バリュートレードは、ケンブリッジオーディオのハイエンドアンプEdgeシリーズの日本導入を発表し、英国大使館で内覧会を実施した。

 英国のケンブリッジオーディオといえば、高価にすぎない、コストパフォーマンスに優れたオーディオ製品で日本でもおなじみのブランド。ロンドンの中心に研究開発部門を始めとする本社を構える、老舗と言える存在だ。

 その同社が50周年の記念事業として企画したのがEdge(エッジ)シリーズ。これはケンブリッジオーディオの創立者Gordon Edge氏にちなんだネーミングで、プリメインアンプEdge A、ネットワークオーディオ機能付きコントロールアンプEdge NQ、パワーアンプEdge Wの3機種がラインナップされている。

 早ければ2018年内の製品発売を予定しており、いずれも価格は未定。なお、本国サイトによれば海外での価格はEdge Aが5,000ドル、Edge NQが4,000ドル、Edge Wが3,000ドルとなる。暫定ではあるものの、EDGE Aは¥698,000+税での販売が見込まれているという。

左がEdge NQ、右がEdge A、下段左がEdge W

 まず、Edge Aは100W(8Ω)/200W(4Ω)×2の出力を持つプリメインアンプ。RCA×2、XLR×1のアナログ音声入力を備えるほか、DACセクションを搭載。USBタイプB端子からは最大384kHz/32ビットのPCM、11.2MHzのDSD信号を入力可能だ。またARC(オーディオリターンチャンネル)用のHDMI入力を1系統用意することも特徴。テレビのHDMI入力とつないでおけば、テレビからの音声をHDMI経由で再生できる。

プリメインアンプEdge A

 次に、Edge NQはネットワークオーディオ機能を持ったプリアンプと紹介された。ネットワーク経由で再生できるのは最大192kHz/32ビットのWAV/FLACや5.6MHzのDSF/DFFなど。Edge Aと同じDACボードを持ち、やはりARC用のHDMI端子のほか、USBタイプBも装備する。USBからは最大384kHz/32ビットのPCM、11.2MHzのDSD信号を入力可能だ。

 最後に、Edge Wはシンプルなステレオパワーアンプ。出力値はEdge Aと同じ100W(8Ω)/200W(4Ω)×2だが、搭載する回路の規模自体が異なるという。入力端子はXLR、RCAが1系統ずつで、トグルスイッチによる切り替え式。シリアルでアンプをつなげるように、XLR、RCAこちらも1系統ずつ音声出力端子も装備している。

Edge NQ(上)とEdge W(下)

 発表会には、ケンブリッジオーディオ代表のJames Johnson-Flint氏、アジアのセールスマネージャーCalvin Yeung氏が登壇。このEdgeシリーズが、同社においてのまったく新しい製品であることが強調された。9名のスタッフがEdgeだけのために3年をかけ、開発に取り組んだのだという。

外観からも確認できる、本体左右に配されたヒートシンクとパワーアンプブロック。パワーアンプは「XA級」増幅。AB級増幅ながら、A級増幅に迫るサウンドを獲得しているという

アンプ部はシンプルさを追求し、信号経路のパーツを減らしている。Azurで41パーツだったところ、今回は14のパーツを使用。信号経路のコンデンサーを排したことで、不要な色付けを避けたとしている

Edge Wは大型のトロイダルコアトランスを搭載する。対象形になるようにふたつのトランスが背中合わせになっており、外部に影響する不要な磁場を打ち消し合うのだという

意匠にも強いこだわりを見せ、ボリューム調整と入力切り替えのノブは同軸の一体型としている。先端を持って回せば音量が、根本を持って回せば入力が切り替わる

こちらがボリューム/入力切り替えノブの分解モック。航空機グレードのパーツを組み上げた完全オリジナル品