KEFジャパンは13日午後、同社「New R Series」の発表会を開催した。今回登場した製品は6モデルで、それぞれの価格は以下の通り。すべて2019年3月下旬の発売を予定している(予約受付は2019年2月中旬から)。

▲写真左からR11、R7、R5、R3、R2cのウォールナット仕上げ

●トールボーイスピーカー
 R11 ¥650,000(ペア、税別)
 R7¥500,000(ペア、税別)
 R5 ¥400,000(ペア、税別)
●ブックシェルフスピーカー
 R3 ¥300,000(ペア、税別、スタンド別売)
●センタースピーカー
 R2c ¥150,000(1本、税別)
●イネーブルドスピーカー
 R8a ¥150,000(ペア、税別)

 発表会ではまず、KEFというブランドの成り立ちが紹介された。KEFは1961年に英国でレイモンド・クック氏によって創業された。以後はBBCモニタースピーカーやドライバーを開発、家庭での高級オーディオ用としても評価を集め、現在に至っている。

 その中で誕生したのが、今やKEFの代名詞にもなっているUni-Q同軸ドライバーだ。Uni-Qドライバーは、点音源再生の理想を追求して生まれたユニットで、1号機は今から30年前の1988年に発売された「C35/55」に搭載された。以後絶え間ない改良が加えられ、今回のNew R Seriesには12代目となるUni-Qが搭載されている。

 ちなみにKEFは自社でユニットの設計・開発を行なっている数少ないブランドで、そういった技術の継承があるからこそ、今回の新型Uni-Qドライバーも生み出すことができたという。

12代目となる最新Uni-Qドライバー

 12代目Uni-Qドライバーでは、トゥイーターとミッドレンジの間に新開発のトゥイーターギャップダンパーを採用することで、より滑らかな中高域の再生を実現した。さらにミッドレンジ部は新開発され、従来以上に高速な振幅を可能としている。

 加えて上位モデルであるReferenceシリーズ同様のコーンデカップラーを使うことで、高周波歪みを抑え、スムーズなレスポンスを獲得しているそうだ。なお、Uni-Q ドライバーのリング形状にReferenceシリーズと同様のシャドウフレアが取り付けられ、バッフル面での回折効果を抑えている

 ちなみにUni-Qドライバーの組み合わせるウーファーユニットにも改良が加えられ、Referenceシリーズと同じマグネットに変更されている。つまりUni-Qドライバーは最新型、ウーファーはReferenceシリーズと同等なわけで、New R Seriesはかなりお買い得な製品といってよさそうだ。

▲R11のUni-Qドライバーと端子部

 本体サイズについては、トールボーイのR11が幅200mm(R900は240mm)、ブックシェルフのR3も200mm(R300が210mm)と従来モデルからさらにスリム化されている。それだけでなく、Uni-Qドライバーの取付け位置(床面からの高さ)をトールボーイの3モデルで揃えるといった配慮もなされている。

 これはサラウンドシステムを組んだ場合に、フロントとリア側のスピーカーで音源位置を揃えようという狙いという。確かに、実際のマルチチャンネル再生では、同じユニットを同じ高さに揃えることで、つながりのいい緻密な音場が再現できるので、この提案は映画ファンにとって見逃せないだろう。

▲センタースピーカーのR2cは密閉型に変更されている。右はドルビーイネーブルドスピーカーのR8a

 ちなみに今回の発表会は有楽町にあるKEF MUSIC GALLERYで行なわれたが、最近はここを訪れるお客さんの多くがホームシアターを考えており、その際に奥様からリビングにスピーカーを置いた場合の見え方や、インテリアとのマッチングについてのチェックが必ず入るそうだ。

 KEFではその点にも配慮しており、New R Seriesではブラック、ホワイト、ウォールナットの3色を準備している。同時にインシーリングスピーカーのCiシリーズとの組み合わせも推奨しているとかで、これらを使えばドルビーアトモスまで見据えたシステムが構築できることになる。

 なお同社では2019年春に、KEF Music Labという体験スペースを晴海にオープンする予定だ。ここは完全予約制で、本格的な試聴環境を準備してKEF製品のパフォーマンスをじっくりと体験してもらえる場にするという。新築を考えている方なら、設計図面を持って行って、どのスピーカーをどんな風に配置したらいいのかといった相談にも乗ってもらえるようだ。

▲KEF Japan代表取締役社長の浅井信行氏(右)とマーケティング部長の壱岐浩氏(左)