遅くなりましたが、皆様新年明けましておめでとうございます。今年もStereoSound ONLINEをよろしくお願いいたします。

 さて、大晦日の「紅白歌合戦」は4K/8Kでご覧になりましたか? ぼくは帰省していたため、リアルタイムは実家の2K(正確にはワイドXGA)テレビで観ていました。

 しかし実家のテレビはサイズも37インチと小型のため、迫力のかけらもなし。ツイッターで送られてくる麻倉怜士さんによる「8K紅白歌合戦」のコメントを読みながら、なんとも物足りなさを感じていたのです。

 で、帰宅後に録画しておいた4K版をチェックしたところ、やっぱり桁違い。画面サイズが37インチから110インチに、画素数も2Kから4Kにアップした相乗効果で、映像のインパクトが格段に向上しました。プロジェクターはSDR仕様だけど、ステージの照明感、ライティングの妙もきちんと再現できている。

 麻倉さんがツイッターで紹介していた、あいみょんの赤いビロードの皺とギターの金属弦の輝きや、AQUASのレースの衣装の膨らみの立体感、石川さゆりの着物の模様の鮮やかさなどもこれなら納得。もう来年から地デジには戻れません。

TT-4K100のリモコン(左)とKJ-65A1のリモコン(右)。テレビのどのコンテンツをよく観るか、映像調整をどれくらい活用するか、などでHDMI CEC操作に使うリモコンを選ぼう

 とまぁそんなことを考えつつ本連載のアクセスをチェックしていたら、<その9>で紹介した単体4Kチューナーの使いこなしについての反響が予想以上に多いことを発見。この年末年始に単体4Kチューナーを導入して、使いにくいと感じていた人は案外多かったのかもしれません。

 ということで、単体4Kチューナーを使ったHDMI CECリンクについて、具体的な使い方を整理しておきたいと思います。使用機材はソニーの有機ELテレビKJ-65A1と単体4Kチューナーの東芝TT-4K100。この2台をHDMIケーブルでダイレクトにつなぎます。この時、テレビのHDMI入力は必ずARC/HDMI CEC対応の端子を使ってください(KJ-65A1はHDMI3)。

 で、まずはTT-4K100の「設定」メニューから「本体設定」→「HDMI接続設定」→「HDMI連動機能」で「使用する」を選ぶ。そしてもうひとつ「初期設定」から「リモコン設定」→「テレビリモコン設定」を呼び出して、組み合わせるテレビのコードをセットしておきましょう。今回はソニー製なので「4」になります。

 次にKJ-65A1の設定メニューから「ブラビアリンク設定」→「ブラビアリンク機器制御」をオンに。同時に「電源オフ連動」「電源オン連動」もオンにします。ここで「ブラビアリンク機器一覧」を呼び出すと、TT-4K100がつながっている機器として表示されるはず。上手くいかなかったら接続を確認してやり直して下さい。

 なお、「設定」→「外部入力設定」→「ブラビアリンク設定」→「リモコン操作ボタン設定」→「チャンネルボタン追加」を設定しておくと、KJ-65A1のリモコンでテンキーを使ったダイレクト選局ができるようになります。

 ここまでで、HDMI CECを使うための設定は完了。あとはテレビ用と4Kチューナー用のどちらのリモコンをメインで使うかを決めることになります。

 HDMI CECはテレビを中心に据えた機能なので、本来はテレビのリモコンで4Kチューナーの電源オン/オフやチャンネル切り替えができるはず……なんだけど、実際にはテレビと4Kチューナーのメーカーが違うと上手く動かない事もあるのです。

それぞれのリモコンをどう動くかを確認した

 先程の組合せで試してみたところ、それぞれのリモコンによる操作結果は以下の通り。

KJ-65A1のリモコンを使った場合

1)電源オン/オフ
 KJ-65A1のリモコン電源ボタンを押すと、KJ-65A1の電源が入る。その際、KJ-65A1の起動状態によって以下のような動作になる。

 a)地デジやBSを受信していた場合は、TT-4K100の電源は入らない
 b)HDMI3入力を選んでいる場合は、TT-4K100の電源も入る
※a)の場合は、KJ-65A1をHDMI3入力に切り替えると、TT-4K100の電源が自動的に入る

