドライバーを搭載した2ウェイ1スピーカー仕様となる。インテリアにも合わせやすいよう5色を準備し、それぞれの予価は以下の通りとなっている。

5色展開の「LSX」。写真左から、マルーンレッド、デニムブルー、オリーブ、ブラック、グロスホワイト

「LSX」の予価(4月初旬発売予定)
 グロスホワイト ¥148,000(ペア、税別)
 マルーンレッド、デニムブルー、ブラック ¥168,000(ペア、税別)
 オリーブ ¥198,000(ペア、税別、限定色)

 主な進化点としては、L/Rスピーカー間もワイヤレスで信号が伝送できるようになった(間に障害物がなければ5〜10m離せる)。これによりL/R間のケーブルが不要となり、設置の自由度が格段に向上している。

 音楽信号の伝送方式としてはWi-Fi(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth(コーデックはaptX)、さらに有線接続として光デジタルと3.5mmアナログ入力、Ethernetを各1系統備えている。またWi-FiではSpotifyやTIDALといったストリーミングサービスも使用可能だ(別途契約は必要)。

 ちなみにLSXは96kHz/24ビットのリニアPCM信号に対応したD/Aコンバーターを内蔵しており、Wi-Fiや光デジタル接続時ではハイレゾ信号が再生できる(Wi-Fi伝送ではFLACとWAVに対応)。

 ただし、L/Rスピーカー間の伝送は48kHz/24ビットで行われているので、ワイヤレス接続状態では96kHz/24ビット音源を再生しても48kHz/24ビットにダウンコンバートされるという。96kHz/24ビット音源をフルスペックで楽しみたい場合はL/Rスピーカー間をLANケーブルでつなぐ必要があるので、注意して欲しい(アプリからの設定も必要)。

写真左がマスター機で、こちらに有線接続用のコネクター等が搭載されている。右はスレーブ機で、96kHz/24ビット信号を楽しみたい場合は、LANケーブルで両機をつなぐ

 スピーカーユニットには、独自の同軸ユニットUni-Qを採用。技術的には第11世代の仕様(最新Uni-Qは第12世代)だが、115mmは今回のLSX用に新規に開発されたサイズとなる。

 そのUni-Qドライバーを、低域用70W+高域用30Wのマルチアンプで駆動しており、L/Rで4基のパワーアンプを搭載していることになる。ちなみにD/Aコンバーターもマルチ仕様で、合計4チャンネル分が内蔵されている。

 LSXのもうひとつの特徴は、そのデザインにある。イギリスを代表するデザイナーのMichael Young氏が監修を務め、インテリアやライフシーンにマッチするカラーバリエーションと仕上げを準備している。

 デザイン上の特徴は、バックパネルを含めた本体部分にネジがまったく見えない点や、ウーファーやトゥイーターの振動板、さらにダクトの色も本体に合わせて変えていることだろう。細かいことだが、それらのこだわりが製品としての完成度を高めているのは間違いない。

 なお5色のうち、ベースカラーとなるグロスホワイトはプラスチック仕上だが、他の4色は側面部分に高級家具にも使われているデンマークKvadrat社のファブリックを採用している。このうちオリーブ仕上げは限定色とのことで、本体にMichael Young氏のサインが入れられている。

KEFはBBCモニターのLS3/5aも手がけていた。写真は1980年代に発売されたLS3/5aとLSXを並べたところ

「LSX」の主なスペック

●型式:2ウェイ1スピーカー同軸、バスレフ型
●使用ユニット:19mmドーム型トゥイーター、115mmコーン型ウーファー
●再生周波数帯域:52Hz〜47kHz(スタンダード)
●内蔵アンプ出力:LF 70W、HF 30W
●対応サンプリング周波数:最大96kHz/24ビット(L/Rスピーカー有線接続時)、48kHz/24ビット(L/Rスピーカーワイヤレス接続時)
●入力:無線LAN(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth(aptX)、光デジタル入力、3.5mmアナログ入力、Ethernet
●出力:サブウーファー出力(RCA)、USB(電源供給用)
●寸法/質量:W155×H240×D180mm/3.6kg(マスター)、3.5kg(スレーブ)

発表会では、KEF Japan代表取締役社長の浅井信行氏(左)とマーケティング部長の壱岐 浩氏(右)が新製品について解説してくれた