CES会場では新しいディスプレイ技術がいくつも紹介されているが、以前から技術としては存在するも、あまり顧みられていないアイテムに徹底的にこだわり、推進しているのが中国の大手テレビメーカー、ハイセンス。

 「テレビメーカーとして中国でナンバーワン、世界規模でも4位」(1月7日に開催されたプレスカンファレンスでの発言)という。今回の目玉はレーザー光をDLPで変調してスクリーンに投写する「レーザーテレビ」だ。

輝度1500ルーメンの「70LT7」

 レーザー光をDLPデバイスで変調し、その光を超短焦点レンズにて、スクリーンの至近距離から上方に投映するという仕組だ。2014年からCES出展を始め、当初は解像度が2Kだったのを4Kに高め、対応スクリーンサイズも80/88/100インチとバリエーションを増やしている。

 今回は構造をがらっと変えた。これまでは赤(R)、青(B)のデュアルレーザー方式だったが、今回はRGBの各色レーザーによるDLP変調方式「X-Fusion Laser Light Engine」を新開発。テレビ製品の名前は「4K Smart TriChroma Laser TV」だ。

 ハイエンドモデルの「100L7T」は、3色レーザーにより、DCI-P3色域をフルカバー、輝度は3500ルーメンを得ている(100インチ)。DLPのリフレッシュレートは32マイクロ秒と、ひじょうに速い。輝度1500ルーメンの「70LT7」も同時発表された。

ハイセンスの新型レーザーテレビ「100L7T」。スクリーンサイズ100インチで、輝度は3500ルーメン

 私は当初から、ハイセンスのレーザーテレビの画質を観てきている。以前は輝度も低く、コントラストが輪を掛けて低かったが、ここにきて着実に画質は向上している。特に今回の新製品は大きくジャンプした。

 以前は色ノイズの多さが目立ったが、S/Nは従来に比べ、格段によくなった。これまでは粗く、ギサギサ感もあったが、結構、すべらかになった。スクリーンとのマッチングもよくなったのであろう。今後もハイセンスのレーザーテレビに期待だ。