「シャープの製品デザインは少しコンサバ。もっとスタイリッシュにしたい」。

 SHARP UMC(シャープのヨーロッパ子会社)のバイス・プレジデントSascha Lange氏が、8月29日に開催されたシャープのプレス・カンファレンスで言及した。その心はイタリアの有名なデザインハウス「ピニンファリーナ(Pininfarina)」との提携だ。

ピニンファリーナデザインのテレビ。脚に色を配して、パネルとの素材感の違いを演出している

 会見会場では、ピニンファリーナがデザインを手掛けたテレビ、オーディオ製品が展示され、通常のシャープ・デザインとは違う異彩を放っていた。ピニンファリーナはフェラーリ、アルファ・ロメオ、マセラッティなどの名デザインを手掛けたカロッツェリアとして有名(実は私の愛車プジョー306カブリオレもピニンファリーナデザインだ)だが、最近は建築デザイン(イスタンブールの空港タワーなど)や、時計、家電製品……といった新しい分野にも積極的にイタリアンデザインを展開させている。

 デザインに対するシャープ側の思惑とビジネス分野を拡張したいピニンファリーナ側の意向が合致し、ヨーロッパ市場向けのテレビとオーディオのプレミアムゾーン製品をピニンファリーナが手掛けることになった。

サウンドバーは中央にシルバーのブレードを入れ、サイドにピニンファリーナのロゴを配置

 プレス・カンファレンスで紹介された3種類の違うデザインを持つ液晶テレビ、サウンドバー、ネットワークラジオは、これまでにないモダンとクラシカルが共存した素材感、造形美をすでに見せていた。

 「シャープ製品は、ピニンファリーナの力を得ることで、デザインコンシャスなユーザーに訴えることができ、またデザイン指向の強いディーラーのバイヤーさんとのコンタクトもとれるでしょう。これはライバルメーカーに対して、強い差異化につながります」とSascha氏は力強く言った。

 ピニンファリーナデザイン製品は、今回の反響をみて、ヨーロッパで2019年前半の発売が検討されている。「イタリアン・エレガンス」をモットーとするデザインとシャープ製品がどんな「融合」を見せてくれるか、大いに楽しみだ。

スピーカーもピニンファリーナがデザイン

SHARPUMCのバイス・プレジデントSascha Lange氏