映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第17回をお送りします。今回取り上げるのは『グリンチ』。アメリカでは、サンタクロースと並ぶ人気者という彼(?)が、クリスマスの最中に、思いもかけない計画を実行します。ひねくれ者の活躍(?)を、とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)
【PICK UP MOVIE】
『グリンチ』
12月14日 (金) 全国ロードショー!!
休む前に座布団の上でくるくる回り、寝床の形を整える。犬を飼われている方は、愛犬のこんな仕草を何度も見たはずだ。あれ、オオカミ時代からの習性で、本人は地面に安全な穴を掘っているつもりなのだという。
『ミニオンズ』や『ペット』のヒットで地位を確立。新進アニメーション・スタジオ、イルミネーション・エンターテインメントの新作、この『グリンチ』に登場するワン公のマックスが寝る前に真面目な顔でこれをやるのでクスクス笑いをしてしまう。
マックスのご主人は、雪の町で幸せそうに暮らす住人たちが気にくわぬヒネクレ者のモンスター、グリンチ。俺は悲惨な子ども時代を過ごしたのに、ふざけるな! 奴らが楽しみにしているクリスマスを盗んでやる! こうして大騒動が巻き起こる。
大筋はジム・キャリー主演の実写版(2000年)と同じだが、今回はエピソードがシンプルにまとめられており、代わりに前述の愛犬マックスの健気さや、グリンチが作る発明品(往年のアニメ『チキチキマシン猛レース』みたい)など細部に工夫が凝らされている。
イルミネーションに彩られた町の幻想感とユーモア。年の瀬近くにひと息つくクリスマス映画として最適で、子どもを連れて行ってあげたらお父さんの点数上がること間違いなしだ。ぬいぐるみやマグカップなどのタイアップ・グッズも多いので、それらも買ってあげれば、娘さんが机の上のそれを見るたびに“お父さんが連れてってくれたんだ”と思い出してくれるかも(無理か)。
音楽はティム・バートン作品でおなじみ、ドンチャカ・リズムのダニー・エルフマン。『SHERLOCK/シャーロック』や『ドクター・ストレンジ』のベネディクト・カンバーバッチがアテているグリンチの声を、日本語吹替版では大泉洋が担当している。ほかに杏らが参加。みんな上手い。あのヒゲのおじさん、プリクルバウムの声はロバートの秋山だったね、と子どもに教えて点数を稼ぎましょう(だから無理だって!)
『グリンチ』
12月14日 (金) 全国ロードショー!!
日本語吹替え:大泉洋 杏 秋山竜次(ロバート) 横溝菜帆 宮野真守
プロデューサー:クリス・メレダンドリ
監督:ヤーロウ・チェイニー、スコット・モシャー
声の出演:ベネディクト・カンバーバッチ
原題:『The Grinch』
配給:東宝東和
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS
2018年/アメリカ映画/1時間26分/シネマスコープ
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