WH-L600なら最大7.1chサラウンドを楽しめる

 ソニー「WH-L600」は、独自技術により最大7.1 chサラウンドを体験できるソニーのワイヤレスサラウンドヘッドホンだ。ヘッドホン本体とそれを掛ける充電機能付きベースユニットでひとつのセットが構成される。ソニーには「MDR-HW700DS」(⇒本機の編集部インプレ記事)という同趣向の製品があり、価格的に本機はその弟モデルという位置づけになる。

 ヘッドホンは40mm径の密閉型ドライバーを採用。ARC対応のテレビと本機ベースユニットをHDMIケーブルで接続することで、テレビの音声信号がベースユニットからヘッドホンに転送される。バッテリーは約17時間の連続再生に対応したロングライフ仕様なので、残量を気にせず映画鑑賞に没頭することができる。

トランスミッター部前面。上段には音場モード、下段は入力端子の表示が出る。音場モードは「シネマ」「ゲーム」「ボイス」「スポーツ」とオフから選択でき、音声フォーマットは右側に点灯表示される

 WH-L600の4種類あるエフェクトモードから「シネマ」を選択して、HDMI接続した32インチの液晶テレビ+ソニー「BDP-S6700」でBD『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を再生してみた。しばらくはサラウンドヘッドホンの音づくりに耳とアタマがついていかないような感覚があるものの、一度慣れてしまうと違和感はほとんどなくなる。

 独自技術の「Virtualphones Technology」によって5.1chをアップミックス、7.1ch再生を実現するのだが、これがなかなかナチュラルで過度な演出のないサラウンド感。大衆の喧騒やカーチェイスにおける前後左右の位置関係が“点”ではなく“面”で大らかに再現され、サラウンドの気分を盛り上げる。

リア側には入力端子を装備する

 ヘッドホンとして特徴的なのは、低域のエネルギー感だ。ハウジングが振動するほどの量感がある。加えてダイナミックレンジが広いので、聴きやすさを優先する「コンプレッション」機能はオフにして使った方が本来の魅力を活かせるだろう。

 ソニーをはじめ、これまでさまざまなメーカーがバーチャルサラウンドヘッドホンを手がけてきたが、このWH-L600はエントリー価格で手に入るモデルとしてはきわめて質の高いサラウンド体験を提供してくれる。密室もののサスペンスやスタジアムライヴ作品でも、その効果を実感することができた。ゲームはもちろん、幅広い用途を期待できる一品である。

WIRELESS SURROUND HEADPHONE
SONY
WH-L600
オープン価格(実勢価格3万円前後)
<SPECS>
ヘッドホン部
●型式:密閉ダイナミック型
●ユニット口径:40mm
●質量:320g
トランスミッター部
●接続端子:デジタル音声入力2系統(HDMI、光)、アナログ音声入力(3.5mmステレオミニ)
●寸法/質量:W145×H278×D188mm/470g

WH-L600 | サラウンドヘッドホン | ソニー
https://www.sony.jp/headphone/products/WH-L600/

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