KJ-65A1の「入力切換」選択メニュー。地デジなどを観ている際にこのメニューからHDMI3に切り替えると、自動的にTT-4K100の電源がオンになる

 電源を切る場合は、KJ-65A1の状態に関係なく、KJ-65A1のリモコンで電源をオフにすれば、TT-4K100の電源も連動してオフになる。

2)チャンネル切り替え
 KJ-65A1のリモコンのアップ/ダウンボタン、テンキーの両方で4K放送のチャンネル切り替えができる。ただし、KJ-65A1のリモコン上部にある放送波切り替えボタンで「地デジ」や「BS/CS」を選ぶと、KJ-65A1ではなくTT-4K100側の放送波が切り替わる。こうなると、KJ-65A1のリモコンでは4K放送に戻すことができないので、TT-4K100のリモコンが必要になってしまう。

3)外付けUSB HDD録画コンテンツの呼び出し、再生
 KJ-65A1のリモコンから「視聴中メニュー」→「メニュー」→「タイトルリスト」を選ぶと、TT-4K100の録画リストが表示される。ここからは十字キーとエンターキーでコンテンツの再生が可能。

 また「視聴中メニュー」→「メニュー」→「ホーム(メニュー)」でサブメニューを呼び出すと、「サーチ」から早送り/早戻しができる。ただし4K録画については、音声付き再生はできない。

KJ-65A1のリモコンでTT-4K100の外付けUSB HDDに録画した番組を呼び出すには、写真の「タイトルリスト」を選べばいい。ちょっと階層は深いが、慣れると簡単だ

「サブメニュー」からはサーチ再生もできた。ただし音声は再生されないので、あまり活躍はしないかも

TT-4K100のリモコンを使った場合

1)電源オン/オフ
 TT-4K100のリモコンの電源ボタンを押すと、KJ-65A1の電源も連動して入る。その際、KJ-65A1の状態は関係なく、入力は自動的にHDMI3が選択される。

 電源を切る場合は、TT-4K100のリモコンで電源をオフにしても、KJ-65A1の電源は切れない。そこであらかじめTT-4K100の「リモコン設定」でソニー製テレビを選んでおき、リモコン上部左のTV電源ボタンでオフにする。するとTT-4K100の電源も連動して切れる。なおこの状態であれば、TT-4K100のリモコンでKJ-65A1のボリュウム操作も可能。

2)チャンネル切り替え
 TT-4K100のリモコンのアップ/ダウンボタン、テンキーの両方でチャンネル切り替えができる。

4)外付けUSB HDD録画コンテンツの呼び出し、再生
 TT-4K100のリモコンですべて操作可能。なお、早送り/早戻しでは音声は再生されない。

4K中心か、ネットコンテンツも観るかでリモコンを選ぶ

 ということで、録画コンテンツの呼び出しや電源のオン/オフ操作に若干の差はあるものの、どちらのリモコンでも電源やチャンネルなどの基本操作は問題なく使えることがお分かりいただけたでしょうか。あとはご自分のよく使う機能がどっちのリモコンの方が簡単かで選んでもらえばいいと思います。

 例えば番組によってテレビの映像イコライジングをマメに調整したいとか、ネット系のコンテンツもよく観るという方はKJ-65A1のリモコンじゃないとそもそも操作ができません。

 一方で主に4K放送を観ることが多く、かつ外付けUSB HDDに録画した放送を手軽に楽しみたいという方は、TT-4K100のチューナーを使った方が操作は簡単かもしれません。

 いずれにせよ、HDMI CEC機能をオンにしておくだけでこの環境が実現できるのはとてもありがたい。単体4Kチューナーをお使いの方は、ぜひお試しください。