新4K8K衛星放送がスタートして、あっという間に1週間が過ぎました。店頭ではスタート当初ほどの盛り上がり感は収まってきたものの、ポップ等の展示には「4K」の文字が踊り、説明員の皆さんも結構積極的に押している印象ですね。

 そんな家電店の売れ筋はやはり4Kチューナー内蔵テレビのようです。まぁ普通に考えれば、最近4K対応テレビを買ったという人以外は、この機会に新しいテレビにしようかと考えるでしょうね。

 では、今現在で4Kチューナー内蔵テレビは何があるのか? それについてまとめてみたのが上記の表です。現状では三菱、シャープ、東芝の3社から、6シリーズ17モデルがラインナップされています。今回はブランド別に製品の特長を見ていきましょう。

4Kまで取り込んだオールインワンの三菱

 三菱のRA1000シリーズは、なんといってもオールインワンの多機能製が魅力。4Kチューナーも2基内蔵しており、4K放送を観ながら裏番組の録画ができます(4Kや地デジの放送を観ながら、4Kと地デジを1チャンネルずつ裏番組録画可能)。しかもRA1000シリーズは2Tバイトの録画用HDDを搭載しているので、外付けUSB HDDを準備しなくても録画できるわけ(4K放送の録画モードはDRのみ)。

 もうひとつ、RA1000シリーズはブルーレイレコーダーも内蔵しており、4K放送をBDやDVDに保存もできます(その場合、4K画質のままではなく、2Kに変換してMPEG4 AVCで録画)。ちなみに市販のUHDブルーレイも再生できるので、放送、パッケージとも4K対応を果たせる点はとても魅力的でしょう。

 付け加えると、RA1000シリーズは三菱独自のNCV振動板を使った2ウェイ4スピーカーシステムを採用しており、映画サウンドも高品質に楽しめます。テレビ内蔵スピーカーの音質劣化が叫ばれる昨今、これも貴重な存在です。

LCD-A58RA1000(市場想定価格34万円前後)
LCD-A50RA1000(市場想定価格26万円前後)
LCD-A40RA1000(市場想定価格22万円前後)

4K放送からネット動画まで、シャープは幅広い視聴を提案

 日本メーカーで唯一8Kテレビ(チューナー内蔵、対応機どちらも)を発売しているシャープは、もちろん4Kチューナー内蔵テレビもラインナップしています。60インチと50インチはAN1シリーズ、45インチはAL1シリーズです。

 3モデルとも4Kチューナーを2基搭載しており、外付けUSB HDDをつなげば4K放送の裏番組録画が可能(4K放送の録画モードはDRのみ)。BDメディアへの書き出しはできないけれど、その場合は先日紹介したAQUOS 4Kレコーダーの4B-C40AT3や4B-C20AT3を組み合わせて、残したい番組は4Kレコーダーで、一時録画は外付けUSB HDDという具合に使い分けるのが便利です。

 ちなみにAN1/AL1シリーズはAI(人工知能)を活用したシャープ独自のサービス「COCORO VISION」を搭載している点もポイント。「COCORO VISION」は、家族がよく見る番組や利用した時間帯、録画履歴を学習し、ユーザーの好きなジャンルやよく見るタレントなどを解析してお薦めの番組を音声で知らせてくれるもの。放送だけでなく、動画配信サービスまで網羅した情報を届けてくれるので、見逃しがなくなるはず。

 4K放送が加わったことで、ますますどれを観たらいいのか迷ってしまう……という方は「COCORO VISION」の力を借りるのも一案です。

4T-C60AN1(市場想定価格28万円前後)
4T-C50AN1(市場想定価格20万円前後)
4T-C45AL1(市場想定価格15.5万円前後)

どこよりも早く4Kチューナーを発売した東芝は、充実の品揃え

 この夏、他社に先駆けて4Kチューナー内蔵テレビを発売した東芝。しかも著作権保護のA-CASチップを後から送るという神対応で、レグザを買っておけば4K放送が始まっても安心というイメージを届けたのはさすがです。

 そんな東芝だけあって、4シリーズ11モデルと製品数も他社を大きくリードしています。なかでも4Kチューナーを内蔵した有機ELテレビのX920シリーズは、東芝だけのラインナップです(他はすべて液晶テレビ)。

 東芝機の場合、4Kチューナーはすべてシングルタイプなので、外付けUSB HDDに録画できるのは1チャンネルだけで、裏番組録画はできません。ただし、上位シリーズのX920やZ720Xはタイムシフトマシン(いわゆる全録機能。別途HDDは必要)が使えるので、気になる4K番組はリアルタイムで観て、地デジや2KのBS放送は後からタイムシフトで観るという使い方がいいかもしれません。

 東芝機は高性能な映像処理エンジン「レグザエンジンEvolution PRO」や「レグザエンジンEvolution」による高品位な映像も人気で、画質にこだわる映画ファン、アニメファンからも高い信頼を集めています。

65X920(市場想定価格65万円前後)
55X920(市場想定価格45万円前後)
55Z720X(市場想定価格24万円前後)
49Z720X(市場想定価格20万円前後)
55BM620X(市場想定価格21.5万円前後)
50BM620X(市場想定価格17.5万円前後)
43BM620X(市場想定価格14.5万円前後)
65M520X(市場想定価格25万円前後)
55M520X(市場想定価格20万円前後)
50M520X(市場想定価格16万円前後)
43M520X(市場想定価格13万円前後)

4K再生機能は3社とも不足はなし。どんな使い方をしたいかで選ぼう

 三菱、シャープ、東芝機ともHDR再生については放送のHLGとパッケージのHDR10の両方式に対応済みで、それぞれのパネルによる性能差はあるにせよ、輝度レンジの広い再現性と豊かな色再現を楽しむことができます。

 あとは先述したようなそれぞれの製品の機能から、どういった使い方をしたいかで選んでもらうことになります。

「アンテナケーブルをつなぐだけで、4K受信から録画、ディスク保存(2Kダウンコバート)まで簡単にできる三菱」

「4K放送を含めて、AIがあなたにぴったりのコンテンツをお薦めしてくれるシャープ」

「有機ELから液晶まで、多彩なラインナップを準備。映像調整を活用して、好みの絵に追い込むなら東芝」

 今の4Kテレビを極論すると以上のような感じでしょうか。これを参考に、気になるモデルをチェックしてみて下さい。